怪文書研究

鵜海 喨

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 はくはくはくはくはくはく
 人の皮膚の模様替え。色として音を見て、知れる幸せ、そして。
 
 繋いだ手の破片を拾い、非道に広い皮脂がただ喀血している姿を横目で流し、ただ長い間歩いている実感が多少にあるもそれが真なのか、私には回答を出せぬが実際に歩いた鎖腐り首の皮一枚の子供の笑い声が聞こえ、耳を切り捨てれば不思議と景色が見えた記憶が脳裏によぎる模した知識の塊を転がし我々は誰なのだ誰なのだ誰なのだと怒鳴っては世界はこうだと折れた物差しで図っては、健気に笑う人の児の精神状態など知った事ないと想像し、また私は結局歩みを進める他あらず、人の笑い声、いや、うめき声を泳いで、生きるエスカレーターに踏み入れた足を動かし続ける事柄はまるで、生き急いだ若者のようだと蛙は言うも蝿は美しいと称賛していたそんな夢を見た私は、果たして、この止まらぬ思考に終着点があるのだろうかと、疑問に思うも、実際に見る景色とは、酷く美しい程の青空と鮮血の赤い色に埋もれた意識を掘削するように身を起こしては背を伸ばし、恰も草原に寝そべっていたかのような匂いと、まるで下痢を漏らしたかのような生暖かい尻がこれが現実だと私に突きつけ、意識は絶頂に達しようとして、興奮を抑えられず冷や汗と脂汗を皮膚に滲ませては吐き気や寒気、震えを纏い、我に帰った気がほんの少し香る程度に、つまり、電車で強い香水をつけた化け物を目前にしたかのような、そんな感覚を、意味なくぶら下がった、首が感じ怯えている自分が本当なのかと、自問自答を繰り返すも、結果は知らぬと一点張りを続けて最後には分からず、思考を片付けようと作業を開始し、その物音がやけに反響する部屋のように断末魔如く響く。

 なんだろうか。私は。
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