11 / 20
11話 新天地へ羽ばたく決意
しおりを挟む
離宮から帰ってきたシルヴェーヌを待っていたのは、他人の住処のようなジュネ伯爵家だった。
(優しかった、ばあやがいない。この10年で辞めていたなんて……知らなかった)
先ぶれもなく戻ったシルヴェーヌのために、見覚えのない使用人たちが慌ただしく客間を整えている。
その間、小さな鞄ひとつを持ち、玄関にぽつんと立ち尽くすシルヴェーヌを寂しさが襲う。
7歳まで使っていた部屋はすでに片付けられ、シルヴェーヌの持ち物は何も残っていないのだそうだ。
(ばあやと作ったどんぐり独楽も、お気に入りだった押し花の絵画も……すべて無くなってしまったのね)
消沈するシルヴェーヌは気がつかない。
以前とは違って、調度品が増えた豪奢な屋敷内の様子に。
「一体どうしたと言うのだ、シルヴェーヌ? 何故、のこのこ家へと戻ってきた?」
そこへ、事情を知らないジュネ伯爵がやってきて、シルヴェーヌを問い詰める。
心ここにあらずなシルヴェーヌの、端的な言葉から詳らかになる状況に、ジュネ伯爵の顔色は次第に悪くなった。
「つまり、ガブリエル殿下に婚約者ができたから、お前はお払い箱になったという訳か」
言い方に棘が感じられるが、概ねその通りだったので、シルヴェーヌはこくりと頷いた。
「一大事だ! 至急、国王陛下に連絡を取らねば。今後、我が家への恩賞金がどうなるのか――!」
バタバタと走り去るジュネ伯爵の背中を、シルヴェーヌは無表情で見送る。
目は見えているし、耳も聞こえているが、何もかもが透明な膜の向こうにあるようで、なんだか現実味がなかった。
「お姉さま、客間の準備ができたそうです。私が案内しますわ」
ジュネ伯爵との話が終わっても、玄関ホールから動こうとしないシルヴェーヌに、控えめな声がかけられる。
ずっと心配そうに様子をうかがっていた、コンスタンスだった。
シルヴェーヌは、ジュネ伯爵にそっくりな髪色と顔を見て、大きくなった妹だと気づいたようだ。
「もしかして、コンスタンスなの?」
「お会いするのは10年ぶりですね」
コンスタンスは、パーティの夜にシルヴェーヌを見かけた件を持ち出さなかった。
それがシルヴェーヌにとって、いい記憶ではないと知っているからだ。
こちらです、と前を歩くコンスタンスに、シルヴェーヌは大人しくついていく。
もう屋敷の間取りを、シルヴェーヌは覚えていなかった。
「お姉さまが庭を走り回っている姿を、私はよくここから眺めていました」
「大樹から落ちてきたお姉さまに、心臓が飛び出るほど驚いたものです」
「春の暖かい日には、小川でばあやと魚釣りもしていましたね」
しかし、コンスタンスが思い出話をするのを聞くにつけ、窓から見える景色に懐かしさを感じた。
姫りんごをもいだ中庭、川遊びをした奥庭――シルヴェーヌの隣にいた乳母の姿まで、脳裏によみがえる。
(あの日々も、幸せだった。私が私らしくいられたのは、ばあやのおかげだったのよね)
改めて、乳母への感謝がシルヴェーヌの胸に込み上げる。
「ばあやは……随分前に退職したの?」
「お姉さまが王城へ行ってから、1年ほど後でした。それまで仕えていた使用人たちが、ぼろぼろと立て続けに辞めた時期があったのです」
当時のコンスタンスは幼かったので、その理由が分からなかった。
だが、シルヴェーヌの体質を考えれば、答えは明白だ。
辞めていった者たちは、それまでシルヴェーヌのおかげで元気でいられたのだ。
シルヴェーヌが屋敷からいなくなり、維持されていた健康状態が崩れたのだろう。
「高齢だったり、持病があったり、そういう者が軒並み辞職したようです」
使用人の入れ替えがあって、今では若い者が多くなったという。
そんな場所では、シルヴェーヌの体質をありがたがる者などいない。
またしてもシルヴェーヌは、身の置き場の無さを感じた。
「お姉さまが好きだったお庭へ、直接出られるテラス付の部屋を用意したんです」
