クローン人間が異世界転生して魔王に愛された

宝者来価

文字の大きさ
1 / 60

1話 近未来の廃棄クローン

しおりを挟む
「もう少し、生きていたかったなぁ」
「あがきます?」
「いいや、最後は自由に僕たちで締めくくりたい」

2XXX年の日本、世界は技術が大きく進歩して人々の生活は豊かになり、そして光あれば当然そこに影はできるもので開発による汚染やロボット犯罪などがうきぼりとなって問題視されていた。
『クローン奴隷』は最初は反対するものの声もあったのだが、政治家や働き手が安く雇えるとあっというまにブームになった。
空のスクリーンに浮かんでる映像は『大人ならクローンを持っていないのは恥ずかしい』というコマーシャルであり街を見渡せば『安いクローン仕入れました』なんて広告も存在した。

「行きましょう」
「うん」

そんなクローン奴隷の上位互換として『教育済みクローン』が発明された。
だがどんな物でもエラーはつきもので、彼らも教育に失敗したクローンで他の個体よりも身体や知能が劣る『品』だった。
それでも凡人からみれば賢く、職員の目をかいくぐり廃棄として燃やされる前に施設を脱走したのだ。

「超電動カーが旧型とはいえ追跡されますから、ここからですね」
「安全の確保が出来るまでは、とにかく人目につかない場所に行こうか」
「人目にはついて大丈夫ですが、センサーのほうが厄介ですね」
「センサーの無い道を選んで進めば、開発されてない田舎にいけるかな」

こうして、どうにか『ド田舎』へたどり着いた。
なんとまだ車が地上で走っている、古の都市だ。
人工警備ロボットなどもかなり少なく条件は十分と言ってよかった。

「どうにかお金、手に入ったね」
「飲料と栄養を確保しましたので、接種しましょうか」

人間用の飲料は、少し甘い味がついており生きてきた中で『甘い』を経験できると思わなかった6024は涙を浮かべた。

「これ、甘いね」
「逃げてよかったですか?」
「一人だったら多分だけど僕は後悔してた、けれど二人で暮らせるなら幸せだよ」

クローンに人権は無く、人間やセンサーにバレないように脅えて暮らす日々は想像以上に過酷だった。

空き家の家を見つけてどうにか隠れていたのだが、家に入るのを見られてしまった為に終わりはあっけなく訪れた。

「これ見てください」
「随分と古い本だね、電子データですらない何てあるんですね」
「異世界に行く魔法が使える本、だそうです」
「最後にほんの少し夢が見れるね」
警備隊のホバーコプターの音がした

『№1358番と№6024を補足、人間の人質はいない模様』

「これで魔法陣は完成です、あとは呪文を唱えるだけです」
「────」

呪文を唱えるも、何も起きはしなかった。
銃弾で頭を撃ち抜かれて意識は彼方へと消えていく。
そして同時に世界は終わりを迎えた、その呪文は本物だったのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜

たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

処理中です...