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6話 いい毛艶の太った黒テン
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ダニング伯爵が制作した数々のオリジナルポーションを携えて、ウェンディ親子は雪山を登る。
「最初は足腰にくるだろうが、こうして体を鍛えることも大切なんだ。これから採集の旅に出るなら、なおさらね」
「はあっ、はあっ、はあっ……!」
呼吸が乱れて返事もできないでいるウェンディに、ダニング伯爵は疲労回復のポーションを手渡す。
小分けにして飲んでいるが、そろそろ制限量を越してしまう。
もっと体力をつけておくべきだったと、今更だがウェンディは後悔した。
「ウェンディは小さい頃やんちゃだったから、下地がある。すぐに筋肉もつくよ。私も旅に出た最初は、難儀したんだ」
そう言うダニング伯爵は、まだ何のポーションも飲んでいない。
素でこの雪山を軽々と登っているのだ。
魔王討伐パーティのメンバーに選ばれたときは、学者肌だったダニング伯爵も、強行軍で鍛えられたということか。
しかし、それを20年以上も保持しているのは偉業だ。
「すごいわね、お父さまは。この雪山を何度も往復していたら、私もいつかはそうなるかしら?」
「何度も往復するつもりかい? デクスターに会うために?」
「そうよ、だって……」
来年の卒業式直前に、デクスターは魔王になってしまう。
それまでには、助けないといけない。
「勇者さまに、私の最初のお客さまになってもらうと、決めたんだもの。栄えある第一号よ」
「ははっ、そうか。お客さまなら、しょうがないなあ」
ダニング伯爵が爽やかな笑顔を見せる。
それからも休憩を挟み、ウェンディたちは雪山を登り続けた。
緊張してガチガチだった心と体はいつのまにか解れ、うっすらと化粧をしてきた顔が汗まみれになった頃、ようやくデクスターの暮らす山小屋が見えたのだった。
◇◆◇
「初めまして、錬金術士のウェンディ・ダニングです」
もっと気の利いた挨拶の言葉を考えていたが、それらがウェンディの頭からすっぽ抜けるくらいには、眼前のデクスターが眼福だった。
小麦色の肌に少し長めのサラサラの黒髪、透き通った紫色の瞳は神秘的で、精悍さの中に美が穿たれていた。
(スチルより、ずっと顔がいい……死にそう)
顔が紅潮しているのは、雪山を登ってきたせいだと誤魔化せているだろうか。
そんな心配をしているウェンディに、デクスターは微笑む。
「こんな辺鄙なところへ、ようこそ。アルバートも、久しぶりだな」
「聞いてくれ、デクスター。我が娘ウェンディは錬金術界の期待の新人なんだ。デクスターが魔物に変わったのが呪いのせいではないと、そんな大発見をいとも容易く――」
【なんだよ人間、今頃になって気がつくなんて、目が節穴すぎだろ?】
どこからか、子どものような声がした。
きょろきょろとウェンディが辺りを見渡すと、デクスターの背中から肩へ、何かがよじ登ってくる。
太った黒テンのようだが、背中に小さな羽根があった。
「まさか、魔物か?」
身構えるダニング伯爵に対し、デクスターが手を挙げてそれを制す。
「待って、アルバート。これは魔物ではなく、闇の精霊なんだ。最近、妙に懐かれてしまって」
【デクスターから駄々洩れしている、強い闇の香りに引き寄せられたんだ。こんなに早く実体化できるなんて、すごいことなんだぜ】
えっへんと威張っている闇の精霊は、驚いているダニング伯爵とウェンディに向かって、自慢の体を見せつける。
【いい毛艶してるだろ? この体を得られたのは、デクスターのおかげだ。デクスターに埋め込まれた、魔王の核の――】
「ホレイショ、その先は俺が自分で説明する」
デクスターの鋭い声にとがめられ、ホレイショと呼ばれた闇の精霊はしゅんと肩を落とす。
そして、ダニング伯爵とウェンディは、ホレイショの言葉に目を見開いた。
「魔王の核だって? それは一体、どういう……?」