そう言ってコンスタンスが開けた扉は、大きな掃き出し窓がある部屋に繋がっていた。
まだ明るい空からの陽光が、眩しいほどレースのカーテン越しに差し込んでいる。
「後ほど、お茶を運ばせます。どうぞゆっくり、寛いでください」
馬車に揺られて、疲れているだろうシルヴェーヌを慮り、コンスタンスは長居をせずに立ち去った。
シルヴェーヌは初めて入った客間を、ぐるりと見渡す。
滞在する客が過ごしやすいように、必要なものは全て揃っている。
だが、それだけだった。
ここには何の思い出も残っていない。
「せっかくだから、外へ出てみようかな。テラスにも、テーブルセットがあるようだし」
小さな鞄を足元へ置き、両手が空いたシルヴェーヌは、掃き出し窓を大きく開けた。
木陰をつくる樹の梢が、ざわざわっと風で揺すられ、ころんと何かがテラスの床へ落ちてくる。
「あれは、椎の実?」
シルヴェーヌは思わず近寄り、小さなそれを拾い上げた。
「子どもの頃、あんなに大きいと思っていた椎の実が……こんなに小さい」
ガブリエルと過ごした時間の長さに、そしてお別れした寂しさに、じわりと若緑色の瞳が潤む。
「10年だもの。いろいろ変わってしまっても、仕方がないわ」
乳母だって、齢をとったのだろう。
料理長も、引退したかもしれない。
この椎の実の炒り方を知っている者は、おそらく、もうこの屋敷にはいない。
「探さなくちゃ、私の次の居場所を」
すでに実家も、シルヴェーヌの安住の地ではない。
心が折れてしまったシルヴェーヌを、癒してくれはしない。
「どこかに、私の体質を受け入れてくれる人がいるはず」
手のひらの中の椎の実を、きゅっと握りしめた。
◇◆◇◆
それからしばらくして、ガブリエルの話し相手からシルヴェーヌを解任するという知らせが、ジュネ伯爵家へ届けられた。
差出人は、ジュネ伯爵が連絡を取ろうと試みていた国王だ。
何度もサインを確かめ、文面を読み直し、ジュネ伯爵は崩れ落ちた。
「なんてことだ……恩賞金も、これが最後だと書いてある」
手紙には、たっぷりの金貨が入った革袋が添えられていたが、それでは足りないと言わんばかりの恨みがましい声だ。
この10年間、シルヴェーヌを売った金で覚えた贅沢な生活に、どっぷり頭まで浸かってしまったジュネ伯爵は、もはやそこから抜け出そうにも抜け出せないのだ。
「お父さま、相談があるのですが」
すっかり萎れ切っていたジュネ伯爵に福音をもたらしたのは、この家に来て以来、ずっと黙考していたシルヴェーヌだった。
いよいよ、見知らぬ場所へひとりで飛び立つ、決意を固めたのだ。
「どなたかの、お役に立ちたいと思っています。私の体質を受け入れてくれる方を、探してもらえませんか?」
「……よくぞ言った! それでこそ私の娘だ!」
ジュネ伯爵は途端に活き活きとして、「すぐさま裕福な重病人を探せ!」「王族並みに金を払うなら、平民だって構うものか!」と家令に檄を飛ばす。
小さな世界しか知らないシルヴェーヌの、大きな一歩が踏み出された。
しかし、シルヴェーヌの決死な覚悟など、気にする者はここには誰もいなかった。
◇◆◇◆
にわかに騒々しくなった屋敷内の様子を不審に思い、何があったのかと、コンスタンスがジュネ伯爵夫妻の部屋を訪れたときにはすでに遅かった。
コンスタンスは、気兼ねもせずに大声でしゃべる二人の会話を、薄く開いた扉越しに耳にしてしまう。
「このまま、シルヴェーヌを嫁がせてしまおうと思っている。もう戻られるのはこりごりだ」
「家にいても、何の役にも立たないもの。お金を稼いでくれた方が、私たちのためになるわよ」
「それに、そろそろコンスタンスの婚礼用の、資金を貯めなくてはならないしな」
「我が家が裕福だと分かれば、格上の家からも、婿入りの声がかかるかもしれないわ!」
心あるシルヴェーヌの申し出は、ジュネ伯爵によっていいように解釈され、思わぬ方へ舵を切り始めていた。
