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プロローグ
実咲の奇行
しおりを挟む先程着替え終わり、身支度をある程度整えたところで使用人が朝食がもう少しかかるということだけを伝えに部屋に入ってきた。
その事だけを伝えに来たはずだった
「実咲、お前はいつまで写真を撮っているんだ?」
私に実咲と呼ばれた青年は部屋に入ってきた時から数十分間私の写真を取り続けている
「お嬢様ぁぁ!本当に可愛らしいわ~可愛らしさの中に勇ましさみたいなのがあって!もう私写真を撮る手が収まらないわぁ~!!なんでこんなにも可愛いいの~??」
別に可愛らしい格好もしていないし、むしろこれは少年が着るような格好である。半ズボンにサスペンダーを取り付け、ワイシャツにネクタイ。どこぞのお坊ちゃまみたいである。
もちろん、この服を選んだのは
「やっぱり、私のファッションセンスに狂いはないわ!!」
この青年、もとい
私の御目付けであり、私を16年間守り、忠誠な犬として仕えてきた執事
魔導学は生まれた頃より叩き込まれており私を守る時はいつも魔術を使っていた。掃除、洗濯などの家事もソツなくこなす、この伊集院家の使用人長でもある。
だがそんな完璧な執事にも1つだけ問題がある
それは……
「実咲、そろそろいい加減にしないか?その………女性っぽい口調」
実咲は世間的に言う……オネェというやつらしい(メイドに教えてもらったことなので確証はない)
だが、そのオネェというやつになるのも仕方が無い。
私は男扱いをうけて来た。
そのまま女を貫き通そうと思えばできたのだが、私自身がそれを望んだことである。
だが、実咲は違う。生まれた時から私を守ること、家事、マナー、忠誠心を学ばされてき、なおかつ実咲自身に拒否権はなかったのである。そのような事をしていると男らしくしたくても男らしくできないものである。名前も「実咲」と、
いかにも女に付けるような名である。
辛くないかと幼少期に実咲に聞いたことがある、すると実咲ははにかんで
「お嬢様はそんな事を考えなさらなくても大丈夫ですよ、わたくしがお守りいたしますから」
と返ってきた。
昔の私には理解できなかったが、今も理解ができない。そして近年の実咲の行動はもっと理解できない。
お淑やかだったはずの実咲が
「お嬢様ぁぁ~♡」
などと言ってくるようになったのだ
おオネェ言葉を使い始めたのはこの時からである。抱きついてくる、ことある事に写真を撮るなど……仮にも実咲は男であり、忠実な私の下僕であり……執事であり……伊集院家の使用人長であり……そのような者がこのような愚行をして良いものだろうか。正直実咲からの好意は嬉しいものだが……それでは、主君としての従者に体する威厳が……などとごちゃごちゃ考えている間にもう朝食の時間になっていた。
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