死んでみたら天国が思ったのと違う~あの世スローライフ~

宝者来価

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18話 異世界転生が思っていたのと違う

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赤鬼も交えて節分のTVを見る。
 
「んだよ来るなら言えっての」
「ごめん忘れてた来るってメール来てた」
「エンマ様今まで職場の飲み会とかで困らなかった?」
「※スマホが普及したのここ10年ぐらいだからさぁ」
 
※2013年にスマホ普及率は20%だった
 
「何万年も地獄でお仕事をなされた方だからな」
「このあいだ電話なんて便利なものが出来たと思ったらもうスマホだもん」
「そういえばお年寄りでしたね」
 
『今年の新しい異世界転生は――こちら!!』
 
~俺の顔面が良すぎる件について~
 
「イケメンなだけですか?」
「それぐらい今まで無かったのかよ」
「あったけど不人気だったかなぁ」
 
イケメンの顔になれる世界が不人気とは
女性にキャーキャー言われていたい男など
何時の時代も一定数がいると思えるが
 
「え?」
「何ていうか顔がいい男ほど泥沼化するって年を重ねると分かるっていうか」
「現実ってそんなもんだよな」
 
『イケメンなら何をしても許される世界で『あなたはイケメンなので』と何をしても全ての人から許され『イケメン』には敵わないと他の者たちがひれふす世界!!』
 
「そこに現れる顔でひれふさないおもしれー女ですね」
「乙女ゲーか?」
「やった事あるの?」
「意外と面白いぞアレ」
 
『つづいては変身ヒーロー特集!!』
 
ロボットに変身したり魔法少女にも成れるらしい
動物化に定番に超能力が付与されたもの
宇宙から攻め込んでくる未知の生命体と戦うなど
 
「見ている分には面白いですけど後悔が残りそうな異世界転生ですね」
「去年は追放モノが流行ったよ」
「面白さはともかく自分がそうなりたいかは別な気がします」
「僕もこの異世界転生に関しては思う所あるけど転生はしたほうがいいからね」
「別に天国や地獄にずっといてもいいのでは?」
「千年もいるとパニックになって暴れ始めるからなぁ」
「単位でかいな」
「そうやって悪魔になった人たちを見て来たから」
 
ここに来てから何度も見て来たが
悪魔に騙された―という経験は今の所したことがない
XXを与える代わりに魂を寄越せなど脅された事も
 
しいていうならチョコレートは強請られたが
 
「悪魔の方にどうして悪魔になったのか聞くのって失礼ですか?」
「うんNG」
「聞かなくて良かったです」
「ただ平助に関しては聞いてもいいし何なら僕が言う」
「え?」
「昔々」
 
奈良時代に産まれた男は重い税に苦しめられていました。
 
「えっ思ったより重い話?」
「続きいい?」
「どうぞ」
 
 
納める米が実らず役人に切り殺されてしまった男がいました
死んでから男は神様がいると知って大激怒
神様に向かって挑みますが刀も槍も何一つ効きません
 
「あの巨大イカですからね」
「痒いなとは思ったかもしれない」
「それで神様のせい?な訳?」
「すごく単純な話きくけどゲームのガチャでハズレ引いたら運営のせい?」
「あー」
「あくまでシステム作っただけだし叶えられない訳じゃあないけどね」
「ないけど?」
「神様に歓迎された浦島太郎はおじいさんになっちゃったし」
「あれ実話なの?」
「飛びたいからって鶴に変身させてもらった人は正体が鶴だったって事で追い出され」
「嫌な話ですね」
「仮に豊作の土地をもったとしても役人が奪い取っていくだけだったろうね」
「でもそれで背中に重い羽って可哀想じゃね?」
「減刑するのほんっと大変だった」
 
こういう所は年長者の威厳があるエンマ様
赤鬼にいたっては感動しておがんでいる
今回は分からなくもない
 
「なら平助さんとエンマ様は昔の恩人って訳ですね」
「そうでもない」
「え?」
「刑罰がきまるまで異世界転生って出来ない決まりで」
「なるほど?」
「裁判に100年かかって」
 
100年も裁判するような事か考えたが
神様が一人しかいないとして世界中に人々はいる訳だ
待ち時間は半端ないだろう
 
「災難でしたね」
「複雑な関係性といえばそうだけどメルアドは持ってる」
「エンマ様そういう関係の方多いんですか?」
「だから僕が裁判に関わっていない『若者』が多いこの地域が良くて」
「確かに1000年前に死にましたーって人この辺りみない!!」
「あ、でも君らが何かしたら減刑には出来るからね」
「いえ遠慮しておきます」
「別にもう引退してるけど二人は別だからね!!」
「先約がいるので」
 
目が点になるエンマ様
 
「え?」
「もし裁判になるような事になったらその前に異世界転を平助さんとします」
「確かに面倒くさそうだから俺も」
 
何気なく会話していたら
 
「うわーん!!」
 
子供みたいになきだすエンマ様
 
「ど、どうした?」
「置いてっちゃやだあ!!」
「じゃあ一緒に来ます?」
「行っていいの?」
「ゾンビがいる世界でサバイバルですけど」
 
今度は三日筋肉の目が点になった。
 
「何でそれ選んじゃったの!?」
「マインクラフト楽しいですよ」
「言い方を考えろ」
 
しかしエンマ様は最近の『ゲーム』が分からないらしく
 
「えっまいん?何?地雷?」
「ゲームのタイトルです」
「地雷設置してゾンビを狩るゲームでいい?」
「地雷だと効率が悪いのでお勧めしません」
「効率なんだ?」
「でもあの世界村人が全員同じ顔してて不気味じゃね?」
「2時間で帰る予定です」
「帰るの!?」
「ラスボスまで頑張れば1時間ぐらいのゲームでして」
「異世界に転生した訳だから裁判はリセットだな」
「そんな裏技みたいな裁判の逃げ方あるんだね」
「今までもいただろそんな奴」
「異世界転生したあとは知らないから……」
 
高校卒業したあと生徒が何やってるか知らない担任のようである
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