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Q3・それは何通りある?
ロゴ制作
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そんな会議の翌日。俺は仕事帰りにカフェへ立ち寄った。
頭上にはヒトデを模した看板が掲げられている。このあたりではあまり見かけないチェーン店だ。オフィスからほど近い場所に一軒あることを知り、入ってみることにしたのだ。
購入したコーヒーやラテは、店内で飲むことも持ち帰ることもできる。それなりに混み合っており、レジへ行き着くまでには少し時間がかかりそうだった。列に並びながら、手持無沙汰に看板のロゴを眺めていた。
そのヒトデの図案は中央から五分割されており、腕ごとに配色が異なっている。つまりここだけで五色あるわけで、落ち着いた店内では妙に目立った。何か由来があるのかもしれないが、安っぽい印象を受けてしまうな、と感じる。
こういったデザインは用途に合わせて色数を決めることが大事だ。俺が依頼されているサイトのロゴはどう作るべきか……。ぼんやりと考えながら、少しずつ歩みを進める。数分後には会計を済ませてタンブラーを手にしていた。
アラクネの五周年記念サイトは、このカフェのようにシックなテーマではない。お祝いの場ということもあって、それなりに明るい配色になっている。かといって、安さが売りのスーパーみたいなロゴにするわけにもいくまい。ロゴの形は固まってきたものの、配色にいまだ悩んでいた。
しかし今の俺が考えるべきことは、これをどの席で飲むのか、ということだ。テイクアウトの客が多いようで、混雑の割に席は空いている。目星をつけながら歩いていると、窓際の席に既知の顔を見かけた。
「蜂須さん」
声を掛け、近寄り、テーブルの端にタンブラーを置く。これらの行動を済ませてから、今さらながらに「迷惑だったかな」と思った。俺はいつもそうだ。出先で無闇に声を掛けるんじゃない、と友人に叱られたこともある。おそるおそる蜂須の反応を窺ったが、特に嫌がる様子はない――いや、そんな反応があてになるものか。彼女はいつだって、相手を傷つけないような行動を選ぶのだから。
「どうぞ。よかったら掛けて」
蜂須は片手を差し出し、自分の正面の席を示した。
「それじゃあ、お邪魔します」
テーブルの上には高校の教科書が積まれていた。あとはタブレットが二台。片方で電子書籍を開き、もう片方でメモをとっているようだ。ちらりと見えた画面には、英語の長文があった。講義の準備ではなく、クイズ番組の予習だろうか。
「蜂須さん、デジタルでノートをまとめるタイプなんですね」
当たり障りのない話題を選んだつもりだ。メモ用のタブレットにはキーボードが表示されている。手書き入力ではない。勉強といえば手で書くものというイメージだったので、意外だった。
「やっぱりその方が早いんですか?」
「私にとっては、ね」
彼女の手が完全に止まった。邪魔をしてしまったかと不安になる。しかし、席を勧めてきたのは彼女の方だ。本当に忙しければ相席を拒否したはず、と信じることにした。
「理論値としては、五感を総動員して覚えるのが効率的なのよ。音読しながら手書きする、とかね。でも、向いている方法は人それぞれ。勉強していくうちに、自分に合ったやり方が見つかるはずよ」
「なるほど。蜂須さんにはそれが合っているんですね。普段から資料や本はタブレットで読んでいる様子ですし、なんかカッコいいなと思っていたんです」
「内容は紙の本と同じよ。何も凄くないわ」
彼女は申し訳なさそうに苦笑した。テーブルには様々なものが置かれているが、ここに長時間いたわけではなさそうだ。次の仕事へ向かうまでの空き時間を潰しているように感じる。
ならば、少しだけ話してもいいだろうか。
「ちょっと、相談に乗っていただきたいんですが……」