「お父さま、やっぱり呪いじゃなかったでしょう? 魔王にしか使えない特殊なスキルだと思っていたけど、核そのものを埋め込むなんて想定外だったわ」
衝撃を受けているダニング伯爵と、すぐに冷静さを取り戻したウェンディ。
そんな二人に、デクスターが椅子を勧める。
「長くなるから、座って話そう。俺もホレイショから聞くまで、知らなかったんだが――」
そう言って、デクスターは闇の精霊ホレイショとの出会いから打ち明け始めた。
「何かにまとわりつかれているような、そんな感覚がずっと続いていた。とくに夜がひどくて、ある日、あまりにも鬱陶しいから手で払ったら、それがホレイショに当たった。ホレイショも驚いたし、俺も驚いた。それがホレイショとの出会い、つまり実体化した瞬間だった」
「精霊については、伝説レベルの僅かな記録しか残っていない。そんな存在が、なぜデクスターのもとへ?」
「ホレイショが言うには、俺からは常に、魔王の核の香りが漏れているのだそうだ。闇の精霊はその香りに惹きつけられる。このところ香りが濃厚になったせいで、ホレイショはずっと俺にまとわりついていたようだ」
黙って話を聞いているウェンディだったが、嫌な気配をひしひしと感じる。
デクスターが魔王になるための準備が、整いだしているとしか思えなかった。
「魔王の核っていうのは? もしかして、そのせいでデクスターは魔物になったのか?」
「おそらく、そのようだ。魔王との最終決戦で、俺は魔王の呪いを受けた。呪いと思っていたそれは、呪いなんて生易しいものではなく、次期魔王の器を指定する儀式のようなものだったんだ。ホレイショが言うには、俺はいずれ、埋め込まれた魔王の核と一体化して……」
デクスターが口を噤んだが、ダニング伯爵もウェンディも、その先に続く言葉が分かった。
そもそも核というのは、魔物の根幹を成すもので、生命の源である。
ゲームの中では、魔物と戦うたびに手に入り、錬金術のいい素材となった。
もちろん魔王にも核があり、それを打ち砕くことで討伐が完了するのだが、魔王は己の核を破壊される前に聖女へ向かって放った。
このままでは事切れるのを悟って、最後の力を振り絞ったのだろうが、気がついたデクスターに阻止される。
そして、魔王の核は聖女ではなく、身を挺してかばったデクスターに埋まってしまったのだ。
場が静まりかえった中、ウェンディが口を開く。
「それを防ぐために、父と一緒にいろいろなポーションを作ってきました。魔王の核と完全に一体化するまで、どうか諦めないでください」
凛とした声は、差し込む一条の光のように、デクスターを照らす。
「アルバートには、これまでにもポーションを作ってもらったが……」
「これまでのポーションとは理論が違うのです。解呪ではなく、効果を抑えたり、時を逆行させたり……とにかく、進行を遅らせる目的には適していると思います」
力強いウェンディの説得に、絶望の色が濃かったデクスターの顔から、こわばりが解けるのが分かった。
「そうか。……ウェンディと言ったね。励ましてくれて、ありがとう」
「勇者さまの力になるために、私はここへ来ました。もう一人で、悩まないでください」
「そうだぞ、デクスター。どうしてすぐに教えてくれなかったんだ。核が埋まっているのなら、それを除去するためのポーションを、私がいくらでも開発するよ」
ウェンディに続いて、ダニング伯爵も力強い言葉を返す。
それに対して、デクスターは悲しそうな、それでいて自嘲めいた笑みを零した。
「正直、怖かったんだ。自分が魔王になってしまう未来も、それをアルバートに知られるのも。魔王の首を刎ねた俺だから、なおさら……」
カチリと、ウェンディの頭の中で何かがはまった音がした。
このデクスターの表情を、以前にどこかで見たことがある。
そして見た瞬間、ウェンディの心臓は握りつぶされたように悲鳴を上げて――。
(思い出したわ。『レンフィールド王国の枯れない花2』の、最終決戦の場面で見たのよ)
今のデクスターの表情は、そのときのスチルと一致する。
なりたくてなったわけではない魔王になってしまい、一緒に戦った仲間の子どもに成敗されようとしているデクスター。
