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第七章『恋の秘薬』
⑫ ★
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呼吸が開放されるとスカーレットは思いの丈を吐露する。
「あえないあいだ、っ、さみしかったです」
自慰も考えたが不在のベッドにきっと虚しさが増してしまう。抑えていた欲の枷を自分の手で外す。
「ずっと、触れてほしくて」
「レティ」
名前を呼ばれて口を噤む。オズは何を言うでもなく、スカーレットの項に額を押し付けて大きく息を吐いた。生暖かい風にスカーレットは身を震わせる。
何か、不快にさせただろうか。そう思い、もう一度口を開いたスカーレットだったが、すぐに違うのだと思い知らされる。
「ひぁうっ」
「可愛い」
肉がぶつかり合う音が互いの愛液を絡めとって大きく響いた。
「ね、レティ」
スカーレットはシーツを掴みながら律動に懸命に耐える。追い詰めるかのようにオズはその背中に覆いかぶさった。
「どうして欲しい?」
ぐりぐりと腰を押し付けられ、普段当たらないような弱点を責めあげられる。呼応するようにスカーレットも腰を高く上げた。
「おずさま、っあ、もっと、ぉ」
獣の交尾のような姿勢のまま、水音が大きく甲高くなっていく。
不意に、脳を溶かすような浮遊感に襲われた。暖かい、心地いい、眠くなるような微睡みだ。
意識を手放しかけた刹那、目の裏で火花が弾ける。
「は、ぁぁあああああああんっ」
果てたのだと気付くのに少し時間を要した。ほんの僅かな間だけ気絶していたらしい。
「レティ」
背筋をなぞられて、達したばかりの体がくすっぐったさに震える。
「レティ、…………っ」
肘を支えに振り返るとオズの顔が見えた。泣きそうな、幸せそうな笑い顔だ。
「愛してる」
仰向けに押し倒され熱いくらいの口付けを交わす。
「ふ、む、ぁう」
頬を伝う涙を拭いとると、その道筋を軽く吸われた。
「僕のお姫様」
ガラス細工を扱うように愛撫され、甘い言葉を囁かれ、ふやけきった思考で必死にオズに縋り付く。
片膝が持ち上げられ、再び隘路を埋め尽くされた。
「は、やあ、いぃっ」
「いいんでしょ?」
スカーレットの反応を楽しむように規則的に、しかし着実に絶頂へと誘う腰使いだ。
「おずさま、おず、さまあっ」
「うん、君のオズだよ」
ぞくり、と腰が震える。
わたしのおずさま
そう胸の中で呟くだけで背徳感に心臓が締め付けられる気分だ。
「ん、む」
突かれる度に意味を成さない嬌声が迸る。そろそろ達してしまいそうだ。そう思った刹那、抱きしめるように腰と肩に手が回される。心を読まれてでもいるかのように激しく愛されて再び視界が明滅を繰り返した。
「あ、あああああああああああああぁっ」
何度目ともしれない絶頂に体が痺れて上手く力が入らない。
そうしているうちにオズが身を乗り出してきた。ぼんやりとその姿を見つめていると、皮膚の薄いところを重点的に唇を落とされる。肌に触れるオズの髪が擽ったくて心地いい。
「いっぱい跡つけちゃった」
呼吸が落ち着いてくるに伴って自分の姿を見下ろす。僅かに色付いた身体に一際、赤く鮮やかに花びらが散っていた。
胸元の一つに触れながらオズを見上げる。
「あえないあいだ、っ、さみしかったです」
自慰も考えたが不在のベッドにきっと虚しさが増してしまう。抑えていた欲の枷を自分の手で外す。
「ずっと、触れてほしくて」
「レティ」
名前を呼ばれて口を噤む。オズは何を言うでもなく、スカーレットの項に額を押し付けて大きく息を吐いた。生暖かい風にスカーレットは身を震わせる。
何か、不快にさせただろうか。そう思い、もう一度口を開いたスカーレットだったが、すぐに違うのだと思い知らされる。
「ひぁうっ」
「可愛い」
肉がぶつかり合う音が互いの愛液を絡めとって大きく響いた。
「ね、レティ」
スカーレットはシーツを掴みながら律動に懸命に耐える。追い詰めるかのようにオズはその背中に覆いかぶさった。
「どうして欲しい?」
ぐりぐりと腰を押し付けられ、普段当たらないような弱点を責めあげられる。呼応するようにスカーレットも腰を高く上げた。
「おずさま、っあ、もっと、ぉ」
獣の交尾のような姿勢のまま、水音が大きく甲高くなっていく。
不意に、脳を溶かすような浮遊感に襲われた。暖かい、心地いい、眠くなるような微睡みだ。
意識を手放しかけた刹那、目の裏で火花が弾ける。
「は、ぁぁあああああああんっ」
果てたのだと気付くのに少し時間を要した。ほんの僅かな間だけ気絶していたらしい。
「レティ」
背筋をなぞられて、達したばかりの体がくすっぐったさに震える。
「レティ、…………っ」
肘を支えに振り返るとオズの顔が見えた。泣きそうな、幸せそうな笑い顔だ。
「愛してる」
仰向けに押し倒され熱いくらいの口付けを交わす。
「ふ、む、ぁう」
頬を伝う涙を拭いとると、その道筋を軽く吸われた。
「僕のお姫様」
ガラス細工を扱うように愛撫され、甘い言葉を囁かれ、ふやけきった思考で必死にオズに縋り付く。
片膝が持ち上げられ、再び隘路を埋め尽くされた。
「は、やあ、いぃっ」
「いいんでしょ?」
スカーレットの反応を楽しむように規則的に、しかし着実に絶頂へと誘う腰使いだ。
「おずさま、おず、さまあっ」
「うん、君のオズだよ」
ぞくり、と腰が震える。
わたしのおずさま
そう胸の中で呟くだけで背徳感に心臓が締め付けられる気分だ。
「ん、む」
突かれる度に意味を成さない嬌声が迸る。そろそろ達してしまいそうだ。そう思った刹那、抱きしめるように腰と肩に手が回される。心を読まれてでもいるかのように激しく愛されて再び視界が明滅を繰り返した。
「あ、あああああああああああああぁっ」
何度目ともしれない絶頂に体が痺れて上手く力が入らない。
そうしているうちにオズが身を乗り出してきた。ぼんやりとその姿を見つめていると、皮膚の薄いところを重点的に唇を落とされる。肌に触れるオズの髪が擽ったくて心地いい。
「いっぱい跡つけちゃった」
呼吸が落ち着いてくるに伴って自分の姿を見下ろす。僅かに色付いた身体に一際、赤く鮮やかに花びらが散っていた。
胸元の一つに触れながらオズを見上げる。
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