蜂須の了承を得た上で、俺はここ数日考え込んでいることを伝えた。ポケットからメモ帳を取り出し、簡単な図を描きながら説明する。それは、サイトのトップページに飾るロゴについてだった。五周年ということで、五角形の図案を考えている。大きい五角形の内側に小さい五角形を収め、頂点同士を結ぶ。中央には文字を配置する。しかし、この図形に発生した六つの空間の配色が決まらない。
「六色を使って全て塗り分けるのは、派手すぎる気がして」
「そうかもしれないわね。少しイメージから外れるかしら。ページの背景は、ホワイト・シアン・ブルー・イエローの四色使いだったはず」
「ええ。背景に合わせて四色にするのが妥当だと思うんです。そもそも、隣り合うマスが異なる色になるように塗り分けたとき、何通りの塗り方があるんでしょう? 手作業で試せる範囲なら、全部やってみるのもアリじゃないかと――」
そこまで話したとき、蜂須がじっとこちらを見ていることに気付いた。いや、今までだってちゃんと視線を向けてくれていたのだが。俺が質問を始めた途端、瞳に輝きが増した気がする。
「じゃあ、計算してみる?」
そう尋ねられたとき、自分が無意識のうちに出題していたのだと知った。五角形、およびその各頂点から伸ばした線によって作られた地図を四色で塗り分けるとき、それは何通りある? 立派な数学の問題だ。
「まず、この中央のエリアをC,周囲のエリアをA1~A5としましょう。そして、使う色は四色だから1~4という名前を付けるわね。ちなみに、平面上のいかなる図形も4色で塗り分けられることは、四色定理で証明済みよ」
まずい、急に始まってしまった。慌ててペンを構える。蜂須は解ける問題を放っておけない性分なのだろう。いつも控えめで相手に合わせようとする彼女の、積極的な部分を久しぶりに見た。俺なんかがついていけるのか心配だが、他人の楽しみを中断できるほど野暮でもない。
「エリアA1から時計回りに塗り進めていくと想定しましょう。最初はCの色とだけ被らないようにすればいいわね。隣のA2に進むと、今度は『CおよびA1と被らない色』を選ぶ必要があるわ。使える色は4色なので、2つ減って2通りね」
図形の上に、蜂須は棒線と数字を書き込んでいく。向かい合っている俺が読みやすいよう、逆さ文字にしてくれていた。数字だけとはいえ、素人には難しい行為だ。家庭教師や学習塾講師の経験があるのだろうか。
「このまま一巡していくと、二の四乗で16通りの塗り方が発生するわ。でも、これではA1とA5が一致する場合を想定できていないから……。さて、ここでマイナスするべきパターンはいくつあるか分かるかしら?」
「えっ……と……」
俺は図形を眺めながら考える。A1とA5が一致する場合を引かなければならないんだよな。四色だから四通り……という単純な話ではなさそうだ。隣り合うエリアで同じ色を使うと、そこが融合してひとつのエリアのようになってしまう。つまり、四角形を中心とした図形の塗り分けと同じことになるのか。「これって実質的には四角形のロゴだよね」となるような塗り方を避けると……。
いや、駄目だ。そのパターンを算出するための方法が分からない。
「ちょっと俺には難しいかもしれないです」
分かった部分までは説明したが、正直に白旗を上げた。しかし蜂須は残念そうな顔をするでもなく、諦めや呆れも見せない。応援するかのようにたたみ掛けてくる。
「もしかして、計算で出そうと思っていない?」
「え、数学なんだから計算で出すものじゃないんですか」
「それは思い込みよ。よく考えてみて。現時点で16通りの塗り方があって、そこからいくつ引くかという話でしょ? それなら、引くべき数字も絶対に16を越えないはずだわ。手で書き出せる範囲だと思わない?」
「あっ、そうか……」
今はA1の色を固定して考えている。だからパターンの数も少ない。計算方法が思いつかないのなら、全部書き出して数えればいいのか。さすがに16通りのほとんどがボツになるわけではないだろうし、多くても8通りくらいだろう。