その悲哀に満ちた表情が、前世のウェンディの胸に刺さり、あまりのショックで心不全を起こしたのだ。
(なんだ、私の死因ってデクスターだったんだ)
ウェンディにとって、とても腑に落ちる理由だった。
「最初は足腰にくるだろうが、こうして体を鍛えることも大切なんだ。これから採集の旅に出るなら、なおさらね」
「はあっ、はあっ、はあっ……!」
呼吸が乱れて返事もできないでいるウェンディに、ダニング伯爵は疲労回復のポーションを手渡す。
小分けにして飲んでいるが、そろそろ制限量を越してしまう。
もっと体力をつけておくべきだったと、今更だがウェンディは後悔した。
「ウェンディは小さい頃やんちゃだったから、下地がある。すぐに筋肉もつくよ。私も旅に出た最初は、難儀したんだ」
そう言うダニング伯爵は、まだ何のポーションも飲んでいない。
素でこの雪山を軽々と登っているのだ。
魔王討伐パーティのメンバーに選ばれたときは、学者肌だったダニング伯爵も、強行軍で鍛えられたということか。
しかし、それを20年以上も保持しているのは偉業だ。
「すごいわね、お父さまは。この雪山を何度も往復していたら、私もいつかはそうなるかしら?」
「何度も往復するつもりかい? デクスターに会うために?」
「そうよ、だって……」
来年の卒業式直前に、デクスターは魔王になってしまう。
それまでには、助けないといけない。
「勇者さまに、私の最初のお客さまになってもらうと、決めたんだもの。栄えある第一号よ」
「ははっ、そうか。お客さまなら、しょうがないなあ」
ダニング伯爵が爽やかな笑顔を見せる。
それからも休憩を挟み、ウェンディたちは雪山を登り続けた。
緊張してガチガチだった心と体はいつのまにか解れ、うっすらと化粧をしてきた顔が汗まみれになった頃、ようやくデクスターの暮らす山小屋が見えたのだった。
◇◆◇
「初めまして、錬金術士のウェンディ・ダニングです」
もっと気の利いた挨拶の言葉を考えていたが、それらがウェンディの頭からすっぽ抜けるくらいには、眼前のデクスターが眼福だった。
小麦色の肌に少し長めのサラサラの黒髪、透き通った紫色の瞳は神秘的で、精悍さの中に美が穿たれていた。
(スチルより、ずっと顔がいい……死にそう)
顔が紅潮しているのは、雪山を登ってきたせいだと誤魔化せているだろうか。
そんな心配をしているウェンディに、デクスターは微笑む。
「こんな辺鄙なところへ、ようこそ。アルバートも、久しぶりだな」
「聞いてくれ、デクスター。我が娘ウェンディは錬金術界の期待の新人なんだ。デクスターが魔物に変わったのが呪いのせいではないと、そんな大発見をいとも容易く――」
【なんだよ人間、今頃になって気がつくなんて、目が節穴すぎだろ?】
どこからか、子どものような声がした。
きょろきょろとウェンディが辺りを見渡すと、デクスターの背中から肩へ、何かがよじ登ってくる。
太った黒テンのようだが、背中に小さな羽根があった。
「まさか、魔物か?」
身構えるダニング伯爵に対し、デクスターが手を挙げてそれを制す。
「待って、アルバート。これは魔物ではなく、闇の精霊なんだ。最近、妙に懐かれてしまって」
【デクスターから駄々洩れしている、強い闇の香りに引き寄せられたんだ。こんなに早く実体化できるなんて、すごいことなんだぜ】
えっへんと威張っている闇の精霊は、驚いているダニング伯爵とウェンディに向かって、自慢の体を見せつける。
【いい毛艶してるだろ? この体を得られたのは、デクスターのおかげだ。デクスターに埋め込まれた、魔王の核の――】
「ホレイショ、その先は俺が自分で説明する」
デクスターの鋭い声にとがめられ、ホレイショと呼ばれた闇の精霊はしゅんと肩を落とす。
そして、ダニング伯爵とウェンディは、ホレイショの言葉に目を見開いた。
「魔王の核だって? それは一体、どういう……?」
「お父さま、やっぱり呪いじゃなかったでしょう? 魔王にしか使えない特殊なスキルだと思っていたけど、核そのものを埋め込むなんて想定外だったわ」
