転生者の妹曰く、ここは俺が総攻主人公のBLゲームらしい?

天城

文字の大きさ
14 / 62

第五話-2



「残り湯がありますが湯船はお使いになりますか」
「借りてよければ……」
「はい。それと介助は必要でしょうか」
「えー、と……」
「こういった場合に洗えば良いか、お判りで?」

 こういった場合って何の話だ!?

 もしかして閨事には風呂の入り方みたいな作法やスキルがあるのか。殿下の側近ならそのあたりのスキルは俺よりも上なのだろう。

 ここは素直に従っておくべきだろうか。今後のスキル習得にも役立ちそうだし……。

「ウォルフハルド。お前まさか無理矢理犯されたのか?」
「は?違いますが」
「おや違うんですか」

 気遣いの欠片もない殿下の問いかけに反射的に答えると、目の前のエルヴェが首を傾げて眼鏡を弄っていた。そして次の瞬間、キラリと硝子の向こうで紫の瞳が煌く。

「では服がここまで乱れているのは何故ですか」
「房中術の修行中だった」
「……ああ、なるほど。だから『無理矢理犯された』のではない、と。殿下の聞き方が悪かったですねそれは」

 穏やかな口調で話しながら、エルヴェはタオルと着替えを台に置いて、猫足バスタブに俺を導いた。

 汗が冷えて張り付いたシャツを、丁寧に脱がしてくれる。ボタンとベルトの外れた下穿きも脱がされ、肩に掴まるよう促された。

 エルヴェの肩に手を置いて、下着も取り払われる。散々舐めしゃぶられて吐精した名残のある性器と、つうっと内股を伝う透明な液体が、二人の視線に晒された。

「身体を洗いましょうか」
「自分で出来なくもない」
「私にやらせてください。……それでは、どこがどうなっているか、教えて下さいますか」

 エルヴェは突っ立ったままの殿下に指先で指示を出し、厚めのタオルを取ってこさせる。

 オイ殿下だぞいいのかそれ、と横目で見ながら促されてバスタブに入った。
 ぬるめの湯が心地良い。フチに新しいタオルが置かれてそこに頭を乗せると、エルヴェが俺の肩に手で湯をかけてくれた。

「アナルが濡れていて気持ち悪い。ペニスも汚れたままで不快だ」
「尿道口やアナルに痛みはないですか?腫れていたりは」
「ない。アナルに入ったのは指と舌だけだ」
「では濡れているというのは……」
「執拗に舐めて唾液を注がれた。……ん、洗い、たい……」

 ちゃぷ、とエルヴェの手が湯に入ってきた。袖が肩までめくり上げられて、筋肉質な二の腕が見えていた。

 その手はペニスについた汚れを擦り取るように竿を扱いた。亀頭にも大きな手が被せられ、くにゅくにゅと手のひらで刺激される。

 俺はぬるま湯の中のゆるい刺激が心地良くて、両足を大きく開いていた。アナルにもくちゅくちゅと指先が入り中の唾液を洗っている。
 フレデリックに触れられた時は驚いたが、今のように洗浄目的だと判れば触れられても問題はないようだ。

 ふと見ると、オーギュスト殿下がバスタブの向こうで俺達の様子を凝視していた。澄んだ碧玉が熱をもって俺の身体に向けられているのが判る。

 何でそんなに見てるんだ?風呂まで着いてくる必要もなかったよな。

「オーギュスト殿下は、実はそれほど先王に似ていません。とくに性格が」
「……ん?」

 エルヴェは湯船の中で俺の身体を撫で回しながら、穏やかな口調で話し始めた。
 それ、たぶん俺が聞いてはいけないやつじゃないか。撫でられる感触が気持ち良いからこのまま聞いているけども。

「体格には恵まれ剣技については申し分ありません。天才の部類です。しかし、座学などの成績については私の補助があってはじめて上位に至りますし……性格は、迂闊で落ち着きがなく、パニックになると暴走してしまう。この年齢になっても全く直りません」

 おいエルヴェ、目の前の殿下がみるみる萎れていくんだが?

感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】売れ残りのΩですが隠していた××をαの上司に見られてから妙に優しくされててつらい。

天城
BL
ディランは売れ残りのΩだ。貴族のΩは十代には嫁入り先が決まるが、儚さの欠片もない逞しい身体のせいか完全に婚期を逃していた。 しかもディランの身体には秘密がある。陥没乳首なのである。恥ずかしくて大浴場にもいけないディランは、結婚は諦めていた。 しかしαの上司である騎士団長のエリオットに事故で陥没乳首を見られてから、彼はとても優しく接してくれる。始めは気まずかったものの、穏やかで壮年の色気たっぷりのエリオットの声を聞いていると、落ち着かないようなむずがゆいような、不思議な感じがするのだった。 【攻】騎士団長のα・巨体でマッチョの美形(黒髪黒目の40代)×【受】売れ残りΩ副団長・細マッチョ(陥没乳首の30代・銀髪紫目・無自覚美形)色事に慣れない陥没乳首Ωを、あの手この手で囲い込み、執拗な乳首フェラで籠絡させる独占欲つよつよαによる捕獲作戦。全3話+番外2話

悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!

ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。 らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。 なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました

多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。 ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。 ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。 攻め ユキ(23) 会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。 受け ケイ(18) 高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。 pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中

幼馴染が結婚すると聞いて祝いに行ったら、なぜか俺が抱かれていた。

夏八木アオ
BL
金髪碧眼の優男魔法使いx気が強くてお人好しな元騎士の幼馴染の二人です。

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました

無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。 前世持ちだが結局役に立たなかった。 そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。 そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。 目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。 …あれ? 僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)