適正異世界

sazakiri

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29話

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「よし!教えてくれてありがとな」
「別にいいよ」
まぁこいつと話をしたことでこの異世界の大まかなことは分かったな。
「じゃ俺は行く」
「え?」
「え?」
なんで引き留めたんだ?
またなんかよこせとか言ってくるのか?

「なんだよ?」
「いや…その」
「……?」
「こーゆうのって一緒に行動するもんじゃないの?」
「は?」
「え?」
「なに言ってるんだ?お前」
「だーかーら!一緒に行動するかってこと!」
なんでそうなるんだ。
俺はただ情報が知りたかっただけなんだが。

「俺は1人で旅をするから!」
「そーなの?」
「あぁ!」
「生き残れる?」
「……当たり前よ」
確かにそうだ。
俺は今能力がない。
つまり普通の武器が通用しない魔物にあった時など
即俺は現世を超えて天国へ直行してしまうのだ。
しかしな。こいつと一緒に行動すると色々面倒なことが起きそうな気がしてならない。
でも、死ぬよりは…

「じゃあ私は行く」
「…おう」
なんて考えている内に桜川は立ち去った。
つい無意識に返事してしまったし。
悪い癖がでてしまった。

まぁ今は頼んでおいた武器を受け取りに行こう。
死ぬとかを今は考えてる時ではないな。

「あ、でも1日かかるって言ってたな」
今日はどこかの宿で一泊するしかない。
異世界の宿はどんなものだろうか。

しかし、その前にやることがある。

「そろそろ宝石をギルに換金しないとな」
さすがにきょうのこともあり、宝石を沢山持ち歩いていると怪しまれるからな。

「換金できるところはどこかなっと」
近くに看板があり、そこにはこの街の地図が書いてある

「サヘル鑑定所?」
なにやらこの近くに鑑定してくれるところがあるらしい

まずはそこに向かおう。
目的地も見つけたし歩き出すとするか。

そして歩いて約10分

「ここが鑑定所か」
明らかに怪しい雰囲気がただよっている。

「帰るか」
こんなとこで騙されてたまるか!
「こんな店に入るぐらいだったら他の店に行こう」
こんな広い街だ。
他に鑑定所の一つや二つあるだろ。

「ちょっとまちな」
誰だ?店の方から呼んでくるやつがいる。
「ん?」
俺は振り向いてみる。
するとそこには明らかに人外なやつが立っている。
これは逃げよう

「待ってくれ!」
ともう一度人外が声をかけてくる。
「怖いのでやめてください!」
こちらも叫ぶ
「話だけでもいいから!」
と相手もめげない

まぁここは異世界だしな。人外の1人ぐらい店をしてても別におかしいことじゃない。
だよね?感覚麻痺ってきてる?

「話しはきこう」
とりあいず店に入ることにした。
「いらっしゃませ!」
と店主らしき人が迎えてくれる。
「あなたは普通なんですね」
人外は従業員なのか?
「ムーバのことかい?」
「ムーバ?」
誰だよそんはふざけた名前のやつ

「僕だよ」
と人外が会話に割り込む。
お前なんかい!普通に名前あるんだな。

「……ムーバはなんなんですか?」
ド直球な質問する。
だってこれ以上に聞きたいことないでしょ?

「ムーバはな……」

なんか真剣なムードになってたんだが。
これはなにか事情があるようだな。

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