衝撃を受けているダニング伯爵と、すぐに冷静さを取り戻したウェンディ。
そんな二人に、デクスターが椅子を勧める。
「長くなるから、座って話そう。俺もホレイショから聞くまで、知らなかったんだが――」
そう言って、デクスターは闇の精霊ホレイショとの出会いから打ち明け始めた。
「何かにまとわりつかれているような、そんな感覚がずっと続いていた。とくに夜がひどくて、ある日、あまりにも鬱陶しいから手で払ったら、それがホレイショに当たった。ホレイショも驚いたし、俺も驚いた。それがホレイショとの出会い、つまり実体化した瞬間だった」
「精霊については、伝説レベルの僅かな記録しか残っていない。そんな存在が、なぜデクスターのもとへ?」
「ホレイショが言うには、俺からは常に、魔王の核の香りが漏れているのだそうだ。闇の精霊はその香りに惹きつけられる。このところ香りが濃厚になったせいで、ホレイショはずっと俺にまとわりついていたようだ」
黙って話を聞いているウェンディだったが、嫌な気配をひしひしと感じる。
デクスターが魔王になるための準備が、整いだしているとしか思えなかった。
「魔王の核っていうのは? もしかして、そのせいでデクスターは魔物になったのか?」
「おそらく、そのようだ。魔王との最終決戦で、俺は魔王の呪いを受けた。呪いと思っていたそれは、呪いなんて生易しいものではなく、次期魔王の器を指定する儀式のようなものだったんだ。ホレイショが言うには、俺はいずれ、埋め込まれた魔王の核と一体化して……」
デクスターが口を噤んだが、ダニング伯爵もウェンディも、その先に続く言葉が分かった。
そもそも核というのは、魔物の根幹を成すもので、生命の源である。
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そして、魔王の核は聖女ではなく、身を挺してかばったデクスターに埋まってしまったのだ。
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「それを防ぐために、父と一緒にいろいろなポーションを作ってきました。魔王の核と完全に一体化するまで、どうか諦めないでください」
凛とした声は、差し込む一条の光のように、デクスターを照らす。
「アルバートには、これまでにもポーションを作ってもらったが……」
「これまでのポーションとは理論が違うのです。解呪ではなく、効果を抑えたり、時を逆行させたり……とにかく、進行を遅らせる目的には適していると思います」
力強いウェンディの説得に、絶望の色が濃かったデクスターの顔から、こわばりが解けるのが分かった。
「そうか。……ウェンディと言ったね。励ましてくれて、ありがとう」
「勇者さまの力になるために、私はここへ来ました。もう一人で、悩まないでください」
「そうだぞ、デクスター。どうしてすぐに教えてくれなかったんだ。核が埋まっているのなら、それを除去するためのポーションを、私がいくらでも開発するよ」
ウェンディに続いて、ダニング伯爵も力強い言葉を返す。
それに対して、デクスターは悲しそうな、それでいて自嘲めいた笑みを零した。
「正直、怖かったんだ。自分が魔王になってしまう未来も、それをアルバートに知られるのも。魔王の首を刎ねた俺だから、なおさら……」
カチリと、ウェンディの頭の中で何かがはまった音がした。
このデクスターの表情を、以前にどこかで見たことがある。
そして見た瞬間、ウェンディの心臓は握りつぶされたように悲鳴を上げて――。
(思い出したわ。『レンフィールド王国の枯れない花2』の、最終決戦の場面で見たのよ)
今のデクスターの表情は、そのときのスチルと一致する。
なりたくてなったわけではない魔王になってしまい、一緒に戦った仲間の子どもに成敗されようとしているデクスター。
その悲哀に満ちた表情が、前世のウェンディの胸に刺さり、あまりのショックで心不全を起こしたのだ。
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