出た杭

鵜海 喨

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終わり

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 この世の中は、言葉通りに出た杭は打たれる。
 出た杭。誰が、定義付けたわけでもないのに、自然と生まれる存在。

 空は、赤く染まり、彗星が流れ落ちている。

 赤と青のコントラストは、世界を描写する。
 正しかったのだろうか? 否。正しいかは、全知を超えた先にある。

 霊が人に憑くように、我々も、また誰かに憑いている。

 無意識のうちに、この環境に依存している。

 行動を起こすことも出来る。しかし、それが正しい保証なんて何処のもない。

 安全と誰が保証するのだろうか?

 不安全と言う名の蛇に睨まれた、我ら臆病者の蛙。

 今にも崩れ落ちそうな、その空間に取り残された、蛙は、嘆くことも許されず、ただ只管に今、置かれている状況は普通だ。と暗示をかけるのみ。

 仕方ない。
 そういうもの。
 
 果たしてそうだろうか?

 暗示をかけた結果。その空間に有った小さな小さな金塊を幸せと称すだけ。

 金塊は金に過ぎない。しかし、それを我らは幸せと称する。

 危険な事から目を背け、現実逃避する。

 生物としておかしい事をしている。
 安全を検証したわけじゃない。安全を保証されたわけじゃない。安全を証明されたわけじゃない。

 小さな小さな金塊を拾い上げる前に、否。見つける事は不可能な物を見つけている時点で壊れている。

 貴方は蛇に睨まれている。いつ相手が動きだすか分からない状態で、目を背けた。

 多くの人間は。

 災害? 確かにそうだ。

 蛇は貴方に歩み寄る。

 そして何故、貴方は、空気を読む?

 私は読まない。否。理解できない。

 危険を孕む、言語。

 私はそれを操っているのは承知の上だ。

 言葉があるから、問題が発生している。

 言外を読み、処理して何が起こる。

 解釈は、星の数ほどある。解釈だけならいい、未来を考えれば、よりその数は膨れ上がる。

 その確実には、伝わらない事に従うのは、自から蛇に近寄るに等しい。

 いいのだろうか?

 しかし、読まない事は蛇に挑発する事になる。

 おかしな話だ。

 空気を読んで、結果を出した。

 それが正しい保証は何処にある?

 答えは無いだ。

 そして、空気を読むという事、相手の意見を聞き入れる事は、相手の立場になって考える事。

 しかし、立場を読んで貰えるのは「通常」な人だと。

 蛇に睨まれているのにも、背け、小さな小さな金塊を拾う愚か者、いや、その功績を認めて勇者とでも言おうか。

 勇者は自身がやっている事は正しいと考える。
 なぜなら、周りの勇者の同調圧力に屈し、やらなくちゃいけない、と思ってしまった、軟弱者だからだ。

 憐憫。そう思ってしまう。

 そして、蛙の中にも一定数、蛇に向き合う人間が居る。その臆病さから弱者とでも言おうか。
 弱者の立場は、勇者からは到底理解することが出来ない。

 勇者は認識していない、いや、認識できない蛇を弱者は認識し、それに怯えてる。

 勇者からしたら、何故、怯えているのか検討すらつかない。

 出る杭は打たれる。

 弱者は、多くを占める勇者の同調圧力に屈しようも屈せない。

 自身が行う事は本当に正しいのか、との疑問、または自身の行動に安全の保証、証明、検証されていないからだ。

 そして、弱者は精神的に八方塞がりな状態で生きている。

 平民は勇者に助けを求める。弱者もまた同じだ。

 勇者の指示は、勇者の指示であって弱者の判断では無い。

 その行動によって出た自身の損害、他者への損害は、勇者の指示であるため、責任は指示をした勇者が持つことになる。

 責任は、蛇を刺激する香料だ。

 それを持たなくて済む事が、ある意味、一定の安全を保証する事になる。

 蛇は自然と人間だ。

 貴方は怖い時どうるだろうか。

 誰かに相談する? 誰かに甘える?

 私は分かる。

 誰かに頼ることの出来るのは、皆同じフォーマットである勇者だけだと。
 一人じゃ解決出来ない勇者は、軟弱だ。

 誰にも頼れない人間は、自分の心を自身の力で生かす事の出来る英雄だ。

 そう、勇者と称したのは皮肉だ。
 周りの口車に操られた、つまり空気を読んだ勇者は実は軟弱者。

 勘違いしないでほしい。英雄は空気を認識出来ない人間、または空気だと分からない人間だ。
 空気を読もうとしている人間は軟弱者だ。

 面白いね。英雄諸君。

 頑張って生きてください。
 健闘を祈ります。
 英雄諸君。
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