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13話 アプローチ

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「クロノさん、おはようございます!!」
「おはよっす~」

 先生の親友が地球を破壊するかもしれない状況。
 色気――私にできる?
 でもタイム星人の好み、の資料がおくられてきた。

「えっと……今日の放課後、もし良かったら宇宙船を見せてほしいなって」

 タイム星人の宇宙船は日本でいうバイクや車にあたる、俺の可愛い車ちゃん自慢だ。
 見せてーって言われたらけっこう喜んで見せてくれるらしい。
 自慢した相手なら好感度上がるハズ。

「タイム星人の宇宙船を見たいの?」
「は、はい」
「……参ったな」
「修理に出してるとかなら大丈夫ですよ」
「いや、地球人の目だとタイム星人の宇宙船を見ても――大きすぎて認識できないかなぁ」

まさかの大きさの問題。
確かに宇宙船のなかには超巨大で地球の何倍もあったりすることあるらしいけど。
でも普通に見たかった、残念。

「そうです……か」
「あっでも中に入らせてあげることならできるよ」
「入ってみたいです!!」

 二人で教室に入るとオススキーちゃんの大声が。

「自分(お前)失礼やろ!!」
「えっと?」
「……地球人なら知らないのも無理ないって」
「失礼?」
「民間船できてるならともかく軍の船なんてそう軽々しく見してーゆうもんちゃうで!!」
「そうなの!?」
「逆に地球人は見せるんか?」
「陸上自衛隊の戦車を見よう、みたいなイベントはあったかと」
「あるん!?」

 そっか軍にかかわるものは機密だから駄目か。
 惑星によっては軍の装備は重大な機密事項だもんね、納得。
 これで嫌われてなければいいんだけど……。

「オススキーちゃんオススキーちゃん」
「なんや?」
「オススキーちゃんも宇宙船くる?」
「他惑星のもんマジで入れるん!?」
「おーいタイム星人の宇宙船に入って見たい奴いるー?」
「拙者は興味あるでござる」
「俺も」

 クラスで一番イケメン(宇宙規模)のナガシダイ・ソウジがくるとなれば――
 オススキーちゃんも行くと目を輝かせていた。
 乙女ゲーの御曹司にまとわりつく女性みたいにベタベタしている。

 地球人から見ればマグロに足が生えたデザインなので見た目がとてもシュール。

「はーい皆さん席についてくださーい」
「花子先生殿、シャンプーを代えましたか?」
「ああ確かに香りが……」
「お喋りしないの、それにシャンプーなら変えてませんよ」

 髪の毛が跳ねていると直接伝えたほうがいいような気がする。
 これも文化の違いということだろうか。
 バチスケくん(地球人)が一言。

「髪の毛が跳ねてること言いたいんだと……」
「え、うわ本当だ!!」
「そんな直接言うなや!!」
「いえ地球人は理解力が低いので、直接的なほうがいい時もありますよ」
「ほんま!?」

 放課後に宇宙船に皆で行くことに。
 ……何故かゴド星人のミコ・テンシさんはこなかった。
 理由はよくわからない。

「宇宙船っておもしろくないもの」
 
 ロボットに興味ない女性みたいな反応された。
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