適正異世界

sazakiri

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第59話

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「さてさて…領収書っと…」
そう独り言を言いながら、紙を見る。
「…え?」
思わず声が出てしまう。
それはもちろん金額に驚いたからだ。

「100万ギルだと…」
まじか…
正直こんな金額になるとは思わなかった。
確かに一つにつき5万ギルぐらいになると聞いていた…
しかしだ。これを聞いた相手が相手だったからな…
正直に言うと信じていなかったわけだ。

まぁこれは現実です。
現実の雰囲気って感じが一つもないけど現実です。
いくらここが異世界だとしてもだ。
通貨は必要だ。
しかも、この世界は現世より、頻繁に必要らしい。
まぁこれは俺が出会ったやつらがおかしいかもしれない
だって、魔法とか使うのにもギルって言ってたぞ?

ですが、皆さんご安心ください!

今は私の手元には100万ギルあります。
もう一度言います。100万ギルもあります。
もうこれだけあれば困ることないだろ…
今まで良いことなかったけど、全てはこの為なのか?

「うおおおおおお!」
まじか!まじなのか?!これ
普通にテンション上がるんだが?
だって100万ギルだぞ?
今まで、あいつから借金してた俺はなんだったんだ…
しかし、今までの行いが積み重なって今にいるのだ。

まぁ色々騒いでしまったが、これは凄いことなのだ。
この世界においてはギルは正義そのものだ。
ギルを持っている者は強い能力も買える。
すばらしい世界だ。

「まぁギルも回収できたし…あいつらのとこ行くか」
とりあいず目的は達成できた。
しかも思った以上に大成功ってわけだ。

「だんだん暗くなってきたな」
景色が夕焼けに変わっていく。
異世界なだけあって素晴らしい景色だ。

その景色を眺めながら歩くことにした。

しばらく歩いたその時だった

「あのー」
「はい?」
誰かに声をかけられた。
とりあいず返事は返す。

「ギルを貸してくれませんか?」
振り向くとそこには少女が立っていた。
年は見た感じ俺と同じぐらいだと思う。

「こんばんわ」
暗い声で少女が話しかけてくる。
少し怖いんだが…
だってあれだよ?
いきなりギルを貸せって言ってきたやつだぞ?

「先ほどはいきなりすいませんでした!」
ガバッと頭を下げてくる。
「全然大丈夫だから!」
とりあいず頭は上げてもわないと…
「ありがとうございます」
「それで…」
俺が話し始める。
「さっきのことですね?」
こいつ俺の言葉を完全に予知している。
「そうです」
まぁ返事はしよう

まぁこんな世界だからな…
なにかギルが必要なことがあるのかもしれないな
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