(せっかく、お姉さまが家に戻ってきたのに。まるで厄介者のように……)
コンスタンスはジュネ伯爵夫妻の非道さに、顔を怒りで赤らめる。
(両親を放っておいては、お姉さまが望まぬ結婚をさせられてしまう。なんとかしないと――)
思い悩んだ末に頭に浮かんだのは、パーティ会場からいなくなったシルヴェーヌを探すため、遠く離れた場所まで足を運んでいたガブリエルの姿だった。
(優しかった、ばあやがいない。この10年で辞めていたなんて……知らなかった)
先ぶれもなく戻ったシルヴェーヌのために、見覚えのない使用人たちが慌ただしく客間を整えている。
その間、小さな鞄ひとつを持ち、玄関にぽつんと立ち尽くすシルヴェーヌを寂しさが襲う。
7歳まで使っていた部屋はすでに片付けられ、シルヴェーヌの持ち物は何も残っていないのだそうだ。
(ばあやと作ったどんぐり独楽も、お気に入りだった押し花の絵画も……すべて無くなってしまったのね)
消沈するシルヴェーヌは気がつかない。
以前とは違って、調度品が増えた豪奢な屋敷内の様子に。
「一体どうしたと言うのだ、シルヴェーヌ? 何故、のこのこ家へと戻ってきた?」
そこへ、事情を知らないジュネ伯爵がやってきて、シルヴェーヌを問い詰める。
心ここにあらずなシルヴェーヌの、端的な言葉から詳らかになる状況に、ジュネ伯爵の顔色は次第に悪くなった。
「つまり、ガブリエル殿下に婚約者ができたから、お前はお払い箱になったという訳か」
言い方に棘が感じられるが、概ねその通りだったので、シルヴェーヌはこくりと頷いた。
「一大事だ! 至急、国王陛下に連絡を取らねば。今後、我が家への恩賞金がどうなるのか――!」
バタバタと走り去るジュネ伯爵の背中を、シルヴェーヌは無表情で見送る。
目は見えているし、耳も聞こえているが、何もかもが透明な膜の向こうにあるようで、なんだか現実味がなかった。
「お姉さま、客間の準備ができたそうです。私が案内しますわ」
ジュネ伯爵との話が終わっても、玄関ホールから動こうとしないシルヴェーヌに、控えめな声がかけられる。
ずっと心配そうに様子をうかがっていた、コンスタンスだった。
シルヴェーヌは、ジュネ伯爵にそっくりな髪色と顔を見て、大きくなった妹だと気づいたようだ。
「もしかして、コンスタンスなの?」
「お会いするのは10年ぶりですね」
コンスタンスは、パーティの夜にシルヴェーヌを見かけた件を持ち出さなかった。
それがシルヴェーヌにとって、いい記憶ではないと知っているからだ。
こちらです、と前を歩くコンスタンスに、シルヴェーヌは大人しくついていく。
もう屋敷の間取りを、シルヴェーヌは覚えていなかった。
「お姉さまが庭を走り回っている姿を、私はよくここから眺めていました」
「大樹から落ちてきたお姉さまに、心臓が飛び出るほど驚いたものです」
「春の暖かい日には、小川でばあやと魚釣りもしていましたね」
しかし、コンスタンスが思い出話をするのを聞くにつけ、窓から見える景色に懐かしさを感じた。
姫りんごをもいだ中庭、川遊びをした奥庭――シルヴェーヌの隣にいた乳母の姿まで、脳裏によみがえる。
(あの日々も、幸せだった。私が私らしくいられたのは、ばあやのおかげだったのよね)
改めて、乳母への感謝がシルヴェーヌの胸に込み上げる。
「ばあやは……随分前に退職したの?」
「お姉さまが王城へ行ってから、1年ほど後でした。それまで仕えていた使用人たちが、ぼろぼろと立て続けに辞めた時期があったのです」
当時のコンスタンスは幼かったので、その理由が分からなかった。
だが、シルヴェーヌの体質を考えれば、答えは明白だ。
辞めていった者たちは、それまでシルヴェーヌのおかげで元気でいられたのだ。
シルヴェーヌが屋敷からいなくなり、維持されていた健康状態が崩れたのだろう。
「高齢だったり、持病があったり、そういう者が軒並み辞職したようです」
