適正異世界

sazakiri

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第76話

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「おい」
「なに?」
「決まったか?」
「もう少し…」
「はぁ…」
俺とアリスが注文を決めてから10分が経過した。
しかし、こいつらはまだ悩んでいる。

「ルナ」 
「なんですか?」
「決まったか?」
「もう少し待ってください」
「はぁ…」
俺は待たされることは好きじゃない
まぁ人を待たせることはあるけど

「……」
アリスはなにも言わない。
こいつ本当に切り替えが上手すぎるだろ…
俺と二人だった時のテンションは何処?

「決まったわ」
「私もです!」
「おぉ…やっとか…」
どうやら決まったらしい。
マジで決まるの遅すぎだろ

「すいませーん」
俺は店員さんを呼ぶ。
「注文がお決まりですか?」
「はい」
「では、どうぞ」
そう言ってメモ帳を取り出す。
「じゃあ俺たちからいいか?」
ルナと桜川に確認をとる。
「いいわよ」
「じゃあ…モーニングセットを二つで」
「モーニングセットを二つですね」
「はい」
「飲み物はどうしましょうか?」
「俺はお茶で」
「お茶ですね…もう一つのセットはどうします?」
「アリス、どうする?」
「ジュース…」
アリスが小声で答えてくる。
「ジュースってなにかあります?」
「オレンジジュースならあります」
「アリス、オレンジジュースでいいか?」
「いい…」
「じゃあそれで」
「かしこまりました」
とりあいず俺たちの注文は無事終了。

「では、そちらのお2人は?」
「私はモーニングセットで」
桜川が言う。
「ん?」
つい声が出てしまう。
「なに?」
「モーニングセットって言った?」
「そうだけど?」
「えぇ…」
「なに?」
「なんでもないです」
まじかよこいつ…
俺たちを散々待たせておいてこれですか?
勘弁してくれよ…

「では、次の方どうぞ」
「私もモーニングセットで」
「ん?」
「なんですか?トウマさん」
「いや、なんでもない…」
はぁ…
俺たちが待っていた時間はなんだったんだ?
結局、みんな仲良くモーニングセットじゃねぇか
まぁ決まったから良いけど…
今度からは早く決めてくれ

「では、少しお待ちください」
「了解です」

全員、無事に注文をすることができた。
まぁ注文ごときで大げさだけど…
後は届くのを待つだけだ
やっと朝食が食える。
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