「いわゆる樹形図というやつですね。小学校で習ったかな」
「そうね。基礎的な手段は何にでも応用が利くわ」
蜂須に見守られながら、色分けのパターンを書き出す。四角形の図形と同じ塗り分けになるパターンは6通りだった。つまり、A1とA5が被らないようにするには、16から6を引いて10通りの塗り方がある。そこに、固定を解除した場合のバリエーションを掛け合わせてやると……。
「CとA1の組み合わせは12通りですね。だから全体では10×12で120通りか!」
答えが出た。本来の目的を忘れかけて歓喜する俺に、蜂須は小さく拍手する。
「ね、解けたでしょ」
「途中で計算方法が分からなくなったときは、もう解けないかと思いましたが……。全部を手で書き出すのもアリなんですね」
「それも立派な解法のひとつよ。解説書でもそう記されていることが多いわ。さすがに120通りは面倒だけれど、8通りなら可能でしょ?」
「そうですね。最初のエリアの色を固定することで、パターンを減らして考えることができるのか……。勉強になります」
勉強になる。自分でそう口にしつつ、もう勉強が必要になる機会なんてないのに、と寂しい気分になった。仕事に関しては新しく学ぶべきことが山ほどあるが、こうやって数学を本格的に解く必要はない。試験を受けて、その成績によって褒められたり叱られたりすることもない。まあ、今回は少し役に立ったけど……。
「でも、120通りかぁ。全部試してみるには微妙な数ですね」
甘美な達成感を振り落とし、仕事の話へと戻した。自分で120通りもの塗り分けを試すとなると、腱鞘炎になってしまいそうだ。諦めようとしたとき、蜂須がある提案をしてくれた。
「それでは、プログラマさんに頼んでみましょうか」
「えっ、いいんですか」
アラクネには専属のプログラマがいる。監視カメラのセキュリティシステムを組んだのは彼だし、その他にも様々な便利ツールを作ってくれている。とはいえ、俺なんかが楽をするために依頼をしてもいいのだろうか。
「ボタンを押すだけで色が切り替わるようなシステムがあれば、120通りの全てを確かめることも可能ね。今度オフィスで会ったら伝えておきます」
「え、いや、そんな……。申し訳ないですよ」
「最終的に決めるのは彼自身ですが、きっと大丈夫だと思うわ。こういったことが得意な人なので」
得意なことがあるというのは、羨ましいな。素直にそう思った。彼は数学的思考ができる人。俺は、導いてもらわなければできない人。あのプログラマなら、蜂須に教わらずともこのくらいの計算はできるだろう。適材適所と言えば聞こえはいいが、要は「できる人だけが役に立つ」ということだ。俺が諦めてしまった作業でも、彼や蜂須なら数時間で終えられる。計算で最適の方法を見つけることができる。
人生の最適解も、計算で分かったらいいのにな。
そんな考えが浮かんだが、蜂須を傷つけてしまいそうだったので、ついぞ口には出せなかった。
「あら、そろそろ時間だわ」
ちょうど出発時間になったらしく、蜂須は荷物をまとめ始める。なめし革のバッグに参考書やタブレットが仕舞われていった。俺のタンブラーにはまだ中身が残っているため、座ったままその様子を眺める。そのとき、彼女の背後からふたり組の女性が近寄ってくるのが見えた。
ああ、何だかこの光景には覚えがある。花房と喫茶店に入り、ファンの女の子たちに声を掛けられたときと同じ構図だ。ふたりでひそひそと言葉を交わしながら、自信がなさそうに距離を詰めてくる。彼女らの視点では蜂須の後ろ姿しか見えず、確信が持てないのも無理はない。しかも、同席しているのは見知らぬ長髪の青年だ。
「あの、アラクネの蜂須瑠璃子さんですか……」