使用人の入れ替えがあって、今では若い者が多くなったという。
そんな場所では、シルヴェーヌの体質をありがたがる者などいない。
またしてもシルヴェーヌは、身の置き場の無さを感じた。
「お姉さまが好きだったお庭へ、直接出られるテラス付の部屋を用意したんです」
そう言ってコンスタンスが開けた扉は、大きな掃き出し窓がある部屋に繋がっていた。
まだ明るい空からの陽光が、眩しいほどレースのカーテン越しに差し込んでいる。
「後ほど、お茶を運ばせます。どうぞゆっくり、寛いでください」
馬車に揺られて、疲れているだろうシルヴェーヌを慮り、コンスタンスは長居をせずに立ち去った。
シルヴェーヌは初めて入った客間を、ぐるりと見渡す。
滞在する客が過ごしやすいように、必要なものは全て揃っている。
だが、それだけだった。
ここには何の思い出も残っていない。
「せっかくだから、外へ出てみようかな。テラスにも、テーブルセットがあるようだし」
小さな鞄を足元へ置き、両手が空いたシルヴェーヌは、掃き出し窓を大きく開けた。
木陰をつくる樹の梢が、ざわざわっと風で揺すられ、ころんと何かがテラスの床へ落ちてくる。
「あれは、椎の実?」
シルヴェーヌは思わず近寄り、小さなそれを拾い上げた。
「子どもの頃、あんなに大きいと思っていた椎の実が……こんなに小さい」
ガブリエルと過ごした時間の長さに、そしてお別れした寂しさに、じわりと若緑色の瞳が潤む。
「10年だもの。いろいろ変わってしまっても、仕方がないわ」
乳母だって、齢をとったのだろう。
料理長も、引退したかもしれない。
この椎の実の炒り方を知っている者は、おそらく、もうこの屋敷にはいない。
「探さなくちゃ、私の次の居場所を」
すでに実家も、シルヴェーヌの安住の地ではない。
心が折れてしまったシルヴェーヌを、癒してくれはしない。
「どこかに、私の体質を受け入れてくれる人がいるはず」
手のひらの中の椎の実を、きゅっと握りしめた。
◇◆◇◆
それからしばらくして、ガブリエルの話し相手からシルヴェーヌを解任するという知らせが、ジュネ伯爵家へ届けられた。
差出人は、ジュネ伯爵が連絡を取ろうと試みていた国王だ。
何度もサインを確かめ、文面を読み直し、ジュネ伯爵は崩れ落ちた。
「なんてことだ……恩賞金も、これが最後だと書いてある」
手紙には、たっぷりの金貨が入った革袋が添えられていたが、それでは足りないと言わんばかりの恨みがましい声だ。
この10年間、シルヴェーヌを売った金で覚えた贅沢な生活に、どっぷり頭まで浸かってしまったジュネ伯爵は、もはやそこから抜け出そうにも抜け出せないのだ。
「お父さま、相談があるのですが」
すっかり萎れ切っていたジュネ伯爵に福音をもたらしたのは、この家に来て以来、ずっと黙考していたシルヴェーヌだった。
いよいよ、見知らぬ場所へひとりで飛び立つ、決意を固めたのだ。
「どなたかの、お役に立ちたいと思っています。私の体質を受け入れてくれる方を、探してもらえませんか?」
「……よくぞ言った! それでこそ私の娘だ!」
ジュネ伯爵は途端に活き活きとして、「すぐさま裕福な重病人を探せ!」「王族並みに金を払うなら、平民だって構うものか!」と家令に檄を飛ばす。
小さな世界しか知らないシルヴェーヌの、大きな一歩が踏み出された。
しかし、シルヴェーヌの決死な覚悟など、気にする者はここには誰もいなかった。
◇◆◇◆
にわかに騒々しくなった屋敷内の様子を不審に思い、何があったのかと、コンスタンスがジュネ伯爵夫妻の部屋を訪れたときにはすでに遅かった。
コンスタンスは、気兼ねもせずに大声でしゃべる二人の会話を、薄く開いた扉越しに耳にしてしまう。
「このまま、シルヴェーヌを嫁がせてしまおうと思っている。もう戻られるのはこりごりだ」
「家にいても、何の役にも立たないもの。お金を稼いでくれた方が、私たちのためになるわよ」
