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27話 幸せな別れ
ラーシュは、鉄格子の柵の向こうにエーヴァの姿を見つけた。
日傘で顔は隠れているが、大きなお腹を愛し気に撫でながら歩く姿は、間違いなくラーシュの愛するエーヴァだった。
(幸せなのか、エーヴァ。運命の番のもとで)
隣を歩くモグラ獣人と、しきりに何かを話しているエーヴァ。
こちらにまで、その楽しそうな声が聞こえてくるようで、ラーシュは知らず微笑んでいた。
そのときいたずらな風が、エーヴァの日傘を奪おうとする。
咄嗟に日傘の手元を掴んだエーヴァが、ラーシュの方を振り向き――そこで二人は目を合わせた。
驚きに見開かれたエーヴァの目、小さく開けられた口、ハッと息を飲んだ音までが想像できた。
ラーシュは、自分の灰色の瞳が、エーヴァの茶色の瞳と交わったことに、苦しみを覚えた。
今ここにいる自分は、エーヴァを傷つけた存在だ。
(早く、ここから立ち去らなければ――)
しかし、エーヴァと重なった視線は、とても甘美で、ラーシュの胸に熱い思いがこみ上げてくる。
もう少しだけ、あと少しだけ、愛しいエーヴァと見つめ合っていたい。
ラーシュの瞼は瞬きを忘れ、ひしとエーヴァを捉えたまま、時が止まったようだった。
そんなラーシュに、エーヴァがふわりと微笑んだ。
私は大丈夫よ。
今とても幸せなの。
だから傷ついた顔をしないで。
ラーシュもどうか幸せになって。
ずっと好きでいてくれて、ありがとう。
私もラーシュのこと、愛していたわ。
ラーシュの耳には、そうエーヴァの声が届いた気がした。
せりあがる涙をこらえて微笑み返せば、エーヴァがうんうんと頷いた。
きっと受け取った言葉は正しい。
(エーヴァ、愛しているよ。どうかずっと、幸せでいて)
ラーシュも想いを瞳に込めて、エーヴァを見つめ返す。
するとエーヴァが笑みを深くした。
伝わったことにホッとしたら、涙が零れた。
これだけ遠く離れているので、エーヴァには分からないだろうが、恥ずかしくなったラーシュは背を向ける。
もう、ここには来ない。
ラーシュを許し、微笑んでくれたエーヴァを、ずっと記憶していればいい。
そのまま、振り返らずにラーシュは歩き去った。
◇◆◇
「さようなら、ラーシュ」
柵の向こうを見つめて、エーヴァが別れの言葉を呟く。
それを聞いたニコラが、エーヴァの視線の先を見るが、モグラ獣人は目が悪い。
ニコラが、後ろ姿のラーシュを捉えることは無かった。
「エーヴァさん、どうかしましたか?」
「……心の奥底にあった思い出が、キラキラしたものだったと、少し再確認して感傷にひたってたんです。そろそろ、戻りましょうか」
先ほどより、しっとりした笑みを浮かべたエーヴァは、ニコラと屋敷へ歩を進める。
エーヴァもまた、後ろを振り返ることはなかった。
◇◆◇
アンネの発情した香りに惑わされなくなったラーシュは、心を入れ替えて働いた。
日雇いで早退を繰り返していたことを上長に詫び、リーダー職にも戻してもらった。
日勤でも夜勤でも嫌がらずに務め、真面目に頑張っているラーシュに、上長たちは胸をなでおろす。
「ようやく元のラーシュに戻ったな」
「運命の番との発情期も、やっと治まったんだろう」
「尻尾までハゲて大丈夫かと危ぶんでいたが、体調も回復したみたいだぜ」
一時期は、ひどくやつれて目が落ちくぼんでいたラーシュだったが、最近は、良く食べ良く眠るようにしている。
規則正しい生活をしているおかげで毛艶もいい。
それもこれも、きちんと働くようになって、正規の給与額になったから出来ることだった。
ラーシュは仕事帰りに、デリカテッセンで惣菜を買うようになった。
自炊するよりは値が張るが、料理ができないラーシュにとっては救世主だ。
