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第二章 異世界でなんとか生きてます
第22話 ランタン・シールのライセンス販売
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レイはダンを連れて、ニコルが店を出している広場についた。
ニコルの店は、午後の販売も一段落して、ちょうど片付け始めたところだった。
「ニコルさん、ランタンの件なんですが・・・」
「レイ殿、昨日店頭に出してたランタン大も、さっき売れましたよ。
縫製ギルドの支店が購入されたんですよ。
急ぎの仕事があり、夜の作業には苦労していたようですが、これで大分楽になると感謝されましたよ。」
「それは、よかったです。
ところで、こちらは森の中で知り合った錬成師のダンです。
ダン、こちらはニコルさんです。」
「商人のニコルです。
ダンさんは錬成師なのですね、錬成師協会とはお付き合いがあります。
ダンさんとも、これからよろしくお願いします。」
「はじめまして、錬成師のダンです。
レイには、森でグレー・ウルフに襲われていたところを助けてもらいました。
しがない錬成師ですが、こちらこそよろしくお願いします。」
二人のあいさつが済むと、レイが切り出した。
「ニコルさん、昨日のランタンの術式の上書きがやりすぎだったようなので、いまあるランタンに付け加える形で性能を向上する方法を考えたのです。
ダンに協力してもらって、性能向上の付加をするものを錬成可能にしたのです。」
レイは説明しながら、ブレスレットのアイテム・ボックスから、赤と青のシートを1枚づつ出した。
「赤いシールは、明るくするシール。
青いシールは、魔石のモチをよくするシールです。
シールというのはこの布のようなもので、一枚づつはがして、ランタンに貼り付けて使います。」
「レイ殿が錬成についても知識があるというのは、理解しました。
そのシールというものは、実際使ってみてもらえますか。」
「わかりました。
串焼き屋のお兄さん、ランタンを借りていいですか。」
レイは、ニコルの店の横の串焼きの屋台に声をかけた。
「おぉ、ボロいランタンだけど、いいぜ。」
店主は、屋台の端にかかっていたランタンをはずし、持ってきてくれた。
「ありがとうございます。
まずは、ランタンをつけます。
次に、この赤いシールをはがし、ランタンに貼ると、明るさが2倍になります。
そして、この青いシールをはがし、ランタンに貼ると、魔石のモチが2倍になります。
魔石のモチの方は、使い続けないとわからないかもしれませんが。」
「へぇ~、便利なもんだなぁ。」
串焼き屋の店主が、感心したように声をあげた。
「それでレイ殿は、このシールの販売を私に委託したいということでしょうか。」
「えぇ、そうなんです。
庶民の手にはいりやすい価格で、夜でもある程度明るい生活を普及させたいんだ。
このシールの錬成はダンがおこなって、ある程度の量は定期的に納品できるはずなんだ。
とりあえず、4✕4の16枚がひとつのシートになったものが、赤青それぞれ9枚用意しました。」
「わかりました。
庶民にも手が届きやすく、既存の利権をあまり刺激しない金額ということで、店頭販売価格がシール単品が銀貨1枚、16枚のシート1枚分で金貨1枚では、どうでしょうか。
原価を考慮していませんが、1シートを銀貨8枚で買取り、銀貨2枚を手数料になります。」
「ダン、原価も含めて、これでいいだろうか?」
「俺は、銀貨2枚もあればおつりくるんで、異存はないぞ。」
「じゃぁ、今回はシート18枚で銀貨144枚なので、金貨14枚と銀貨4枚をダンに渡してください。
今後も、同じようにダンと取引きをしてもらえますか。」
レイの言葉を聞いた瞬間、ダンが血相を変えてきた。
「ちょっと、待ったーっ!
