甘美なる隷属

氷華冥

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女子会と支配の布石

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都心の高級レストランの個室で、麗子、凜香、Lueur Japan社の社長である楠葉紗世の3人による「女子会」と銘打った接待会食が開催された。麗子は黒のタイトなビジネススーツに光沢のあるロングブーツを合わせ、圧倒的なカリスマを放っていた。凜香は白のブラウスとタイトなスカートで、知的な美貌と自信を漂わせつつ、「特別会議室」や「黒薔薇」での陽翔への支配体験が心の奥で燻っていた。紗世はエレガントなワンピースに身を包み、麗子と同等の洗練されたオーラを放ちながら、穏やかな微笑みで会話に参加していた。凜香は、紗世が麗子と同じ「趣味」――支配と服従の世界――を持つことをまだ知らなかった。

麗子はワイングラスを手に、凜香に優しく、しかし力強く語りかけた。「凜香、陽翔に対するあなたの最近のリーダーシップ、素晴らしいわ。でも、まだ少し甘いところがあるんじゃない? 陽翔みたいなタイプには、もっと冷徹で毅然とした厳しい態度で接するべきよ。それがプロジェクトの成功のため、そして彼自身の成長のためにも必要なの。」彼女の言葉は、凜香の嗜虐欲を刺激しつつ、ビジネス上の指導として正当化する巧妙なものだった。

紗世は麗子の意図を即座に察し、穏やかな笑みを浮かべながら同調した。「麗子社長の言う通りよ、凜香さん。陽翔さんみたいなタイプは、優しくするとかえって甘えてしまうわ。厳しく接することで、彼のポテンシャルを引き出し、プロジェクトの質も高まるの。私も部下には厳しく接して結果を出させてるわ。」紗世の言葉は、表向きはビジネス論だが、麗子と共有する「趣味」を暗に匂わせるものだった。彼女の微笑みには、凜香を支配の世界に引き込む共犯の意図が隠されていた。

凜香は、ビジネスで成功している麗子と紗世という二人の「先輩」の言葉に深く感銘を受けた。

彼女は「特別会議室」での陽翔の従順な姿や、ニードルホイールを走らせた時の興奮を思い出し、支配欲が静かに高まるのを感じた。「はい、麗子社長、紗世社長。もっと厳しく、毅然とリードします。陽翔のためにも、プロジェクトのためにも…。」凜香の声には、自信と新たな決意が宿っていた。

麗子と紗世は、凜香の反応を見て意味深に微笑み合った。麗子はグラスを軽く掲げ、「凜香、あなたならできるわ。厳しさこそが、陽翔を、そしてあなた自身を成長させるのよ。」と付け加えた。紗世も頷き、「そうね、凜香さん。厳しさは愛情の一形態よ。陽翔さんには、それが必要だわ。」二人の微笑みには、凜香を支配者として育て、陽翔をさらに深い服従に導く策略が隠されていた。

(完璧よ、凜香。)

麗子は内心でほくそ笑んだ。

(紗世と一緒に、あなたの嗜虐欲を正当化し、冷酷な支配者に育て上げるわ。陽翔は私たちのゲームの駒として、ますます深く沈むわよ。)

レストランの豪華な個室に、麗子と紗世の冷たい笑み、凜香の昂る視線が溶け合い、陽翔を支配の淵にさらに深く沈め、凜香を麗子の策略の新たな共犯者として引き込んでいった。
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