適正異世界

sazakiri

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30話

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さて鑑定が始まるようだ。
鑑定する人はこの人!ムーバさんです!

「……いや誰だよ」
また1人劇場が始まってしまった。
でもそうでしょ?
こいつまじで誰なんだよ
まず人でもないけど。

じゃあムーバの見た目を話していこう。

まず身長は俺より少し高いぐらいだ。
俺の身長が169cmなので、こいつは175ぐらいかな。
そして全身が毛むくじゃらです。

「うん…化け物だ」
「なにか言いました?」
店主が聞いてくる。
「いえ…なんでも」
つい口に出てしまった。
でもこの店主も仕事しろよ。
逆にムーバが可愛そうに見えてきた。
まぉ化け物にしか見えないんですけど。

「あの…」
「なんだい?」
「ムーバさんって魔物なんですよね?」
「そうだよ」
「危険はないんですか?」
「ないよ」
「ホントに?」
「あるわけないじゃないか…一回爆発したけど」
「問題ありすぎだろ」
「まぁ誰しも完璧じゃないからね…」
「そーゆう問題なの?」
「まぁこうして仕事もしてくれるしね」
「そうですか…」
完全に仕事させてるだろこれ
逆に爆発するリスクを賭けてでも仕事しないのか

「鑑定できました」
ん?誰今の声?
「すいません?知らない声が聞こえるんですが?」
「あぁ…」
「なにか知ってるんですか?」
「それはね…」
「まさか!幽霊とかですか?」
「ムーバだよ」
「お前なんかい」
てか喋れたんかい。
もうなんでもアリだろ

「鑑定できました」
「はい」
もうどうにでもなれ。
ここは異世界だ。こんなことで驚いてはダメだ。

「金額は50000000ギルですね」
とんでもない金額だった。
マジかよこれ

「これほんとですか?!」
一応確認してみる。
「ほんとです」
「まじか!」
やったぜ!これで本当に金には困らねぇな!

「じゃあこれをどうぞ」
「なにこれ?」
紙を一枚渡された。
「鑑定書です」
「へー」
これを渡せば換金してもらえるわけか。
「ありがとうございます」
魔物だろうとお礼は言っとかないとな。

「じゃあ俺はこれで」
と店を出ようとする。
「ちょっと待ってくれ」
店主に引き留められる。
「なんですか?」
「実は君に渡したいものがある」
「え?」
なんでこんな急にRPGみたいな感じなってるの?
まさかここで最強アイテムとか?
まぁそれはないか。
魔物と住んでるぐらいだからな。

「長年守っていたものだ」
「そんな大事なものを?」
「あぁ」
「どうして俺に?」
「君はムーバのことを酷く言わなかったからな」

これはなにかありそうだな。
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