適正異世界

sazakiri

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第24.5話

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「お前…」
そんなことがあっていいのか?
ここは異世界だぞ。
あの男は自分の適正な異世界に行けると言っていた。
そのことが本当ならなぜ現世のやつがここにいるんだ?
もしかして、異世界のレパートリー少ないのか?

「なに?」
そんなことを考えている内に相手の方から話しかけてくる。
「このあと時間あるか?」
とりあいずこいつからなにか情報をもらうのが得策だろう。
「ない」
と即答される。さすがに酷すぎません?
「いやそう言わずにさ」
と引き留める
「あんた口説きかた下手すぎるわよ」
「口説いてねぇよ」
こいつは急になにを言い出すんだ。
「じゃあなんなのよ」
「聞きたいことがある」
「ふーん」
「分かってくれたか」
「大体ね」
「それなら良かった、じゃあ店の外で待ってるから」
「了解、でも私が教えてあげれることなんてないと思うわよ?」
「なんでだ?」
「私この世界にきて間もないから」
「それが重要なんだ」
「…?」
「まぁ話せば分かる」
「ならいい」

これで分かった。
「この世界にきて間もない」という発言から俺と同じ現実の世界から来たことは確定だろう。

あとは戻る方法とか役立つ情報が知れるといいんだが。

まぁ今はあいつを待つしかないな。
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