【魔法使い】と【死にたがり探偵】~マイナス千点のミステリー~

宝者来価

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111話 星撃ち②:2


 ハウスにて、星撃ちをどうするかの会議が行われた。

「ポンチの遺体だが身体の中から紙が出てきた」

 仕方なく俺が取り仕切る、調査したの俺だし。
 良子さんにこういうリーダーは無理だ。
 したいとも言い出さないし良子さんは酷く憔悴している。

 慰めの言葉はいまだに見つからない。

「解剖したかった……吹き飛んだ損傷個所に陰茎を入れたかった……ぐすん」

 ヘドロが本当に気持ち悪い。
 けど、殺せる気がしない。
 すごくキショイけど悪い奴じゃない……し。

「お前を連れていかなくて良かったよ」

 遺体の扱いは当然宗教によるだろうが、頭吹き飛んだ知り合いをオナホにされて喜ぶ宗派があってたまるか。
 そんなの、気持ち悪い通り越して怖い。

「これからだったのに……」
「ウチ、良子と一緒に自殺するまで追い詰めるん楽しみにしとったんやで」

 それはそれでどうなのだろう。
 アンチが頭を抱えている。
 それにフォロワーズだからという理由で殺されたらしいが。
 判断基準によってはとっくにオウルと縁を切った者が危ない。

 緊急で呼び出した大元が駆け付けた。

「悪い、遅くなった」
「よぅ大元……え?大丈夫か?」

 顔が真っ赤である。

「ちょっと、熱が出ただけだ」
「ヘドロ、これ何の病気?」
「ストレスと過労と風邪だな」

 オウルとかかわるとストレスが重くのしかかるのは俺がよく知っている。

「ヘドロ、お前の親父に電話しろ患者一名緊急入院」
「……あ、父さまお久しぶりです。父さまの病院に病気の友人を入院させてほしいのですが」
『感染系か?』
「いえ、ストレスと過労です……どうしたシング」
「お電話変わりました憧礼です」
『ああ!息子が世話になってます!!』
「患者は大元刑事ですよ、ストレスで倒れました」
『彼か!!え、大変じゃないか……』
「刑事として犯人から怨まれてて、個室で守ってはもらえないでしょうか?」
『分かりました』

「ありがとうございます、では私が送り届けましょう」

 突然のオウルからの声にヘドロの父親が硬直した。

「え?」
「ちゃんと怪しまれないように車で行きますよ」
「悪い大元、いってきてくれ」

 ヘドロとオウルを見送った。
 大元はフォロワーズではないがオウルにとって大切な人だ。
 これで敵がどう動くかもみたいが、何より死んでほしくない良子さんなどの安全を確保しなければならない。

「僕、殺されるの?」
「布里人はここにいれば多分……」

 檻の外で他のフォロワーズが騒いでいる。

「怪しい奴いない!!」
「カメラに映らないことある!?」
「確かに皆で見たよね!?」
「引っ越し業者みたいな車だって言ってたよね!?」

 誰がどの声なのかごちゃつきすぎて聞き取れない。
 けれども『車』とか言っているから多分筋違いな捜索であり探偵が必要そうな雰囲気はなんとなく聞き取れた。
 本当はこんなことしたくないが仕方ない。

「こういうばあい専用の探偵に依頼する」
「シングさんではなく?」
「俺では出来ないことを依頼する……嫌だけど」
「嫌なんや?」

 先輩、電話出てくれるかなぁ?

「あ、先輩お久しぶ」
『シング!!テメェ田中先生に教わっておきながら宗教にのめりこむたぁどういう了見だぁッ!?』
「……俺はともかく、依頼させてほしい」
『三回周ってワンと言えよ』
「……わん」
『かー!!プライドなんもねぇ奴!!』
「この電話の向こうにいるのが黒川タツマキ先輩、先輩今依頼ひきうけられます?」
『どんな依頼だぁ?』
「殺人犯です」
『そこは警察が動くだろうよぉ?』
「チーター」
「何だ?」
「犯人がわかった時、殺せるか?」
「それ、は……」
「じゃあ俺がやる」
『お前が殺すのか?』
「殺すしかない、それしか俺には思いつかない」
『……本気か?』
「警察は俺を捕まえてくれないから、仕方ない」

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