俺は、そんなにもらうわけにはいかない。
大体、このシートの錬成陣の術式を書いたのはレイじゃないか。
俺は、素材を準備しただけだよ。
ニコルさん、あんたからもなんとか言ってくれないか。」
「レイ殿、錬成陣などの術式を新規に作成した場合は、7割くらいが普通で、少なくとも5割は術式の作成者の取り分になります。
なんぼなんでも、レイ殿の取り分がいらないというのは、ありえないことです。」
「そうだよ、レイ。
俺も、レイの取り分が5割はないと、この錬成の仕事を受けるわけにはいかない。」
「わかりました、それでは私の取り分は5割とします。
ダンの取り分が3割、ニコルさんが2割でいいですね。」
「俺の分はもっと少なくてもいいんだけど、3割で了解した。」
しぶしぶといった感じで、ダンはうなずいてくれた。
「私も、経費込みで2割のままで十分利益がとれると考えています。
では、商業ギルド公認の契約魔術で、今後の商取引について確定させていただきます。」
ニコルは、アイテム・ボックスから分厚い本を取り出し、なにも書かれていないページを開いた。
「これは、商業ギルドで事前に術式が込められた契約書で、商取引の内容、条件を追加することで、お互いに拘束力のある契約を結ぶことができます。
今後のランタンに関する性能向上のシールの受け渡しにおいて、術式考案者のレイに5割、錬成者のダンに3割、受託販売者のニコルに2割とする。
受け渡しの対価については、レイは冒険者ギルドカード、ダンは錬成師協会のカード、ニコルは商人ギルドのカードによる取引とする。
簡易版ですが正式な契約書の準備ができましたので、ギルドカードをこの契約書の上においてください。」
ニコル、レイ、ダンのカードが契約書の上に置かれると、契約書と3枚のカードが淡く発行した。
「はい、これで契約が成立しました。
自分のカードをお取りください。」
3人が自分のカードを手にする。
「それでは、さっそく契約にしたがって、今回シート18枚の商取引を行います。
金貨18枚がシートの販売価格となり、5割の金貨9枚がレイ殿、3割の金貨5枚と銀貨4枚がダン殿、そして残りの2割金貨3枚と銀貨6枚が私の取り分となります。
私の取り分については、想定販売価額1シート金貨1枚に基づいたもので、実際に販売したことで得られるものです。
それでは、レイ殿とダン殿に今回の取引での取り分を、私のカードから支払います。」
ニコルはそう言うと、ニコルのカードをレイとダンのカードに順番に重ねた。
カードを重ねると、お互いのカードが光った。
「これで、ギルドカードを経由した支払いが完了しました。
確認する場合は、自分のギルドカードを持って取引ステータスと言ってください。
新しいものから10件の取引が認識できるはずです。
これは各ギルドカード共通の機能なのですが、商取引を意識する人があまりいないので知らないひとも多い機能です。」
レイとダンは、それぞれのギルドカードで確認した。
「それから、今後のシールの受け渡しに関する支払いですが、ダン殿が商人ギルドにシールを納品し、商人ギルドがダン殿とレイ殿のギルドカードに対価の振り込みを行います。
お二人とも、時々ギルドカードで振り込み確認をしてください。
引き落としは、レイ殿は冒険者ギルド、ダン殿は錬成師協会で行えます。
商取引については以上となりますが、よろしいでしょうか。」
「俺は問題ない。」
「私も問題なしです。
ニコルさんに頼んでよかった、ありがとう。」
「レイ殿、こちらこそ良い取引を行うことができました。
今後とも、よろしくお願いします。」
その後は、ダンは店の整理すると戻り。
レイとニコルたちは、宿にもどった。
ニコルの店は、午後の販売も一段落して、ちょうど片付け始めたところだった。
「ニコルさん、ランタンの件なんですが・・・」
「レイ殿、昨日店頭に出してたランタン大も、さっき売れましたよ。
縫製ギルドの支店が購入されたんですよ。
急ぎの仕事があり、夜の作業には苦労していたようですが、これで大分楽になると感謝されましたよ。」
「それは、よかったです。
ところで、こちらは森の中で知り合った錬成師のダンです。
ダン、こちらはニコルさんです。」
「商人のニコルです。
ダンさんは錬成師なのですね、錬成師協会とはお付き合いがあります。
ダンさんとも、これからよろしくお願いします。」
「はじめまして、錬成師のダンです。
レイには、森でグレー・ウルフに襲われていたところを助けてもらいました。
しがない錬成師ですが、こちらこそよろしくお願いします。」
二人のあいさつが済むと、レイが切り出した。
「ニコルさん、昨日のランタンの術式の上書きがやりすぎだったようなので、いまあるランタンに付け加える形で性能を向上する方法を考えたのです。
ダンに協力してもらって、性能向上の付加をするものを錬成可能にしたのです。」
レイは説明しながら、ブレスレットのアイテム・ボックスから、赤と青のシートを1枚づつ出した。
「赤いシールは、明るくするシール。
青いシールは、魔石のモチをよくするシールです。
シールというのはこの布のようなもので、一枚づつはがして、ランタンに貼り付けて使います。」
「レイ殿が錬成についても知識があるというのは、理解しました。
そのシールというものは、実際使ってみてもらえますか。」
「わかりました。
串焼き屋のお兄さん、ランタンを借りていいですか。」
レイは、ニコルの店の横の串焼きの屋台に声をかけた。
「おぉ、ボロいランタンだけど、いいぜ。」
店主は、屋台の端にかかっていたランタンをはずし、持ってきてくれた。
「ありがとうございます。
まずは、ランタンをつけます。
次に、この赤いシールをはがし、ランタンに貼ると、明るさが2倍になります。
そして、この青いシールをはがし、ランタンに貼ると、魔石のモチが2倍になります。
魔石のモチの方は、使い続けないとわからないかもしれませんが。」
「へぇ~、便利なもんだなぁ。」
串焼き屋の店主が、感心したように声をあげた。
「それでレイ殿は、このシールの販売を私に委託したいということでしょうか。」
「えぇ、そうなんです。
庶民の手にはいりやすい価格で、夜でもある程度明るい生活を普及させたいんだ。
このシールの錬成はダンがおこなって、ある程度の量は定期的に納品できるはずなんだ。
とりあえず、4✕4の16枚がひとつのシートになったものが、赤青それぞれ9枚用意しました。」
「わかりました。
庶民にも手が届きやすく、既存の利権をあまり刺激しない金額ということで、店頭販売価格がシール単品が銀貨1枚、16枚のシート1枚分で金貨1枚では、どうでしょうか。
原価を考慮していませんが、1シートを銀貨8枚で買取り、銀貨2枚を手数料になります。」
「ダン、原価も含めて、これでいいだろうか?」
「俺は、銀貨2枚もあればおつりくるんで、異存はないぞ。」
「じゃぁ、今回はシート18枚で銀貨144枚なので、金貨14枚と銀貨4枚をダンに渡してください。
今後も、同じようにダンと取引きをしてもらえますか。」
レイの言葉を聞いた瞬間、ダンが血相を変えてきた。
「ちょっと、待ったーっ!
