魔王討伐までがチュートリアル〜廃ゲーマーが異世界転移したので最弱からやりこんでみた〜

ちくわぶ太郎

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1章 チュートリアル

11話 魔女との戦闘

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「さぁ、久しぶりに楽しみましょう」

 広野に様々な大量の魔物。昨日の夜にみかけた魔物がほとんどだ。

「カルミア、全員召集して」

「了解」

 こちらも魔物を召喚する。

「あらあらまあまあ。カルミアちゃん成長したのねぇ」

「うるさい」

 相手の魔物がおそいかかってくる。女は見ているだけで戦闘に入っては来ない。少しずつ敵をへらして

「…ん?」

 よく見ると、敵の魔物が女に向かって攻撃している。

「まさか、テイムされてない…?」

 女は自分へ攻撃してくる魔物を全て先程冬志にしたように、空へ飛ばしている。

「よし、それなら…テイム!」

 倒していった魔物を次々テイムしていく。

「いける、勝てるぞ!」

 冬志が敵を倒しつつテイムを、カルミアが多すぎる敵を遠くに飛ばし減らし、ウル太郎達が複数で一体ずつ着実に倒していく。

 *

 そして、攻防が10分ほど続き、

「はぁ、はぁ…」

 太陽はいまだ高く、動き続ける冬志の体力は限界に近づいてきた。

「トウジ、大丈夫?」

「な、なんとか持ち堪えてる。でも、」

 魔物が減れば女が足していく。いつまで経っても終わらない。何かこの状況打開だかいできる策を考えなければ…

 ピコン

『テイムしたモンスター「ダークウルフ」のレベルが最大になりました。ダークコボルドへの進化が可能です。…ダークウルフが進化を確定しました。』

「なんだ…進化?」

 すると、ウル太郎が突然倒れ、あわい青色の光に包まれた。少しして、光が消え、ウル太郎が…二足で立ち上がった。

 そして、発達した足で地を踏み込み、前へ跳んだ。

「はっや…」

 進化前より鋭くなった爪で前方で群れている敵を切り裂いていく。

『ダークコボルドのスキル、「戦闘勘せんとうかん」、「超脚力ちょうきゃくりょく」を入手しました』

 敵も味方も唖然あぜんとしている中、

「あぁ、なんて美しい子なのぉ。主人のために成長を止めず、新しい力に振り回されずすぐに自分のものにしている…あなた、素晴らしいわぁ!」

 女だけが顔を赤らめ、興奮している。

 気づくと既に敵の1/4ほどが倒されている。

「…見惚みとれてる場合じゃなかった。みんな、チャンスだ!一気に敵の数を減らせ!カルミア!いくぞ!」

「わかった!」

 敵の数が減り、女への道ができた。

 二人が走り出す。カルミアが冬志を女の背後へ飛ばす。剣を低く構え、腰から肩へ袈裟けさ斬りに。一気に決着をつけようとする。

 しかし、

「あまり舐められると困っちゃうわぁ」

 こちらをチラと見て、どこから取り出したのか、30cmほどの剣を冬志の顔に向かって振るってきた。

 カルミアが冬志を少し遠くに飛ばし、距離を離す。

「あら、惜しい」

 もう一度女へ向かって走る。剣を振るう。しかし、女は涼しい顔で受け流す。カルミアが転送で援護をするが、全て見切られる。

 するとそこへ、

「___ッ!」

 ウル太郎が参戦してきた。

 冬志とウル太郎の同時攻撃で女は躱しきれず冬志の剣が擦り、血が流れる。

「痛いわねぇ。久しぶりに傷ついたわぁ」

 しかし、少しずつ二人の速さに慣れていき、攻撃を防がれていく。

「これならどう!」

 カルミアが二人を器用に転送し、撹乱する。

「…ちょっとだけまずいわねぇ」

 そこへ、カルミアが女の背後に転送した。女が攻撃を防ごうと後ろを向く。が、そこにいたのは、さきほど自分で空中に飛ばして倒していた魔物だ。

 気づいた瞬間、後ろから二つの殺気を感じた。間に合わない。

「うぉおおおお…ら!」

 剣と爪が女を切り裂く…直前、二人の目の前に黒い裂け目が現れた。

「惜しかったわねぇ」

 飛ばされた先は空中…ではなく、平野が広がっていた。地面があった。頭が混乱する。

「後ろ!」

 カルミアが叫ぶ。飛ばされた先は、女の目の前だったのだ。

 一瞬で死を悟る。

「そこまでだ」

 直後、国の方から光が飛んできた。そちらを見ると、弓を構えた男がいた。

「俺はこの国に召喚された勇者だ。悪魔、お前を倒しにきた」
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