【魔法使い】と【死にたがり探偵】~マイナス千点のミステリー~

宝者来価

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90話 冬のコンサート③


 ライオンは何としてでもチーターにフォロワーズを辞めさせたかった。
 ようやくつかんだ、チーターが苦しんでいる原因。
 ペラペラと話してくれた男は自分のファン。
 利用をしない手はなかった。

「憧礼神具さん、俺の部屋に来ませんか?」
「そんな恐れ多い!!俺なんかが!?」
「憧礼神具さん、ということは探偵ですよね?」
「え、はい」

 憧礼と言えば探偵事務所。
 芸能人としてそれなりにこの苗字は知っている。
 ネタをすっぱ抜かれた芸能人が何人も出た。

「相談したいことがあるのですが」
「……探偵に用事があるタイプの相談ですか?」
「はい、それもかなり内密な依頼になります」
「ヘドロだけ連れていきます」

 こうして部屋に招き入れて、ダブルベッドの片方に座って貰った。

「それで、相談というのは」
「俺とチーターは幼馴染です」
「ふむ?」
「チーターの両親は、彼を残して首を吊って死にました」
「え」
「ご存知なかった、ということでよろしいでしょうか」
「……俺、そもそもチーターのことはよく知らないので」
「知らない?」
「ええ、なんなら会話したこともほぼ無いです」
「チーターの両親は首を吊ったあと床に落ちてネズミに食べられました」
「ネズミに?」
「ええ、俺たちは共通認識として【ネズミ】にトラウマを抱えているんです」
「へぇ」
「そんな俺たちなんですが、チーターには彼女がいたんです」
「えっアイドルがそんなこと言っちゃっていいので!?」
「……同じ孤児院だったのですが、殴り殺されたのに事故として処理されました」
「ふむ?」
「この犯人のことをネズミと呼び、探していたのですが」
「が?」
「行方不明になったんです、突然」
「あ~~~~~~~」

 困っている様子。
 探偵だというのなら探してもらえるはず。
 何か知っているのか?

「【ネズミとり】の話じゃないか?」
「お前もそう思う?」
「ネズミとり、ですか?」
「この話を私はしたくありませんが、俺はライオンさんのこともチーターのことも良く知りません」
「ふむふむ?」
「ライオンさんの自身体験についてお聞きして、話すべきだと思ったら話します」
「分かりました、他言無用でお願いします」
「当然ですよ」

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