宇宙装甲戦艦ハンニバル ――宇宙S級提督への野望――

黒鯛の刺身♪

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【第一章】青い地球

第三十話……女王アメーリア

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「ヨウコソ、レオナルド神聖王国ヘ!」

「ワタシハ女王アメ-リアデアル」



 タコ星人の女王様から歓迎の言葉を受ける。

 雰囲気から察するに、どうやら彼女は女王様というより、神に仕える巫女という存在に近いらしい。



「……アナタニ頼ミガアル」

「なんでしょう?」



「我ガ国ハイズレ未知ナル強国ニ併呑サレル恐レガアル小国ジャ」

「ヨッテ富国ノ為、周辺諸国ヲ見テ回リタイノジャ」



「はぁ……」

「アナタノ船ニ乗セヨトイウコトジャ!」



「ぇ!?」

「嫌カノ? 褒美ハトラスゾ!」



 この女王さまを載せると、この地に伝わる古代アヴァロンの遺産を頂けるとのことだった。

 それが何かは判らなかったが、少しでもハンニバルを強化したい私には魅力的な条件に映った。





「はぁ……、むさ苦しいところでよろしければ、あと安全は保障できませんよ?」

「ウム、ヨキニハカラエ」



 安全が保障できない点に、タコ星人たちは怪訝な顔をしたが、女王様は構わないといった感じだった。

 結局、女王様を載せ、帝国領に帰還することとなった。



 偵察任務により、新しい勢力を発見できたことは、帝国にとって重要な情報だったのだ。

 帝国総司令部に簡易メッセージを送り、ハンニバルは出港準備を整える。





 巨大なガス惑星を飛び立ち、ハンニバルは帝国に向けて、最初の長距離跳躍を開始した。

 再び危険宙域に飛び込んだのだった。







☆★☆★☆



 カリバーン歴850年6月。



 ハンニバルは通信環境が悪かった危険宙域から抜け出すと、皇帝の敗死やら宰相の裏切りについての情報が入ってきた。



「……」

「……」

「ぽこぉ~」



 戦略マップを見て唖然とした……。

 帝国主星系アルバトロスでさえ、いまやホーウッド公爵自治領の中に組み込まれていたのだ。



 カリバーン帝国政府は主星系アルバトロスを捨て、共和国から離れた地方星系24個の支持のもと、再起を図ることになった。

 ちなみにこの中には、蛮王さまが治めるエールパ星系も入っていた。

 アウグスト2世には、わずか4歳の娘しかおらず、その娘を皆で皇帝に即位させた。



 しかし、それまでの帝国の支配体制とは違い、実際には24個の地方勢力の合意のもとに成り立つ連邦制国家の様相も示していた。

 なにしろ、皇帝の下に24名の地方の有力者から成る帝国議会が制定されたのである。

 純粋な帝政とは程遠くなった。



 私が所属する帝国の軍隊も、近代的な組織から、むしろ有力者の私兵の集まりといった体を成してきていた。






☆★☆★☆



 超高速通信ビデオチャットの画面に、帝国軍総司令官クレーメンス公爵元帥の姿が映る。



「ヴェロヴェマ大佐、新しい勢力を発見したと聞いたが……」



「はい、左様です」

「こちらがそのレオナルド王国の女王アメーリア様です」



 私は超高速ビデオ通信室にアメーリア女王を招き入れ、総司令部へ紹介した。

 外交機密があるとやらで、私は説明もそこそこに防音扉を閉め、そこから退出した。







「これは設計図なのかなぁ?」

「解析してみませんとわかりませんが、そうかもしれませんわね」

「楽しみポコ♪」



 アメーリアさんから貰った古代アヴァロンの遺物は、コンピューターで解析したところ、やはり古代超文明アヴァロンの超兵器の設計図のようだった。



 しかし、作るのも古代遺跡からの部品が必要のようだった。

 我々の文明で作れる部品は8割に満たない。



 ……宝探しみたいだな、と思った。



 再び、超高速ビデオ通信室に呼ばれる。



「大佐、アメーリア女王陛下を総司令部まで送迎してくれ。失礼のないようにな!」



「はっ、かしこまりました!」



 ハンニバルの巨体は、今度は女王様の護衛任務を抱き発進する。

 目指すはツェルベルス星系の新帝都バルバロッサだった。





 ハンニバルはツェルベルス星系に向かう途中、惑星リーリヤに降り立ち、蛮王様にアメーリア女王を紹介する。

 その間に、エネルギーと物資の補給を急ぎ、簡易的なメンテナンスも行った。





「ブヒブヒ!?」

「ギギギ……」



 蛮王様と女王陛下の会話は、翻訳ツールを介さないとこのような言語であり、少し笑ってしまった。

 多分コッチ側の言語も向こうからすると変なのだろうなと思う。





☆★☆★☆



 蛮王様と別れ、ツェルベルス星系に向かうハンニバル。

 二度目の長距離跳躍を無事行ったあと、私は個室で煙草を嗜んでいた。





「ゲームの中だと、煙草が美味しいのよね~♪」



 と、独り言を言っていると……。





「艦長! はいりますクマ!」

「どうぞ~」



 ……って、いまなんて言った? クマ??





 扉から現れたのは、小さなクマだった。



「よろしくクマ~♪」



「ぇ? 誰!?」





 ……あとで知ったのだが、私がこの世界の言語に慣れたので、必要がなくなった通訳機の熊帽子を使って、クマ型アンドロイドを副官殿が作ったらしい。



 最近、どおりでクマの毛皮ジャケットも無いと思った。





 ……あとで、あのクマとモフモフしてやろっと~♪



 長期航行中の暇つぶしが少し手に入った私だった。
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