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3話 妖怪が思っていたのと違う
しおりを挟む3人でコンビニへ
「今日は全部のお金を僕が出すから」
「悪いね」
「お前の猫にアレルギーはあんのか?」
「え?」
「猫によっては鶏肉にアレルギーあったりするから」
「そうなのですか!?」
天国でもアレルギーあるのか
そして猫と暮らすこともできると
大変だとは思うが動物は可愛がって来た方だった
「あの子は無いですよ」
「自分が持ってると他の奴も心配でな」
「三日筋肉さんは何のアレルギーですか?」
「俺なら悪魔アレルギー」
「悪魔ってアレルギー対象なのですね」
「いる事にはおどろかないんだな」
「天使も死神も見たので」
お弁当より先に猫のエサを買いに行った
いつもカリカリだというのだが
三日筋肉が一言
「あの猫は何歳用なんだ?」
「いつも安いカリカリなので」
「猫は年齢ににあったもの選ばないとだぞ!!」
「そ、そうなの?」
「生前の飼い猫か?」
そうだった自分たちは死んでいるし
飼っているのも事情が?
動物は別の『門』がありそうだった
「いや仕事中にあった妖怪くん」
「妖怪!?」
「すねこすりだから見た目は※スコティッシュに見えるんだよね」
※猫の種類
「違ったのですか!?」
「人の足にすりすりしてくるけど大丈夫?」
「甘えん坊な猫ちゃんにしか聞こえません」
妖怪だが今までカリカリが好きで食べていたとの事で
いくつかの種類をピックアップして購入
お金は心配いらないと
「他にする事なかったからバイトしまくってた」
「漫画は?」
「コミケ近いと描くこともあるけど」
「天国でも開催されているのですね」
流石は漫画家死んでも書いているようだ
そしてありったけに猫グッズを買い
自分たちの食事はパンを即選ぶ
家に戻ると猫が脅えてしまっていた。
「ほら猫ちゃん怖がらないでいいぞぉ」
間違いない三日筋肉さんいい人
声のトーンが完全にデレッデレである
お爺ちゃんと可愛がられている孫みたいな絵だ
「カリカリだよ」
『ふにゃあ』
出て来てご飯を食べるすねこすり
確かに種類はスコティッシュにしては耳の形が若干おかしい
くるりと回っているかのように見える
「天国で中々責めたパン選びますね」
「牛乳パンがですか!?」
「それ地上では一部でしか売られてないよ」
「全国で売って無いのですか!?」
「コンビニの店長が好きとかで置いてるらしいぜ?」
美味しいのにとショックをうけつつ牛乳パンを食べる
すると猫ちゃんがこっちを見ている
少しだけ与えてみたいがすねこすりは食べていいのだろうか
「妖怪インフルの予防接種ぐらい連れていったんだろうな?」
「天国にもインフルが!?」
「人間はかからないがアレは妖怪を飼うならしねぇと!!」
「病院が苦手なので連れて行ってもらっても?」
「子供か」
「何か原因があるかもしれませんし」
「僕って除菌アルコールの匂いが駄目で」
「飼い主それぐらい我慢しろ!!」
「なら私が連れて行っておきますから」
「いいの?」
「まだ仕事も決まっていませんので」
こうしてキャリーケースに入れて
三日筋肉と共に家を出た
しばらく歩いて十字路で門をくぐると別の場所へ出た
「ゲームのワープみたいですね」
「天国には元々在ったからソレの方が後から産まれた概念だけどな」
「成程」
「あった妖怪専門の病院」
旗が立っている
『動物型の妖怪はコチラ』
「確かに良さそう」
「スマホで調べた」
「天国にもあるのですね」
「電子パッドかペンタブ無きゃコミケ今時成り立たないからな」
「確かに」
こうして中に入るが看護師さんのような人が一人で受け付にいて
此方に気付くと声をかけてくれた
ここまでは普通の動物病院と特に変わりない
「私たち『すねこすり』を飼う事になりまして」
「インフルの予防接種お願いします」
『患者様のお名前は?』
「タチです」
ひそひそと二人で話す
「※彼は何も知らずにこの名前つけたんですかね?」
「※タマとポチで悩んでこれらしいから意図はねぇんじゃねぇかな」
※タチはBL・GL用語で一般的に男役を指す言葉
『先生おねがいしまーす』
『はーい』
奥から河童が出て来た
いや偏見はよくない頭に皿があってもいいじゃないか
別にこちらの尻を狙う訳でもなし
※河童はお尻から玉を抜くという伝承がある
「お願いします」
『おしりからプスっはい終わり』
お金を払ってシェアハウスに帰って来た
放てば真っ先に彼の元へかけよる
すりすりと足に身体をこすりつけていて
「タチくん頑張ったね!!」
『にゃ~』
「急に行こうって言いだしましたけどインフルってそんなに怖いですか?」
「妖怪インフルの末期症状だと人の頭とかバリバリ食べちまうぞ」
「予防接種って本当に大事ですねぇ」
タチくんはタマタマがあるので雄らしい
天国で去勢手術はいらないとの事
遠くても分かるほどとても立派である
「どのお部屋を使っていいですか?」
「タチちゃんが入りやすい部屋にしておけよな」
「なら一階のこことか日当たりも良さそうだし僕ここで」
死神への偏見はよくないと自分に言い聞かせる
イメージとしてはもっと月夜をバックな感じに笑う姿
でも姿はローブ
「そういえば着替えとか」
「滅多に外へ出ないから制服もこれ一着しか持って無いよ?」
「制服だったのですね」
「月1でしか外でないし」
「引きこもりなのに死神なんか何で選んだんだよ?」
「低ランクなら他の人と話さなくてすむもん」
「部屋の中は遠慮とかしないで家具とかそろえていいですよ」
翌日の朝に起こしに行ったら
フリルのカーテンとモコモコスリッパ
棚の中にはぬいぐるみでいっぱい
「おはよーレディさん」
「一晩で随分と沢山買いましたね」
「今までの場所だとほんと趣味に合わなくて」
「こういうのは私もわりと好きですよ」
もう一人の同居人が起きて来た
今時これぐらいで何かいう人はいないと思うが
と彼が部屋に来て一言
「人形って意外とホコリかぶるからケースに入れたほうがいいぞ」
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