貧困の中で暮らしていたアンネの作る料理は、いつでも質より量が重視され、必要な栄養素がまるで足りていなかった。
それを補う目的で、野菜を中心に肉料理や魚料理を購入し、摂るようにしている。
そしてアンネに誘惑され、朝まで体を繋げていた自堕落な生活からも、脱却した。
実はエーヴァの結婚式の日から、ラーシュはアンネを抱いていない。
なぜかアンネの発する運命の番の香りに、体が反応しなくなったのだ。
それまでは、ドロリと腐った果実の匂いとアンネのフェロモンによって、ほとんど強制的に勃起させられていたのに、不思議だった。
あの日、エーヴァが運命の番と結ばれたと知って、自分の存在する理由を見失ったラーシュは、これから生きる意味が無くなったと感じた。
もしかしたらそのときに、ラーシュの中の野生が、死んだのかもしれない。
野生とは本能――獣人が持つ、理性を上回る狂気。
それが欠如したラーシュを、アンネは罵るようになった。
「運命の番との間に、強い子を作りたいと思うのは、獣人として当たり前の感覚よ! それなのに勃たなくなるなんて! この役立たず!」
仕事から帰ってきたラーシュは、ヒステリーを起こすアンネを宥める。
アンネは相変わらず抑制剤を飲んでおらず、発情しっぱなしだ。
それなのに、ラーシュに体の熱を発散させてもらえないため、毎日のようにイライラしていた。
最近はアンネが、隣に住むキツネ獣人を誘惑し、ラーシュに隠れてセックスをしているのを、知りつつ見ぬふりをしている。
運命の番だろうと、もうラーシュはアンネを抱くことが出来ない。
それならば、昔のラーシュとエーヴァのように、アンネが想いを交わす恋人を見つけてくれたら、と思ったのだ。
しかし、そんなラーシュの気持ちは伝わらない。
アンネは振りかぶったマグカップを、ラーシュに向けて投げつけた。
こうして手あたり次第、辺りにあるものを投げ尽くせば、アンネはしばらく大人しくなる。
だから、ジッと耐えていたラーシュだったが、次にアンネが掴んだものを見て、慌てて止めに入った。
それは結婚の記念品――ディミトリスとエーヴァの名前が刻まれた、銀製の写真立てだった。
(これはエーヴァが幸せでいる証拠だ。傷がついてはいけない)
アンネの手から取り上げて、少し離れた場所に置き直す。
そんなラーシュを見て、アンネは激怒した。
「ラーシュがそうなったのは、エーヴァのせいなのね! 私の邪魔ばかりして! いいわ、物や思い出だけじゃなく、エーヴァ本人を排除すればいいんでしょ!」
アンネは叫びながら、キッチンへと向かう。
嫌な予感がしたラーシュは、後を追った。
アンネはシンクの引き出しから、何本も包丁を取り出していた。
「何をするつもりだ……?」
アンネの行動の意味が分からず、ラーシュが戸惑う。
しかし次のアンネの言葉に、息が止まるほど驚かされるのだ。
「私が何も知らないと思ってるんでしょ? 私に隠し通せてると思ってるんでしょ? 残念だったわね~、私、知ってるんだから~、エーヴァの居・場・所! 表通りから見える、大きな屋敷でしょ!!」
きゃははは、とアンネが笑う。
ラーシュは、アンネが包丁を持ち出した理由が見えてきた。
「まさか――エーヴァを?」
「ぶっ殺してやる!!!!」
両手に包丁を握りしめ、怒髪天をついたアンネが玄関へ向かう。
ラーシュはそれを止めるために、背後からアンネの右肩を掴んだ。
「待て、どうしてそう――」
しかし、最後まで言葉は紡げなかった。
振り返りざまにアンネが、左手の包丁をラーシュの横っ腹に突き刺したのだ。
「ぐ、っ!」
ラーシュはたたらを踏み、床に尻もちをついた。
勢いをつけて突き立てられた包丁は、垂直にラーシュの脇腹に刺さっている。
右手でそれを抜こうとしたラーシュへ、薄ら笑いを浮かべたアンネが忠告する。
