適正異世界

sazakiri

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第67話

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「これ出たほうがいいのか…?」
そう。俺は今究極の選択をしようとしている。
今ドアをノックしているのは人間か否かってことだ

てか普通に考えたら人間じゃね?
だってポルターガイストなんでしょ?

ここでポルターガイストについて説明しよう。
一言で言うと見えない誰かが悪戯してくる。
つまり、怪奇現象ってわけだ。

ということは…人間だよな…?
だって幽霊とかなら普通にドアをすり抜けてくるでしょ
だよね?ポルターガイストなんだから

「じゃあ出るか…」
とりあいず出ることを選択。
まぁ人だったらただの迷惑かけてるだけだしな…

「はーい」
そう言って俺はドアを開ける。

「あ…こんばんわ」
「ん?」
「なんですか?」考察
「いやっ…なんでもないです…」
「そうですか?」
「はい」
え?普通に人間の方でしたが…
ドアの目の前には黒髪の少女が立っていた。
さっきまでの考察は合ってたけど…まじで人なのかよ
ここ異世界だからあり得ることだったんだけどな

「で…用件は?」
まぁこの人が誰かも分からんからな…
てかホテルとかで知らない人に声かけられることある?

「いや…あの…部屋に入りたいんですが…」
「え?なんで?」
ん?本当になんでだ?
初対面だよね?
なのに部屋に入りたいだと?
そんなことある…?

「え…だってここ私の部屋だから…」
「は?」
「え…?」
「ちょっと待ってくださいよ」
そう言って俺は部屋のドアの番号を確認する。
しかし自分の鍵と同じ番号が記してある。

「いや俺の部屋です」
「ま…まぁあなたの部屋でもあります…」
「ん?部屋間違えてません?」
「間違えてないです…」
「鍵見せてもらってもいいですか?」
これが一番はやいだろ。
てかここまで部屋間違いで粘ることあるか?
強情な性格が存在しているからって、これは…

「あの…」
「なんです?」
「もしかして…私のこと人間だと思ってません…?」
「ん?」
え?この質問がくることは予想外だ。
この質問をするということは…まさか

「私、死人なんです…」

まじかよ…本当にでてきたんだけど…
でもこんなに幽霊って喋るものなのか?
まだ嘘をついているっていう可能性も…
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