明日の日差し

鵜海喨

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終わり

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 由々しく陽はその姿を消していく。
 また、それは明日の私達を照らすだろう。

 友人は、もうすっかり消えた陽を見つめて言った。

「今日がループすれば良いのに」

 そう泣き言として言った。
 奇しくも、その言葉には感情が見受けられない。

 何故なのだろうか。

 そして、とろ火のような日差しは、とうとう夕闇に誘った。

 同時。
 コンマ一秒の狂いもない同時。

 その鏡に写ったそれは、光り輝く火の玉。
 世界を写す二つの鏡は、その光を刻々と描写していた。
 炬火のように燃え尽きた光は、まるで私らを示唆する者だった。

 日として同時。

 楽しい宴は、去った。
 
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