「抜かないほうがいいよ、それ。栓を抜いたサイダーみたいに血が噴き出して、ラーシュ死んじゃうよ?」
日傘で顔は隠れているが、大きなお腹を愛し気に撫でながら歩く姿は、間違いなくラーシュの愛するエーヴァだった。
(幸せなのか、エーヴァ。運命の番のもとで)
隣を歩くモグラ獣人と、しきりに何かを話しているエーヴァ。
こちらにまで、その楽しそうな声が聞こえてくるようで、ラーシュは知らず微笑んでいた。
そのときいたずらな風が、エーヴァの日傘を奪おうとする。
咄嗟に日傘の手元を掴んだエーヴァが、ラーシュの方を振り向き――そこで二人は目を合わせた。
驚きに見開かれたエーヴァの目、小さく開けられた口、ハッと息を飲んだ音までが想像できた。
ラーシュは、自分の灰色の瞳が、エーヴァの茶色の瞳と交わったことに、苦しみを覚えた。
今ここにいる自分は、エーヴァを傷つけた存在だ。
(早く、ここから立ち去らなければ――)
しかし、エーヴァと重なった視線は、とても甘美で、ラーシュの胸に熱い思いがこみ上げてくる。
もう少しだけ、あと少しだけ、愛しいエーヴァと見つめ合っていたい。
ラーシュの瞼は瞬きを忘れ、ひしとエーヴァを捉えたまま、時が止まったようだった。
そんなラーシュに、エーヴァがふわりと微笑んだ。
私は大丈夫よ。
今とても幸せなの。
だから傷ついた顔をしないで。
ラーシュもどうか幸せになって。
ずっと好きでいてくれて、ありがとう。
私もラーシュのこと、愛していたわ。
ラーシュの耳には、そうエーヴァの声が届いた気がした。
せりあがる涙をこらえて微笑み返せば、エーヴァがうんうんと頷いた。
きっと受け取った言葉は正しい。
(エーヴァ、愛しているよ。どうかずっと、幸せでいて)
ラーシュも想いを瞳に込めて、エーヴァを見つめ返す。
するとエーヴァが笑みを深くした。
伝わったことにホッとしたら、涙が零れた。
これだけ遠く離れているので、エーヴァには分からないだろうが、恥ずかしくなったラーシュは背を向ける。
もう、ここには来ない。
ラーシュを許し、微笑んでくれたエーヴァを、ずっと記憶していればいい。
そのまま、振り返らずにラーシュは歩き去った。
◇◆◇
「さようなら、ラーシュ」
柵の向こうを見つめて、エーヴァが別れの言葉を呟く。
それを聞いたニコラが、エーヴァの視線の先を見るが、モグラ獣人は目が悪い。
ニコラが、後ろ姿のラーシュを捉えることは無かった。
「エーヴァさん、どうかしましたか?」
「……心の奥底にあった思い出が、キラキラしたものだったと、少し再確認して感傷にひたってたんです。そろそろ、戻りましょうか」
先ほどより、しっとりした笑みを浮かべたエーヴァは、ニコラと屋敷へ歩を進める。
エーヴァもまた、後ろを振り返ることはなかった。
◇◆◇
アンネの発情した香りに惑わされなくなったラーシュは、心を入れ替えて働いた。
日雇いで早退を繰り返していたことを上長に詫び、リーダー職にも戻してもらった。
日勤でも夜勤でも嫌がらずに務め、真面目に頑張っているラーシュに、上長たちは胸をなでおろす。
「ようやく元のラーシュに戻ったな」
「運命の番との発情期も、やっと治まったんだろう」
「尻尾までハゲて大丈夫かと危ぶんでいたが、体調も回復したみたいだぜ」
一時期は、ひどくやつれて目が落ちくぼんでいたラーシュだったが、最近は、良く食べ良く眠るようにしている。
規則正しい生活をしているおかげで毛艶もいい。
それもこれも、きちんと働くようになって、正規の給与額になったから出来ることだった。
ラーシュは仕事帰りに、デリカテッセンで惣菜を買うようになった。
自炊するよりは値が張るが、料理ができないラーシュにとっては救世主だ。
