宇宙装甲戦艦ハンニバル ――宇宙S級提督への野望――

黒鯛の刺身♪

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【第一章】青い地球

第五十一話……ヴェロヴェマ死す!?

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「敵機来襲!」

「敵機来襲!」



 敵艦載機の来襲に警戒する警報で目を覚ます。

 誰かが艦長室のベッドに運んでいてくれたようだ。



 時計を確認する。

 ……8時間くらい寝ていたか。





 軍服のまま寝ていたので、軍帽を被り、そのまま急いで艦橋に戻った。





「おはようございます提督!」

「状況は?」



 副官のクリームヒルトさんから資料を受けとる。

 私が寝ていた間は敵が来ていなかったようだ。





「攻撃機32機、制空戦闘機8機の模様です!」



「B-869ブロックに対空砲で追い込み、ミサイルで仕留めろ!」

「了解ポコ!」



 寝たために頭の体力が戻ったのか、自分でも自分の指示が的確だと驚く。

 まぁ、この世界で沢山の戦闘経験を積んでいるからなのだが……。





「敵機撃墜6機確認、敵機後退します!」

「よし! 今のうちに補給と修理を急げ!」



「了解ニャ♪」

「まかせろクマ♪」



 装甲機動歩兵の弱点は艦載機だ。

 相手も次々に嫌な攻撃を繰り出してくる。





 誘導灯が点滅し、補給艦とのドッキングを果たす。

 傷病兵を移し、エネルギーや物資を受け取るハンニバル。

 追加の装甲板を急いで装着して、敵の猛攻に備えるエールパ星系艦隊。





 しかし、その後は敵の攻撃も散漫だった。

 お陰で皆の余裕もある。



 横を見れば、副官殿がキビキビと指示を出している。

 しかし一体……彼女は何時寝ているのだろうか。







☆★☆★☆



 その後、三日間も戦闘が続いた。



 二日目にはエールパ星域から、シャルンホルストさんが率いた援軍も加わったこともあり戦局は好転。

 ルドミラ教国艦隊はアルデンヌ星系侵入より6日後に全軍撤退してくれた。





 ……有利な防衛戦とはいえ、大勝利であった。





 その後、我々は艦上で戦勝を祝い、食糧庫を開放し簡易の戦勝パーティーを開いた。

 多少のアルコールとタバコも振舞った。





 皆が喜んでいるのを見届けた後、私は艦長室に戻り帽子をとる。





「……ふう、疲れた……」



 支店で営業部隊を率いる支店長も人知れず苦労していたのかな、などと思いゲームをログアウトして現実世界に戻った。







☆★☆★☆



 私は現実に戻り、風呂に入った後に近くの居酒屋に行った。



 現実でのひとり戦勝祝賀会である。

 ちょうどお腹も減っていたし……。





「いらっしゃい♪」



 店員さんに会釈をして、お一人様用のカウンター席に座る。





「餃子二人前と生中で!」

「はいよ♪」



 餃子の後は、お刺身5種盛り合わせとエビの天ぷらを頼んだ。

 安居酒屋だが、かなり豪華なメニューを頼んだつもりだ。



 たまには自分にご褒美も必要だ。

 健康の為にサラダも追加した後、熱燗も愉しんだ。





「お客さん! 何かいいことがあったんですかい?」

「さっき、戦争に勝ったんだよ!」



「……へ?」



 シマッタ……(´・ω・`)

 店員さんに完全に変な人だと思われたぽい。



 お酒も手伝い、苦笑しながらエビ天を頬張った。

 今日は鰤のお刺身が美味しかった。

 あっちの世界でも、鰤に似た魚を養殖してみよう。





 その後、コンビニに寄り常用食であるカップ麺を買いあさった後、アパートに戻った。



 机に座りPCの電源を付ける。

 インスタント珈琲を飲みながら、ステータスを調べた。





【DATE】



名前・ヴェロヴェマ



提督レベル・A級

特定スキル・羅針眼

乗艦・装甲戦艦ハンニバル

階級・大佐

爵位・男爵

領地・衛星アトラス、衛星ガイア



…………。

……。





『……おお!? A級になってるぞ!』



 洗濯物を干した後、VRゲーム用のカプセルに急いで入り、忙しなくゲームの世界に戻った。

 ……いわゆるゲーム三昧の生活だった。







☆★☆★☆



「いやっほ~♪」

「ポコ~♪」



「ご馳走ニャ~♪」

「お肉沢山クマ~♪



 我々はエールパ星系に凱旋した後、惑星リーリヤのホテルで戦勝祝賀パーティーに招かれた。



 テーブルには、高級肘川牛のステーキや大トロの握り寿司も並ぶ。

 安居酒屋とは違い、コチラはちゃんとしたご馳走だ。



 蛮王様が我々の為に用意してくれたのだ。

 ……もつべきは良い上司だ。





「……今回はすまなかったな」

「いえいえ、全然かまいませんよ。モグモグ……」



 蛮王様に謝られる。

 実は今回のルドミラ教国軍の侵攻は、不慮の事故として政治的に処理された。

 若干の慰謝料を払うことを条件に、今回のアルデンヌ星系への軍事的侵攻は無かったことにされたのだ。



 強大なグングニル共和国の存在があるために、カリバーン帝国もルドミラ教国と全面的に争う気はなかったのだ。

 そのため、私の先日の大勝利の戦歴は、公式には存在が無かったことにされた。

 よって、功績も公式的には無く、今回の昇進も当然になかった。



 この祝賀パーティーも完全非公式で、蛮王様のポケットマネーでの開催だった。

 よって、私も今回一緒に戦った兵士たちに、ハンニバル開発公社のお金で臨時ボーナスを出しておいた。



 ……やはり、ご褒美は必要だよね ( ˘ω˘)





「かんぱ~い♪」

「かんぱーい♪」



 ドレス姿のクリームヒルトさんともワイングラスで乾杯。

 楽しいみんなに囲まれ、私はとても幸せ。









 ……好事魔多し。





「凶賊死ねや!」

「女神ルドミラ様万歳!!」



 ホテルの従業員に成りすました狂信者に、私はナイフで刺された。

 脇腹を抑えた私の左手が、鮮血で真っ赤に染まる。





 ……意識が遠のく。





「提督! しっかりしてください!」

「しっかりするポコ!」



 ……皆がなにか言っている。

 私はとても眠く、瞼を閉じた……。
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