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1章 チュートリアル
16話 黒く光り輝く剣
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ゴロゴロと揺れる感覚で目が覚めた。
「…トウジ!」
瞬間、カルミアに抱きつかれた。
「い、痛い痛い。ギブギブ」
首をホールドされ、息がつまる。カルミアが慌てて離れる。
「ふぅ…危なかった。ここは?」
「馬車の中。それで、今は…」
「ねぇ、起きて早々イチャつかないでくれない?たらし君」
「あ、ごめんなさい」
「再開して早々たらしは酷くね。…いたのか」
「当たり前だろう。僕の村でいきなり魔物が帰っていったから気になってこっちに来てみれば、カルミアさんが倒れてたから、ついでに君も連れ帰ってあげたんだ」
「そう、ありがとう。それで、魔物たちはもう大丈夫なの?」
「うん。あれから3日様子を見たけどもう襲ってくる気配はなかったよ」
「そっか。…3日?俺そんな寝てたの?!」
「そうよ。傷は無かったのに全然起きないから村のみんなやウル太郎たちも不安にしてたんだから」
「傷がなかった…?」
骨が折れてるかと思うほど痛かった記憶があるが…
「え、村の人たちにウル太郎たちをあわせたの?」
「まあ、ウル太郎たちも心配してたから1日1回お見舞いに来るくらいだよ。村の方々も最初は逃げてたけど、私といるところ見て少しずつ気にしなくなってたわ」
「そっ、か…よかった」
「今は王様に状況を伝えるためにパラキシアに戻ってるとこ。…その前に」
「?」
遼馬が顔をしかめて、
「その服、どうにかしてくんない?」
血塗れの服装の冬志にそう言った。
「ごめん、私が起きた時には1日経ってたみたいで、もう落ちなくなっちゃってた」
「そっか…俺4日も寝てたのか…」
*
パラキシアに着き、馬車の中にあった毛布を羽織って一直線に武具屋へ行く。
軽い、丈夫、動きやすい、黒いの4点を重視して新しい防具を買う。そこである物が目に入り、一緒に買って武具屋を出る。
宿へ戻り着替えて、外で待っている2人の元へ行く。
「お待たせ。じゃあ、城に向かおう」
「おー、似合ってるじゃん」
「はやく乗りなよ」
*
「トウジ殿、リョウマ殿、カルミア嬢。よくぞ村を救ってくれた。トウジ殿、村での出来事、誠にすまない。そこで詫びと言ってはなんだが、お主に授けたいものがある」
「いや、そんな、いい経験だったんで…」
「この国随一の鍛冶屋に打たせた剣だ。はたしてお主に合うかわからぬが…」
そう言って目の前に運び込まれたのは、一本の刀身が真っ黒に光り輝く剣だった。
…そう。黒く光っていた。自分の目を疑った。
「これ、どうなってるんですか…?」
嫌な感じはしないし、むしろ手に馴染んで驚くほど扱いやすい。
「わからん。それを打った鍛治士自身も驚いていた」
「ま、まぁ、とにかくありがとうございます」
「新しく作らせることもできるが、それでいいのか?」
「扱いやすいですし、これで…これがいいです」
「そうか。それと、お主らには馬車があった方がなにかと便利じゃろう。あの馬車はお主らにやる。馬車の中の手形があれば宿代はかからん。存分に使え」
まじか、めっちゃ優遇してくれるな。ありがたい。
「ありがとうございます。では」
「王様、僕には何かないのですか」
「お主には沢山やっておるじゃろうが」
という孫とおじいちゃんみたいな会話を聞きつつ城を後にする。
*
「私には何もなかった…」
カルミアが少し拗ねている。
「まぁ、カルミア装備してないし何がいいのかわからなかったんじゃない?」
「そうかもしれないけどさ…」
冬志がおもむろに腰の袋からなにかを取り出し、カルミアに渡した。
「これあげるから機嫌直しな」
「えっ、これ…」
ネックレスだ。
「さっきの武具屋で見つけた。周囲の生物の位置を把握できるんだって。召喚魔法に相性いいかなって思って買っといた」
「…ずるい」
「え?」
「ありがとうって言ったの」