ついに片方が声を掛けてきた。大人びた容姿なので大学生かと思ったが、よく見ると女子高生のようだ。ずばりアラクネのメインターゲット層。蜂須は身体ごと振り返ると穏やかに微笑んだ。サイトや動画での様子と全く同じ、ファンが最も見慣れている表情だ。これで確信を与えられたはず。
「やっぱり蜂須さんだ」
「ね、そう言ったっしょ」
無邪気にふたりではしゃいでいる。そのやり取りがひと段落つくのを待ち、蜂須は礼を述べた。
「私たちを知ってくださって、ありがとうございます。少しでもお役に立てていれば嬉しいわ」
「役なんてそんな、立ちまくりですよ。アラクネの動画が無かったら、どうやって定期試験の勉強をしたらいいのか分からないもん」
「そうそう、学校の先生よりもずっと説明上手だしー」
懐かしいな。こういう、いかにも学生ってノリ。ネット上の有名人のことは尊敬するけれど、身近な教育者についてはちょっと見下している感じ。本当に頼るべき相手は学校の先生なのに、動画で勉強を教えてくれる人の方がカッコよく見えてしまうんだよな。こういったことは蜂須自身も懸念しているようで、少しだけ眉根を下げてから言及した。
「分かりやすいと言ってくださるのは嬉しいけれど、学校での勉強も大事よ。定期試験の問題は、そこで教わったことから出題されるはずだもの。アラクネの動画は、あくまでサポートとして使ってくださいね」
「はーい」
そこで会話は途切れた。彼女たちの方も、蜂須がそろそろ発とうとしていることを察したのだろう。何か言いたそうではあるものの、遠慮がちに目配せをしている。やがて、片方の女の子がもう片方の腕をつついた。
「サイン、お願いしたら? ファンなんでしょ?」
おそらく彼女自身はライトな視聴者で、つつかれた方が蜂須のファンなのだろう。表情に緊張の差が窺える。ファンの女の子は友人の方を向き、小声で訂正した。
「知らないの? 蜂須さんはサインなんてしないんだよ」
おお、さすが詳しいな。半年間の付き合いを経て俺も知ったのだが、蜂須瑠璃子は基本的にサインをしないのだ。かといって、何もしないわけではない。プライベート中であっても、ファンにせがまれれば何かを渡すようにはしている。
「蜂須さんはね、名刺をくれるの」
「名刺?」
「そう。その方が早いし情報量が多いでしょ?」
いかにも理系らしい――というのは偏見か。蜂須がファンサービスとしてサインを書くことはない。一般的なサイン会に匹敵するイベントは、名刺交換会という形になる。会場の様子を動画で見せてもらったことがあるが、さながら就職説明会のようで少し面白かった。もちろん、来場者が持参する名刺には個人情報を載せないように周知している。だから名刺というよりメッセージカードに近い。記憶に残してもらうため、質感やデザインに凝るファンも多いらしい。
「よくご存知ね」
蜂須は名刺入れからカードを取り出すと、丁寧な所作で少女に渡した。ぎくしゃくしながらも無事に受け取られる。彼女の方も名刺を持っていれば交換できたのだが、さすがに用意がなかった。もうひとりの少女の方にも渡し、彼女らは喜びながら立ち去っていった。
「人気ですね、蜂須さん」
この一連の流れの中で、ひと言も話しかけられなかった俺は呟いた。サイトにも動画にも顔を出していないのだから納得はしている。蜂須は俺の方を振り返り、
「ただ顔が知られているだけよ」
と答えた。
「顔が知られているってことは、人気なんじゃないですか?」
「そうとは限らないわ。知られているということは、全てに責任を持たなくちゃいけないということよ。何でも許してもらえる人気者というわけではないの」
アラクネの社長として五年間を過ごし、様々な経験があったのだろう。この人の抱えていることを、俺なんかが理解できる日は来るのだろうか。
今度こそ彼女は出発した。重そうな鞄が左肩で揺れている。その姿をコーヒー片手に見送りながら、自分はこんなに暢気でいいのだろうか、と考えてしまった。
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