「それに、そろそろコンスタンスの婚礼用の、資金を貯めなくてはならないしな」
「我が家が裕福だと分かれば、格上の家からも、婿入りの声がかかるかもしれないわ!」
心あるシルヴェーヌの申し出は、ジュネ伯爵によっていいように解釈され、思わぬ方へ舵を切り始めていた。
(せっかく、お姉さまが家に戻ってきたのに。まるで厄介者のように……)
コンスタンスはジュネ伯爵夫妻の非道さに、顔を怒りで赤らめる。
(両親を放っておいては、お姉さまが望まぬ結婚をさせられてしまう。なんとかしないと――)
思い悩んだ末に頭に浮かんだのは、パーティ会場からいなくなったシルヴェーヌを探すため、遠く離れた場所まで足を運んでいたガブリエルの姿だった。
18
あなたにおすすめの小説
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
『二流』と言われて婚約破棄されたので、ざまぁしてやります!
志熊みゅう
恋愛
「どうして君は何をやらせても『二流』なんだ!」
皇太子レイモン殿下に、公衆の面前で婚約破棄された侯爵令嬢ソフィ。皇妃の命で地味な装いに徹し、妃教育にすべてを捧げた五年間は、あっさり否定された。それでも、ソフィはくじけない。婚約破棄をきっかけに、学生生活を楽しむと決めた彼女は、一気にイメチェン、大好きだったヴァイオリンを再開し、成績も急上昇!気づけばファンクラブまでできて、学生たちの注目の的に。
そして、音楽を通して親しくなった隣国の留学生・ジョルジュの正体は、なんと……?
『二流』と蔑まれた令嬢が、“恋”と“努力”で見返す爽快逆転ストーリー!
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
元平民だった侯爵令嬢の、たった一つの願い
雲乃琳雨
恋愛
バートン侯爵家の跡取りだった父を持つニナリアは、潜伏先の家から祖父に連れ去られ、侯爵家でメイドとして働いていた。18歳になったニナリアは、祖父の命令で従姉の代わりに元平民の騎士、アレン・ラディー子爵に嫁ぐことになる。
ニナリアは母のもとに戻りたいので、アレンと離婚したくて仕方がなかったが、結婚は国王の命令でもあったので、アレンが離婚に応じるはずもなかった。アレンが初めから溺愛してきたので、ニナリアは戸惑う。ニナリアは、自分の目的を果たすことができるのか?
元平民の侯爵令嬢が、自分の人生を取り戻す、溺愛から始まる物語。
[異世界恋愛短編集]お望み通り、悪役令嬢とやらになりましたわ。ご満足いただけたかしら?
石河 翠
恋愛
公爵令嬢レイラは、王太子の婚約者である。しかし王太子は男爵令嬢にうつつをぬかして、彼女のことを「悪役令嬢」と敵視する。さらに妃教育という名目で離宮に幽閉されてしまった。
面倒な仕事を王太子から押し付けられたレイラは、やがて王族をはじめとする国の要人たちから誰にも言えない愚痴や秘密を打ち明けられるようになる。
そんなレイラの唯一の楽しみは、離宮の庭にある東屋でお茶をすること。ある時からお茶の時間に雨が降ると、顔馴染みの文官が雨宿りにやってくるようになって……。
どんな理不尽にも静かに耐えていたヒロインと、そんなヒロインの笑顔を見るためならどんな努力も惜しまないヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
「お望み通り、悪役令嬢とやらになりましたわ。ご満足いただけたかしら?」、その他5篇の異世界恋愛短編集です。
この作品は、他サイトにも投稿しております。表紙は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:32749945)をおかりしております。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる