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混乱の淵と嗜虐の沼
しおりを挟むREIKAエンタープライズとLueur Japan社のミーティングを終えた後、陽翔は深い混乱に陥っていた。麗子の「完璧に振る舞え」という命令、凜香の「私の指示を完璧に守れ」という指導、そして紗世の「信頼に応えなさい」という叱責――彼は麗子と凜香の指示に忠実に従おうと最善を尽くしたが、どうしても彼女たちの納得する基準を満たせなかった。ヒアリング事項の未着手、プレゼンでの失敗、すべてが陽翔の至らなさと能力不足を突きつけ、彼の心を落胆と疑心暗鬼で蝕んだ。
陽翔はオフィスの片隅で、首に隠された黒革の首輪と股間の「Heaven and Hell」の締め付けを感じながら、途方に暮れていた。
(どうすれば…麗子様、凜香様、紗世社長の期待に応えられるんだ…?)
彼は自分のあらゆる判断に自信を失い、何を信じ、どう振る舞えばいいのか分からなくなっていた。麗子と紗世が凜香を称賛する姿――「素晴らしいリーダーシップ」「見事なプレゼン」――と比べ、陽翔は自分の無能さを痛感し、怯え、縮こまっていた。「特別会議室」やLueur Japan社での鞭の痛み、凜香の冷酷な視線、紗世の嘲笑が、彼の心をさらに混乱の淵に沈めた。
これは麗子の支配の常套手段だった。相手をダブルバインドで混乱に陥れ、判断の能力や基準を奪い、精神を破壊した上で、麗子自らが「道」を示し、支配へと誘導する。陽翔の自我は、麗子、凜香、紗世の三重の圧力に押し潰され、奴隷としてのアイデンティティだけが残った。彼は麗子の「愛」と凜香の「指導」にすがることでしか、存在意義を見出せなくなっていた。
一方、凜香は「特別会議室」やLueur Japan社での調教後の興奮が収まらず、陽翔の反応を思い浮かべるたびにゾクゾクする快感に支配されていた。夜、彼女は自室で陽翔の悲鳴、涙、縋るような懇願を思い出し、オナニーの頻度が増えていた。彼女の夢には、麗子の威圧的な姿と陽翔の従順な姿が現れ、支配と嗜虐の喜びが日常のストレスを溶かすようになっていた。「厳しさは愛情」と信じ、凜香は陽翔への冷酷さをエスカレートさせた。オフィスでの鋭い指示、「特別会議室」での鞭と熱蝋――陽翔の怯えた目が、彼女の嗜虐の沼をさらに深くしていた。
ある日、凜香は陽翔に冷たく命じた。「陽翔、今日の資料、ミスは許さないわ。私の指示を一言一句守りなさい。」彼女の目は無慈悲で、陽翔を完全に掌握する喜びに輝いていた。陽翔は震えながら答えた。「はい…凜香様…完璧に…やります…。」しかし、彼の心は、自分の努力が決して十分でないという恐怖に縛られていた。
麗子はオフィスのガラス越しにこの光景を見ながら、満足げにほくそ笑んだ。
(完璧よ、陽翔、凜香。陽翔の精神を混乱で破壊し、凜香の嗜虐欲を極限まで引き出した。陽翔は私の奴隷として、凜香は私の共犯者として、私の支配の網に絡め取られたわ。)
支配する者と支配される者、対極的な二人の姿は、麗子の意図した通りの展開だった。陽翔は麗子、凜香、紗世の三重の支配に沈み、凜香は嗜虐の喜びに溺れ、麗子のゲームは次の段階へと進んでいった。
オフィスの忙しない空気に、麗子の冷たい策略、陽翔の震える従順、凜香の無慈悲な視線が溶け合い、陽翔を支配の淵にさらに深く沈め、凜香を麗子の策略の完全な支配者として引き込んでいった。
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