カルミアが首にネックレスを付け、
「どう?似合う?」
「…似合うよ」
少し目線を逸らして言う。
「…トウジ!」
瞬間、カルミアに抱きつかれた。
「い、痛い痛い。ギブギブ」
首をホールドされ、息がつまる。カルミアが慌てて離れる。
「ふぅ…危なかった。ここは?」
「馬車の中。それで、今は…」
「ねぇ、起きて早々イチャつかないでくれない?たらし君」
「あ、ごめんなさい」
「再開して早々たらしは酷くね。…いたのか」
「当たり前だろう。僕の村でいきなり魔物が帰っていったから気になってこっちに来てみれば、カルミアさんが倒れてたから、ついでに君も連れ帰ってあげたんだ」
「そう、ありがとう。それで、魔物たちはもう大丈夫なの?」
「うん。あれから3日様子を見たけどもう襲ってくる気配はなかったよ」
「そっか。…3日?俺そんな寝てたの?!」
「そうよ。傷は無かったのに全然起きないから村のみんなやウル太郎たちも不安にしてたんだから」
「傷がなかった…?」
骨が折れてるかと思うほど痛かった記憶があるが…
「え、村の人たちにウル太郎たちをあわせたの?」
「まあ、ウル太郎たちも心配してたから1日1回お見舞いに来るくらいだよ。村の方々も最初は逃げてたけど、私といるところ見て少しずつ気にしなくなってたわ」
「そっ、か…よかった」
「今は王様に状況を伝えるためにパラキシアに戻ってるとこ。…その前に」
「?」
遼馬が顔をしかめて、
「その服、どうにかしてくんない?」
血塗れの服装の冬志にそう言った。
「ごめん、私が起きた時には1日経ってたみたいで、もう落ちなくなっちゃってた」
「そっか…俺4日も寝てたのか…」
*
パラキシアに着き、馬車の中にあった毛布を羽織って一直線に武具屋へ行く。
軽い、丈夫、動きやすい、黒いの4点を重視して新しい防具を買う。そこである物が目に入り、一緒に買って武具屋を出る。
宿へ戻り着替えて、外で待っている2人の元へ行く。
「お待たせ。じゃあ、城に向かおう」
「おー、似合ってるじゃん」
「はやく乗りなよ」
*
「トウジ殿、リョウマ殿、カルミア嬢。よくぞ村を救ってくれた。トウジ殿、村での出来事、誠にすまない。そこで詫びと言ってはなんだが、お主に授けたいものがある」
「いや、そんな、いい経験だったんで…」
「この国随一の鍛冶屋に打たせた剣だ。はたしてお主に合うかわからぬが…」
そう言って目の前に運び込まれたのは、一本の刀身が真っ黒に光り輝く剣だった。
…そう。黒く光っていた。自分の目を疑った。
「これ、どうなってるんですか…?」
嫌な感じはしないし、むしろ手に馴染んで驚くほど扱いやすい。
「わからん。それを打った鍛治士自身も驚いていた」
「ま、まぁ、とにかくありがとうございます」
「新しく作らせることもできるが、それでいいのか?」
「扱いやすいですし、これで…これがいいです」
「そうか。それと、お主らには馬車があった方がなにかと便利じゃろう。あの馬車はお主らにやる。馬車の中の手形があれば宿代はかからん。存分に使え」
まじか、めっちゃ優遇してくれるな。ありがたい。
「ありがとうございます。では」
「王様、僕には何かないのですか」
「お主には沢山やっておるじゃろうが」
という孫とおじいちゃんみたいな会話を聞きつつ城を後にする。
*
「私には何もなかった…」
カルミアが少し拗ねている。
「まぁ、カルミア装備してないし何がいいのかわからなかったんじゃない?」
「そうかもしれないけどさ…」
冬志がおもむろに腰の袋からなにかを取り出し、カルミアに渡した。
「これあげるから機嫌直しな」
「えっ、これ…」
ネックレスだ。
「さっきの武具屋で見つけた。周囲の生物の位置を把握できるんだって。召喚魔法に相性いいかなって思って買っといた」
「…ずるい」
「え?」
「ありがとうって言ったの」
カルミアが首にネックレスを付け、
「どう?似合う?」
「…似合うよ」
少し目線を逸らして言う。
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