貧困の中で暮らしていたアンネの作る料理は、いつでも質より量が重視され、必要な栄養素がまるで足りていなかった。
それを補う目的で、野菜を中心に肉料理や魚料理を購入し、摂るようにしている。
そしてアンネに誘惑され、朝まで体を繋げていた自堕落な生活からも、脱却した。
実はエーヴァの結婚式の日から、ラーシュはアンネを抱いていない。
なぜかアンネの発する運命の番の香りに、体が反応しなくなったのだ。
それまでは、ドロリと腐った果実の匂いとアンネのフェロモンによって、ほとんど強制的に勃起させられていたのに、不思議だった。
あの日、エーヴァが運命の番と結ばれたと知って、自分の存在する理由を見失ったラーシュは、これから生きる意味が無くなったと感じた。
もしかしたらそのときに、ラーシュの中の野生が、死んだのかもしれない。
野生とは本能――獣人が持つ、理性を上回る狂気。
それが欠如したラーシュを、アンネは罵るようになった。
「運命の番との間に、強い子を作りたいと思うのは、獣人として当たり前の感覚よ! それなのに勃たなくなるなんて! この役立たず!」
仕事から帰ってきたラーシュは、ヒステリーを起こすアンネを宥める。
アンネは相変わらず抑制剤を飲んでおらず、発情しっぱなしだ。
それなのに、ラーシュに体の熱を発散させてもらえないため、毎日のようにイライラしていた。
最近はアンネが、隣に住むキツネ獣人を誘惑し、ラーシュに隠れてセックスをしているのを、知りつつ見ぬふりをしている。
運命の番だろうと、もうラーシュはアンネを抱くことが出来ない。
それならば、昔のラーシュとエーヴァのように、アンネが想いを交わす恋人を見つけてくれたら、と思ったのだ。
しかし、そんなラーシュの気持ちは伝わらない。
アンネは振りかぶったマグカップを、ラーシュに向けて投げつけた。
こうして手あたり次第、辺りにあるものを投げ尽くせば、アンネはしばらく大人しくなる。
だから、ジッと耐えていたラーシュだったが、次にアンネが掴んだものを見て、慌てて止めに入った。
それは結婚の記念品――ディミトリスとエーヴァの名前が刻まれた、銀製の写真立てだった。
(これはエーヴァが幸せでいる証拠だ。傷がついてはいけない)
アンネの手から取り上げて、少し離れた場所に置き直す。
そんなラーシュを見て、アンネは激怒した。
「ラーシュがそうなったのは、エーヴァのせいなのね! 私の邪魔ばかりして! いいわ、物や思い出だけじゃなく、エーヴァ本人を排除すればいいんでしょ!」
アンネは叫びながら、キッチンへと向かう。
嫌な予感がしたラーシュは、後を追った。
アンネはシンクの引き出しから、何本も包丁を取り出していた。
「何をするつもりだ……?」
アンネの行動の意味が分からず、ラーシュが戸惑う。
しかし次のアンネの言葉に、息が止まるほど驚かされるのだ。
「私が何も知らないと思ってるんでしょ? 私に隠し通せてると思ってるんでしょ? 残念だったわね~、私、知ってるんだから~、エーヴァの居・場・所! 表通りから見える、大きな屋敷でしょ!!」
きゃははは、とアンネが笑う。
ラーシュは、アンネが包丁を持ち出した理由が見えてきた。
「まさか――エーヴァを?」
「ぶっ殺してやる!!!!」
両手に包丁を握りしめ、怒髪天をついたアンネが玄関へ向かう。
ラーシュはそれを止めるために、背後からアンネの右肩を掴んだ。
「待て、どうしてそう――」
しかし、最後まで言葉は紡げなかった。
振り返りざまにアンネが、左手の包丁をラーシュの横っ腹に突き刺したのだ。
「ぐ、っ!」
ラーシュはたたらを踏み、床に尻もちをついた。
勢いをつけて突き立てられた包丁は、垂直にラーシュの脇腹に刺さっている。
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