12 / 154
第1章 反乱軍討伐戦
反乱勃発 01
しおりを挟む同盟国【エゲレスティア連合王国】の王立士官学校に、留学をしていた【ガリアルム王国】の貴族の子息ルイ・ロドリーグと王女フランソワーズ・ガリアルム(フラン)は、彼女のホームシック(?)を理由に留学先から宇宙船で帰国の途にあった。
彼らを乗せた宇宙船が国境付近の惑星カレイに差し掛かった時に、本国での反乱の報告を受ける。
報告を受けたフランは、すぐさま周辺に駐留している守備艦隊に通信を送り、主星パリスと惑星カレイの中間に位置するソンム星系の惑星ア二アンに、集結するように指示をだし自らも宇宙船をそこに向かわせる。
惑星ア二アンに向かう道中、次々と反乱について情報が入ってくる。
その情報によると事の始まりは四週間前に遡る。
ガリアルム王国の南に位置する【サルデニア王国】側の国境に、サルデニアの艦隊3000隻が配置されたとの報告が国境守備艦隊から防衛省に届く。
その報を受けて、軍令部で迎撃の艦隊数をどれくらいにするか議論が行われる。
ガリアルム王国は各惑星の守備艦隊を抜いても、7000隻を動員することができる。
相手の数に併せて3000~5000隻にして、何かあったときの予備の艦隊を残すか、7000隻全てで迎撃するかで議論が繰りひろげられたが、<戦力は逐次投入ではなく、持てる最大戦力を投入せよ>という戦術の鉄則に従い7000隻全てで出撃することに決まった。
二日後に出撃準備を終えた艦隊は、艦隊司令長官アンドレ・バスティーヌ大将が直接指揮を取りサルデニア王国との国境に出撃する。
主星パリスからサルデニア艦隊が、配置されている国境までは五週間の行程を要す。
ガリアルム艦隊が出撃してから、二週間後にフランがホームシックに掛かったと言い張って、ルイを伴ってパリスに旅立つ。
同じ頃、領地に引き篭もっていた貴族達も、非武装船に偽装した戦闘艦で主星パリスに向け出航する。
そして、ガリアルム艦隊が出撃して四週間後、フランが帰国の途について二週間後、艦隊の居なくなった主星で、改革で特権を奪われた一部貴族と官僚による反乱が起きる。
それに伴い、主星パリスのあるイル=ド星系の外縁部に集結していた貴族達の艦隊が、主星を制圧するために進軍を開始する。
貴族達の艦隊はサルデニア王国の援助を受けて、総数約500隻になっており主星警備艦隊の数を優に超えていた。
逆に言えば、貴族達は500隻程度しか集めることが出来ず、主星系に駐留しているガリアルム艦隊7000隻の敵ではない。
そのためにサルデニア王国は支援している反乱軍の為に、国境に艦隊を配置してガリアルム艦隊を誘引し主星から引き離したのであった。
最大の懸念は7000隻全てで出撃してくるかどうかであったが、貴族達は作戦を統括する軍令部所属の人間を買収し、作戦会議で<戦力は逐次投入ではなく、持てる最大戦力を投入せよ>の流れに持っていく様にして、見事に全艦出撃させる事に成功し、主星星系には守備艦隊の100隻のみとなった。
さらに、ガリアルム艦隊が反乱に気付いて引き返してきても間に合わないように、艦隊が国境近くに到着する頃に反乱を起こす。
ガリアルム艦隊に超光速通信で主星における反乱の通信が届くと、バスティーヌ大将は巡洋艦、駆逐艦といった足の速い艦を2000隻引き抜くと反乱軍討伐に差し向け、残り5000隻でサルデニア艦隊と睨み合う。
足の速い艦とはいえ国境付近から、主星までは三週間はかかるために反乱が順調に進めば間に合わない計算であった。
反乱軍の計画では、主星で反乱を起こした者達が素早く国王夫妻を捕まえて、貴族達の艦隊で守備艦隊を撃破する。
そして、捕らえた国王夫妻を人質にして、ガリアルム艦隊とその他軍部を降伏させ、その後に国王を脅し傀儡として自分達の特権を回復させて、政治の実権を握るつもりであった。
だが、主星の反乱部隊が電撃的に王宮へ向かうと、そこに国王夫妻の姿は無く既に逃げ出した後であった。
反乱部隊指揮官は、王宮を監視していた者達の責任者に話を聞くと
「そういえば、五時間前にトラックの荷台にプーレちゃん四体を連れた広報部の女性士官が、王宮に入っていって一時間後に再び出ていきましたが……。まさか、あの四体のプーレちゃんの中に国王夫妻が!?」
責任者の報告を受けた指揮官は、彼らを怒鳴りつける。
「どうして、中身を確認しなかった!」
「まさか、国王夫妻がプーレちゃんに入って、トラックの荷台に乗るとは思わなかったもので…。それに、まだ反乱前だったので確証もなしに、下手に騒ぎを起こすのはどうかと思いまして…」
監視部隊責任者の判断もある意味正しかった。
何の権限もない彼らが、王宮内から出てきた広報部士官とプーレちゃん達を引き止めて、更にその中身を確認すれば、王宮の衛兵も黙ってはいないであろう。
それに彼の言うとおり、国王夫妻がキグルミであるプーレちゃんの中の人となり、しかもトラックの荷台に乗って運搬されるなどありえることではなかった。
(しかし、五時間前とは……。我らが反乱を起こすことが漏れていたとしか……。我らの中に、スパイがいるのか?)
指揮官はそう推察しつつも、すぐさま部下に指示を出す。
「とにかく、我々も急いで宇宙港に向かうぞ! あと、今すぐ艦隊に連絡! <国王夫妻は宇宙に脱出した、今すぐ追撃求む>と!」
だが、時既に遅く国王夫妻は、トラックで宇宙港までプーレちゃんとして運搬されて、そのままそこで待機していた高速輸送艦を改造した特別艦に乗艦することになる。
といっても、元は輸送艦なために居住性はあまり良くはないが、軍艦に比べればましであるが、国王夫妻が乗艦するにはかなり粗末である。
特別艦は守備艦隊に護衛されて、ソンム星系の惑星ア二アンへと進路を取る。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――
黒鯛の刺身♪
SF
主人公の飯富晴信(16)はしがない高校生。
ある朝目覚めると、そこは見たことのない工場の中だった。
この工場は宇宙船を作るための設備であり、材料さえあれば巨大な宇宙船を造ることもできた。
未知の世界を開拓しながら、主人公は現地の生物達とも交流。
そして時には、戦乱にも巻き込まれ……。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる