適正異世界

sazakiri

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第11話

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俺はギルをセツナに差し出した。
「ありがとうございます!」
そしてセツナは杖にギルを翳す。
すると杖が光だした。
「御呼びですか!お客さん」

ん?杖が喋ってるんですけど
「いやーよろしくお願いします!」とセツナが挨拶をする。
なんで普通に会話してんだ?相手は杖だぞ?
「おい」
「なんですかトーマさん」
「なんで杖が話せるんだ?」
「いやそりゃ」
とセツナと話していると杖が割り込んでくる
「お客様達はご利用は初めてかい?」
「はい!」とセツナが答える
「そうですか!なら説明しましょう!」
「私の名前はゴルッキ」
「ふざけた名前だな」
「トーマさん酷いですよ」
「そうですよぉ」とゴルッキが便乗してくる
「まぁ説明してくれ」
「分かりました。」
「私ゴルッキは範囲内の価値がつく物を探せる能力があります。」と話す
「なるほど」
ゴルッキに金を払い、それ以上のものを見つけれたらプラスと言うことか。まぁゴルッキにも金が入ってWin-Winってやつだ

「じゃあゴルッキさん!早速よろしくおねがいします」
「了解です!お客様」と答えると同時にゴルッキが光を放つ。
「おお、すげぇな」
「ですね!」
と話していると光が収まった。
「ゴルッキさん!どうでした?」
「この近くにはゴールドチェリンが沢山ありますね!」
「やったーやっぱり見込んだ通りですよ!トーマさん!」
「あぁ」
どうやらセツナの話は本当だったらしい

「じゃあ早速ゴールドチェリンを取りに行きましょう!」
「おう」と俺たちが歩き出した矢先に
「お客様!」とゴルッキが止めてきた
「なんですか?」とセツナが聞く
「ここには確かに高価なゴールドチェリンが沢山あります」
「それは聞いたぞ」と俺は答える
「ですが、ここで一番高価なものはゴールドチェリンではありません!」とゴルッキが答える

「そんなまさか、こんな森にはゴールドチェリン以外にギルがつく物なんてないはずです!」と言い張る。
「おいおい酷いな」
「ほんとにあるんですって!」とゴルッキも言う

「ちなみにどれぐらいの価値なんだ?」と俺は聞く
「暫定ですが、1000000ギルは下らないかと」
「1000000ギル!?」とセツナが驚ろく
「そんなものがあんのか?」
「あります!確かに反応しました」
「トーマさん!探しましょうよ!」
「おい、さっきまで信じてなかったじゃねぇか」
「そんなことないですって!」
「こんな美味しい話がでてくるのは怪しすぎるだろ」
「神様からのお告げですって!」
こんな風に揉めているうちにゴルッキが喋りだす

「私は時間なのでそろそろ失礼します!」
「え?」と声に出てしまう
「ありがとうございましたー!」とセツナが見送る
「おいおい」
「なんですか?」
「あいつ居なくて大丈夫なの?」
「だいじょ……あ」
「あ?」
「ま、まぁ大丈夫ですって」
これは雲行きが怪しくなってきた。
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