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第一章
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悠が外で昼食を食べようと言ったので、久しぶりにベットから立ち上がると、ふらついてしまい、見た目よりも筋肉のついた逞しい腕に支えられた。
「ありがとう。」
そう言って準備をするために部屋の奥に行く。葉が以前そこに服を用意していると教えてくれた。大丈夫かと心配そうな瞳と目が合った瞬間ドキッとしてしまい、赤くなった頬を冷ますように手をパタパタと動かし風を送る。めちゃくちゃかっこよかったなぁと思いながら、チラリと窓から外を見ると雪が降っている。絶対に寒いはずだと思い、厚着をしてさっきいたベッドのある場所に戻ると、悠も温かそうな紺色のコートを身に纏っていた。
「おう、準備は終わったか?」
「うん。外は寒そうだね。」
僕がそう言うと、自慢げな顔で、
「でもな、今から行く場所は寒くないぞ。」
と言い、ニヤリと笑う。そのあと、どんな場所か聞いたら秘密だ、と言って教えてくれなかった。
「着いてのお楽しみ!」
そう言い張るため、気になるけど、楽しみにしておくことにした。昼食を作ってくれていると言う葉との集合場所は、王宮の裏門だそうだ。なんでもほとんどの人が知らない近道なんだそう。だから他の人はいなかった。しかし違う廊下だけど、前回廊下を通った時は嫌なことがあったことを思い出して、少し憂鬱な気持ちになる。すると、その様子に気が付いたのか、悠が、
「今日は寒いなぁ。」
と言って手を自然に繋いできた。繋いだ手は、いつも冷たい僕の手とは違って、暖かく、僕の手の冷たさがぽかぽかと彼の熱によって溶けていくようだ。
「暖かい…」
そう呟いた僕に、
「そうだろう?昔から手だけが特に暖かいんだよなぁ。」
と不思議そうに言いつつ、僕を安心させるように微笑む彼。少し安心したのと、暖かい手が嬉しかったのとで、目が潤んでしまい立ち止まる僕を見て、悠は、
「男と手を繋ぐなんて嫌だったか?」
と僕が嫌だから泣きそうになっていると勘違いして、慌てて手を離そうとする。
「違う、嬉しくて涙が出ちゃった。」
そう言って僕は彼と手を繋ぎ直す。
「ありがとう。」
と少し恥ずかしくなって俯きながら言うと、繋いでない方の手で優しく頭を撫でてくれた。そして、葉も待っているだろうからと再び歩き出す。すると、三分ほど歩いたところで、小さめの扉が見えた。悠が開けて先に外に出るよう僕に促す。危険じゃないのかなという気持ちと、何があるのかとわくわくする気持ちの混ざった状態で扉から外に出た僕は、その景色の美しさに息を呑んだ。
「うわぁ…!」
「ありがとう。」
そう言って準備をするために部屋の奥に行く。葉が以前そこに服を用意していると教えてくれた。大丈夫かと心配そうな瞳と目が合った瞬間ドキッとしてしまい、赤くなった頬を冷ますように手をパタパタと動かし風を送る。めちゃくちゃかっこよかったなぁと思いながら、チラリと窓から外を見ると雪が降っている。絶対に寒いはずだと思い、厚着をしてさっきいたベッドのある場所に戻ると、悠も温かそうな紺色のコートを身に纏っていた。
「おう、準備は終わったか?」
「うん。外は寒そうだね。」
僕がそう言うと、自慢げな顔で、
「でもな、今から行く場所は寒くないぞ。」
と言い、ニヤリと笑う。そのあと、どんな場所か聞いたら秘密だ、と言って教えてくれなかった。
「着いてのお楽しみ!」
そう言い張るため、気になるけど、楽しみにしておくことにした。昼食を作ってくれていると言う葉との集合場所は、王宮の裏門だそうだ。なんでもほとんどの人が知らない近道なんだそう。だから他の人はいなかった。しかし違う廊下だけど、前回廊下を通った時は嫌なことがあったことを思い出して、少し憂鬱な気持ちになる。すると、その様子に気が付いたのか、悠が、
「今日は寒いなぁ。」
と言って手を自然に繋いできた。繋いだ手は、いつも冷たい僕の手とは違って、暖かく、僕の手の冷たさがぽかぽかと彼の熱によって溶けていくようだ。
「暖かい…」
そう呟いた僕に、
「そうだろう?昔から手だけが特に暖かいんだよなぁ。」
と不思議そうに言いつつ、僕を安心させるように微笑む彼。少し安心したのと、暖かい手が嬉しかったのとで、目が潤んでしまい立ち止まる僕を見て、悠は、
「男と手を繋ぐなんて嫌だったか?」
と僕が嫌だから泣きそうになっていると勘違いして、慌てて手を離そうとする。
「違う、嬉しくて涙が出ちゃった。」
そう言って僕は彼と手を繋ぎ直す。
「ありがとう。」
と少し恥ずかしくなって俯きながら言うと、繋いでない方の手で優しく頭を撫でてくれた。そして、葉も待っているだろうからと再び歩き出す。すると、三分ほど歩いたところで、小さめの扉が見えた。悠が開けて先に外に出るよう僕に促す。危険じゃないのかなという気持ちと、何があるのかとわくわくする気持ちの混ざった状態で扉から外に出た僕は、その景色の美しさに息を呑んだ。
「うわぁ…!」
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