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思いに染まる桜2
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六日目の夜、昨晩のこともあって寝付けず、少し夜風にでも当たろうかと思い部屋を出ると、ある部屋から薄明かりが漏れているのが見えた。
男が覗くと、三日目に見た女性が白髪混じりの太った中年に裸のまま全身を縛られ、下半身の前と後ろの穴に一本ずつバイブを入れられ、部屋に何本か立てられているロウソクのひとつで、体に赤いロウを垂らされていた。
部屋はロウソクの炎で生き物のように大きく揺れていた。
男はまずいものを見たという背徳感から去ろうかと思ったが、ロウで全身に紅色の花を散らされたように染まった美しい女性に視線が釘付けになった。
もう少しで顔がよく見えそうだとあれこれしているうちに、何かにぶつかりゴトリと音を立ててしまった。
「誰だ!」と中年男が怒鳴ったので、男は外まで逃げ、必死に走った。しかし追いかけてきているようで、思いのほか長々と逃げることになった。
気がつくと男の目の前には満開の桜の花が見えた。
花びらが月の光のせいか、青白く見えた。
「私の処女を奪った責任」
声のしたほうへと振り向くと、女がいた。
男は妙なデジャビュを抱き、面影が重なり、はっと夢の中の少女を思い出した。
「あ、あれは夢……」
男の言葉を女が遮る。
「私の処女を捧げたんだから」
「な、なんのことだ! し、知らないぞ」
男は後ずさりし、尻込みしていたが、やがて桜の木が背に当たり逃げられなくなった。
艶やかな声とともに女は浴衣を脱いで艶やかで豊満な裸体を晒し、男の股間をまさぐった。
もはや体は少女のものではなく、熟れた女そのものだった。
女は口内へと男の雄々しく屹立したものを導きいれて、卑猥な音を立ててしゃぶりだした。
男は女の強烈な色香に負け女の口内で射精するかと思ったが、逝く瞬間に口を離され外へと白い液を散らした。
女の右頬に涙のように白濁した液が粘りついて垂れた。
「もう、満足したでしょ」
女の言葉が終わる前に男は強烈な力で倒され、またたく間に手足を縛られ桜の木にくくりつけられた。
見上げると先ほどの太った中年男の腹が見えた。
腹が出すぎて顔が見えないほどだった。
「お父様。これでようやく一緒になれる」
女が中年男に添うように寄りかかった。
「もうお前を離さんぞ」
中年男の手には大きな斧が握られていた。
男の視界は斧が首の辺りにめり込んだ後に、ありえない方向へと落ち、一瞬自分の体が見え、暗闇に閉ざされた。
散った桜が指をすべり、また地を染めた。
願い事を叶える血染めの桜。一つの命と、一つの願い事。
散る鮮血が枝をすべり、また花を染めた。
桜の木の傍で地面に落ちていた携帯電話のバイブレーターが鳴る。
変わり果てた姿の男の彼女からだった。
その電話をスーツ姿の女が拾い、出る。
「あ、もしもし。申し訳ございません。あいにく彼は取材のため、宿を離れておりまして。よいところなので、ぜひあなたにも来ていただきたいと先ほどおっしゃっていましたよ。私ですか? 私は同じ会社の記者で……」
男が覗くと、三日目に見た女性が白髪混じりの太った中年に裸のまま全身を縛られ、下半身の前と後ろの穴に一本ずつバイブを入れられ、部屋に何本か立てられているロウソクのひとつで、体に赤いロウを垂らされていた。
部屋はロウソクの炎で生き物のように大きく揺れていた。
男はまずいものを見たという背徳感から去ろうかと思ったが、ロウで全身に紅色の花を散らされたように染まった美しい女性に視線が釘付けになった。
もう少しで顔がよく見えそうだとあれこれしているうちに、何かにぶつかりゴトリと音を立ててしまった。
「誰だ!」と中年男が怒鳴ったので、男は外まで逃げ、必死に走った。しかし追いかけてきているようで、思いのほか長々と逃げることになった。
気がつくと男の目の前には満開の桜の花が見えた。
花びらが月の光のせいか、青白く見えた。
「私の処女を奪った責任」
声のしたほうへと振り向くと、女がいた。
男は妙なデジャビュを抱き、面影が重なり、はっと夢の中の少女を思い出した。
「あ、あれは夢……」
男の言葉を女が遮る。
「私の処女を捧げたんだから」
「な、なんのことだ! し、知らないぞ」
男は後ずさりし、尻込みしていたが、やがて桜の木が背に当たり逃げられなくなった。
艶やかな声とともに女は浴衣を脱いで艶やかで豊満な裸体を晒し、男の股間をまさぐった。
もはや体は少女のものではなく、熟れた女そのものだった。
女は口内へと男の雄々しく屹立したものを導きいれて、卑猥な音を立ててしゃぶりだした。
男は女の強烈な色香に負け女の口内で射精するかと思ったが、逝く瞬間に口を離され外へと白い液を散らした。
女の右頬に涙のように白濁した液が粘りついて垂れた。
「もう、満足したでしょ」
女の言葉が終わる前に男は強烈な力で倒され、またたく間に手足を縛られ桜の木にくくりつけられた。
見上げると先ほどの太った中年男の腹が見えた。
腹が出すぎて顔が見えないほどだった。
「お父様。これでようやく一緒になれる」
女が中年男に添うように寄りかかった。
「もうお前を離さんぞ」
中年男の手には大きな斧が握られていた。
男の視界は斧が首の辺りにめり込んだ後に、ありえない方向へと落ち、一瞬自分の体が見え、暗闇に閉ざされた。
散った桜が指をすべり、また地を染めた。
願い事を叶える血染めの桜。一つの命と、一つの願い事。
散る鮮血が枝をすべり、また花を染めた。
桜の木の傍で地面に落ちていた携帯電話のバイブレーターが鳴る。
変わり果てた姿の男の彼女からだった。
その電話をスーツ姿の女が拾い、出る。
「あ、もしもし。申し訳ございません。あいにく彼は取材のため、宿を離れておりまして。よいところなので、ぜひあなたにも来ていただきたいと先ほどおっしゃっていましたよ。私ですか? 私は同じ会社の記者で……」
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