雪を溶かすように

春野ひつじ

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第一章

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「ちょっと待って」

「どうした?他のがよかったか?これを一番見ていたから気に入っているのかと思ったんだが……」

「いや、気に入らなかったわけじゃなくて、えっと……、お金が足りなくて……」

最後の方はごにょごにょと呟く感じになってしまった。すると悠は合点がいったというように、あぁ!と小さく言う。

「そのことなら心配いらないぞ。国から薫のために金が出てるからな。申し訳ないことにこれまで那が自分の金にしていたが、それも返すようにこの前言ったんだ」

そんなお金が出ていたとは。知らなかった。

「それだったらさっきのが一番好きだったからそれがいい!」

「よし、そうしよう。良いのが見つかってよかったな」

今度こそ店員に頼んで、僕たちが帰るまでには部屋に届いているようにしてもらった。喜んでいる僕を見て、なんだか悠も新も嬉しそうで、良い友人を持ったなぁと感動していると、新が次の店に行こう、と僕を誘う。僕は大きく頷いた。
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