異世界帰還者〜異世界で手に入れたチート能力で現実世界に復讐する〜

黒夜零

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1章帰還者

2話 異世界帰りの化け物

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転移魔法は使えた。
 ある程度の魔法は使えると、見ていいだろう。
 普通の調べ方では、明確な答えに辿りつけない可能性がある。
 だからと、言ってどの魔法を使えばいい? 

「探知、記憶操作。一体どれを使えばいいんだ?」
「あのクロム様」
「なんだセロス?」
「口出しをお許し下さい。この世界全体に探知魔法を掛けるのはどうですか?」

 セロスの言い分を聞いて、少し考える。
 世界に探知魔法を掛けて、家族の現在が分かる物なのか? やるだけやってみるか。

「探知魔法、ワールドグリス」

 さっきの転移魔法と、同じ要領で確実に世界を、探知させる。
 転移魔法とは比べ物に、ならない程の魔素を消費する。
 魔法が発動し、右手の甲に魔法陣の紋章が刻まれる。

「……ちっ」
「クロム様」

 魔法が発動した瞬間。
 俺は目眩に襲われ、体がフラフラになって、倒れそうになった。
 その時、セロスが俺を支えた。

「セロス悪い。このまま横にしてくれ」
「はい、分かりました」

 あ、くそ! 思っていたより魔素を消費してしまった。
 横になって、少しでも魔素を体内に充満させないと。
 ……起きていても変な想像をしてしまう。
 魔素を回復させる為にも、無駄な事を考えている暇もない。
 ゆっくり、目を閉じた直後、俺の意識は暗闇に消えた。
 眠りに付いてると思われる時、俺は多分夢を見ていた。
 家族と過ごした夢。
 その夢は素晴しく平和で──幸せだった。

「ロム様……クロム様!」
「どうしたセロス?」
「右手の魔法陣が光っています」

 俺はセロスの言葉で起き、右手をみる。
 すると、セロスの言う通り、右手に刻まれた魔法陣が光っている。
 その光が消えると同時に、俺の頭には映像が流れて来る。
 それは俺に取って最悪な物。

「やめて来ないで!」
「逃げろ紗由理」

 男と少女が何からか、逃げている。
 その何かまでは映像にはならない。
 ただ、最後に男も少女も消える。
 何一つの欠片も残らずに消えた。

「紗由理、父さん……」

 探知魔法によって、映像に流れて来た人物。
 それは俺の家族。
 確かに存在していた。
 だが、何かに襲われ、妹である紗由理も、父さんも消された。
 頬から冷たい物が滴れる。

「なぁセロス。俺は今どんな表情をしている?」
「全てに絶望をした様な顔をしています」
「そうか……」

 俺は絶望をした表情をしているか。
 元々この世界には絶望し、壊そうとしていた。
 家族のいない、この世界にはもう未練が一切ない。
 ただ魔素が足りない状態だ。
 この世界に復讐するのは、次の日でもいい。
 時間はたっぷりあるからな。
 次の日。
 日が経った事により、消費された俺の魔素も回復した。
 探知魔法の結果、俺含め、家族の存在が消えている。
 あの映像は世界クラスでの探知の為。
 副産物として映像が流れて来たに、過ぎなかった。

「じゃあお前ら行くぞ」
「「はい」」

 セロスとクリスを連れ外に出る。
 もうここからでいい、世界に復讐を始めよう。
 まず、手始めにここら辺一帯を消し去る。

「火炎フレア」

 俺の腕先から赤黒い血の様な、六芒星の魔方陣が展開される。
 轟音と共に魔法陣と同色の炎が爆誕する。

「いけ!」

 そのまま炎を発射する。
 炎は段々と巨大になり、一帯は爆炎に巻き込まれ、炎に呑まれていく。
 人の悲鳴も聞く事はなく、一帯は炎に呑まれている。
 数分してから──サイレン音が聞こえる。

「クロム様この音は?」
「この世界の犬」
「犬……ですか」
「お前達に分かりやすく教えると、騎士団だ」
「なるほどです」
「ではこの世界の騎士団が向かって来るんですね!」
「ワクワクするなクリス」

 クリスは警察が来る事にワクワクしている。
 正確には騎士団ではないが、異世界の住人である。
 こいつらには騎士団と、言った方が分かりやすい。
 サイレン音が先よりも近付いてる。
 音も大きくなり止む。
 俺らの前にパトカーが五、六台が止まる。
 そこから人が降りて来る。

「貴様ら動くな。両手を上げ後ろに手を回せ!」
「そしてゆっくりこちらを振り向け」

「クロム様」
「一体どうしますか?」

 セロス達が俺に聞き、指示を待っていた。
 全て、俺が片付けてもいいが、流石にこいつらも、そろそろ暴れたい頃だろう。

「お前ら好きにやれ!」
「「了解!」」
「何を話してる。早く両手を上げ、後ろに回せ。さもないと発砲する」
「は? 発砲……? やってみろよ」

 クリスは笑顔を見せながら、警察の方に体を向けた。

「クリス。私の分も残して置いてよ!」
「わってるよ」

 クリスは体を動かし、準備運動みたいな事をしている。
 警察は何度も忠告をした。
 だが、クリスも俺も言う事は聞かない。
 警察も痺れを切らし──発砲した。
 警察の銃弾はクリスに命中したが、ビクともしていなかった。

「なんだ今の? 子供のお遊び?」

 次の瞬間、クリスは飛び、地面を殴った。
 その直後地面は割れ、数人の警察は地面の亀裂の中に落ちる。

「お前! 公務執行妨害と殺人罪で逮捕する!」
「あのさ、ごちゃごちゃ言ってないで来いよ」

 警察の言葉にクリスは煽る一方。

「セロス。多分クリスが一人で片付けるぞ」
「この調子だとそうですね。私も乱入しちゃおうと!」

 セロスもクリスに混ざり二人で、警察達を蹂躙じゅうりんを始めた。
 クリスは素手、その反対にセロスは魔法で戦う。
 異能力も魔法も使えない人間では、一方的な物で敵わない。
 十分も経ったない内に、警察達は全滅をし、セロス達は不満そうな表情をしている。

「クリスがほとんど、片付けるもんでつまらない!」

 セロスは頬を膨らまし、拗ねている。
 クリスは手を合わして──謝罪をしていた。

「ごめんって──手応えが無さ過ぎて」
「今度は私がやるからね!」
「ああ、それでいいよ」
「後、クリスは私の魔法の実験体ね!」

 セロスの言葉にクリスは、放心状態になっている。

「まぁセロスもあんま怒ってやるな」
「クロム様!」

 ポンッとセロスの頭に手を乗せ、警察の方を見る。
 ほとんどが瀕死になっている。
 周りも俺の家以外は炎や氷で地形破壊をされていた。

「まぁ取り敢えずクリスは諦めろ」
「ちょ!? クロム様まで見捨てないで下さいよ」
「あはははは」

 他愛のない会話をしていた時、バンッと銃声音が聞こえ、俺の眼前で銃弾が回転しながら止まっている。

「貴様!」
「まだ生きていたのか」

 二人は一気に戦闘態勢に入る。

「何なんだよ。お前ら!」
「ただの破壊者デストリシャだよ」
「ば、化け物め!!」
「ゆっくり地獄で眠れ!」

 警察は最後の言葉を言い──俺は拳を瀕死の警察に叩き降ろす。
 俺の拳から返り血が付き、警察は絶命をしていた。

「化け物か……」
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