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番外編 アッキーちゃんねる エデンの腐女子達

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 前回のあらすじ

 またもや、アキのタイトル詐欺にあった紫音は、18禁BLゲームの18禁画像を見せられてしまう。

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 紫音がタイトルの略し方にツッコミを入れた後、アキは一呼吸置いてから、おもむろに画面に映し出されている文章を声に出して読み始める。

「『勇者、俺のバスタードソードは、もう― 』 戦士は、その天にそそりたつ硬いバスタードソードを勇者に向けると― 」

「アッキーちゃん! どうして、急にそんな卑猥な文章を声に出して読み始めるのー!?」

 急に画面に表示されている卑猥な文章を音読し始めたアキを、その文章を聞いて耳まで真っ赤にした紫音がまたバシバシ叩きながら突っ込む。

「痛い、痛い、ポニーちゃん。しょうがないでしょう? 規定で18禁画像を映せない以上、文章を読んでどんな内容かお伝えしないと視聴者さんは内容が解らないんだから…」

 アキの言う通り18禁画像を映せば、動画は削除となり最悪アカウント停止になってしまう。

 だが、アキがもっともらしい理由を言った真の目的は、絡みシーンの卑猥な文章を聞いて、恥ずかしがる紫音の反応を楽しむという歪んだ愛情表現からである。

「そもそも、私達の年齢で18禁なんて駄目なんだから!」
「こら、ポニーちゃん! 私達は二十歳の合法ロリのお姉さんだと説明したでしょうが!」

 真面目な紫音のツッコミにアキは訂正する言葉を発するが、それは二十歳だというのは設定であることを暗に示唆する言葉であった。

(やっぱり、JCみたいね…)
 そして、伊川を初めとした視聴は、やっぱりJCだと確信していた。

 さらにヒートアップしたアキは、ニヤニヤと悪い笑みを浮かべながら、恥ずかしがる紫音にこのような意地悪な質問をする。

「でも、ポニーちゃん。さっきの文章の内容は『勇者、俺のバスタードソードは、もう』という直接的な表現では無かったよ? それなのに、どうしてその文章を聞いて、恥ずかしがるのかな? 戦士が自分の武器を持って、勇者に見せているだけかも知れないのに…」

 アキはそう言ったが、画面には真悠子が描いた筋骨隆々の全裸の戦士が、その太くて逞しいバスタードソード(比喩)を、勇者の細く狭い鞘(比喩)に収めようとしている18禁BLCGが表示されており、次のシーンではバッチリそういうシーンが映し出される。

 だが、紫音は恥ずかしくて画面を見ていないので、その映し出されているシーンに突っ込むことも出来ず、アキにその事を指摘されると「そっ… それは… 」と、答える事しかできなかった。

 アキは叩かれている仕返しとばかりに、そんな紫音に同性とはいえとんでもないセクハラ発言をする。

「本当はバスタードソードが何かの比喩だってことを、連想したからでしょう? その連想した比喩が何か言ってみ? その可愛い口からバスタードソードが何か言ってみ?」

 その姿はJCではなく、まるでセクハラオヤジのようであった。

 そして、その質問で更に恥ずかしがる紫音のその反応を楽しむという倒錯した愛情表現を示すが、当然そのような行為には因果応報が待っている。

「うぅ~ ア<ピー>ちゃんの意地悪! ア<ピー>ちゃんの馬鹿~!!」

 恥ずかしさのあまりに頭が混乱する紫音は、半泣きでそう言いながらアキの肩をグーで殴り始める。

「やめて、ポニーちゃん! 痛い! マジ痛い! せめて、漫画家の命である右肩は止めて! 痛い! 痛い! ほんとごめんなさい! マジ許してください!」

 アキは失念していた、自分の幼馴染が豆腐メンタルで、このような状態に追い込まれると冷静さを失ってしまい、最悪錯乱してしまうことを…

「あっ、何か右肩の感覚が無くなってきた…」

 アキは、恥ずかしさで半狂乱した紫音の鍛えられた右腕から繰り出されるグーパンの連打を肩に受けながら、必死に謝るが紫音の攻撃は中々止まらずに、痛みで右肩の感覚が麻痺してくるが自業自得である。


 暫くすると落ち着いてきた紫音が、まだ少し半泣きの状態でアキにこう尋ねてくる。
「もう、あんな意地悪な事言わない…?」

「言わない… 言わない……」

 アキは痛みを堪えているためか、少し低い声ですぐさまそう答え、その返事を聞いた紫音は殴るのをようやく止める。

 アキが右肩を擦っていると、紫音が申し訳無さそうな表情でこう尋ねてくる。
「いっぱい、殴ってごめんね… 痛い…?」

 するとアキからは、笑顔でこのような返事が返ってくる。
「気にしなくてもいいよ、私が悪かったから…ね?」

 確かにアキの自業自得で同情の余地のない結果なのだが、視聴者にはこのやり取りが感動の友情シーンに見えた。

「素晴らしい友情… 青春ね…」

 伊川は二人の百合百合友情シーン? を見て感動していると、その隣で真悠子が我を忘れるほど興奮してこのようなことを言い出す。

「恥ずかしがっていたポニーちゃん、チョー可愛い! できることなら部屋にお持ち帰りして、猫耳メイドにして『御主人様』って言わせたい!」

(※数年後に、彼女はポニーちゃんが紫音とは気付かずに猫耳を付けて、『御主人様』と言わせて欲望の一部を叶えます)

「そして、許されるなら、私の描いたどエロ18禁BL漫画を読ませて、『御主人様、恥ずかしいにゃ… ///』って言わせて、その頭を撫でたい!!!」

(※更に動けなくなった紫音をお持ち帰りして、猫耳メイドにしようとします)

 伊川はそんな妄想全開の発言をする後輩にドン引きしながら、冷静にこのような諌める言葉を彼女に掛ける。

「真悠子… 犯罪だけは止めてね…? 本当に止めてね…!」

 伊川は大事なことなので2回言っておくことにした。

 伊川が窘めたのは、真悠子が欲望を抑えきれずにJCを猫耳メイドにすれば、法治国家である日本では当然犯罪となり、そうなれば今開発中のゲームは販売延期、最悪の場合は販売中止になってしまうと考えたからである。

 もちろん、JCが18禁ゲームを実況した事がバレて、アッキーチャンネルの動画は削除されました。

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 そして―

「オマエこれ、今回のサブタイトル『エデンの腐女子達』やなくて、『“え”ろ(エロ)いゲームの実況動画を投稿した腐女子が殴られて、百合百合友情の話に展開して、それをタブレット“で”見て、感動とこうふ“ん”(興奮)している腐女子達』、略して『えでんの腐女子達』やないか!」

 これにて、過去編? は終わり次回から、本編の続きです。
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