俺は、そんなにもらうわけにはいかない。
大体、このシートの錬成陣の術式を書いたのはレイじゃないか。
俺は、素材を準備しただけだよ。
ニコルさん、あんたからもなんとか言ってくれないか。」
「レイ殿、錬成陣などの術式を新規に作成した場合は、7割くらいが普通で、少なくとも5割は術式の作成者の取り分になります。
なんぼなんでも、レイ殿の取り分がいらないというのは、ありえないことです。」
「そうだよ、レイ。
俺も、レイの取り分が5割はないと、この錬成の仕事を受けるわけにはいかない。」
「わかりました、それでは私の取り分は5割とします。
ダンの取り分が3割、ニコルさんが2割でいいですね。」
「俺の分はもっと少なくてもいいんだけど、3割で了解した。」
しぶしぶといった感じで、ダンはうなずいてくれた。
「私も、経費込みで2割のままで十分利益がとれると考えています。
では、商業ギルド公認の契約魔術で、今後の商取引について確定させていただきます。」
ニコルは、アイテム・ボックスから分厚い本を取り出し、なにも書かれていないページを開いた。
「これは、商業ギルドで事前に術式が込められた契約書で、商取引の内容、条件を追加することで、お互いに拘束力のある契約を結ぶことができます。
今後のランタンに関する性能向上のシールの受け渡しにおいて、術式考案者のレイに5割、錬成者のダンに3割、受託販売者のニコルに2割とする。
受け渡しの対価については、レイは冒険者ギルドカード、ダンは錬成師協会のカード、ニコルは商人ギルドのカードによる取引とする。
簡易版ですが正式な契約書の準備ができましたので、ギルドカードをこの契約書の上においてください。」
ニコル、レイ、ダンのカードが契約書の上に置かれると、契約書と3枚のカードが淡く発行した。
「はい、これで契約が成立しました。
自分のカードをお取りください。」
3人が自分のカードを手にする。
「それでは、さっそく契約にしたがって、今回シート18枚の商取引を行います。
金貨18枚がシートの販売価格となり、5割の金貨9枚がレイ殿、3割の金貨5枚と銀貨4枚がダン殿、そして残りの2割金貨3枚と銀貨6枚が私の取り分となります。
私の取り分については、想定販売価額1シート金貨1枚に基づいたもので、実際に販売したことで得られるものです。
それでは、レイ殿とダン殿に今回の取引での取り分を、私のカードから支払います。」
ニコルはそう言うと、ニコルのカードをレイとダンのカードに順番に重ねた。
カードを重ねると、お互いのカードが光った。
「これで、ギルドカードを経由した支払いが完了しました。
確認する場合は、自分のギルドカードを持って取引ステータスと言ってください。
新しいものから10件の取引が認識できるはずです。
これは各ギルドカード共通の機能なのですが、商取引を意識する人があまりいないので知らないひとも多い機能です。」
レイとダンは、それぞれのギルドカードで確認した。
「それから、今後のシールの受け渡しに関する支払いですが、ダン殿が商人ギルドにシールを納品し、商人ギルドがダン殿とレイ殿のギルドカードに対価の振り込みを行います。
お二人とも、時々ギルドカードで振り込み確認をしてください。
引き落としは、レイ殿は冒険者ギルド、ダン殿は錬成師協会で行えます。
商取引については以上となりますが、よろしいでしょうか。」
「俺は問題ない。」
「私も問題なしです。
ニコルさんに頼んでよかった、ありがとう。」
「レイ殿、こちらこそ良い取引を行うことができました。
今後とも、よろしくお願いします。」
その後は、ダンは店の整理すると戻り。
レイとニコルたちは、宿にもどった。
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