5 / 60
5話 選択する自由
しおりを挟む例え奴隷でも、大金持ちか貧乏人かで大きく意味が異なってくる。
「魔王様に気に入られた、と感じるような出来事でも?」
この質問は最もで、魔王が優しい事を勘違いしているだけではないかと疑ったのである。
勇者は皆が人間扱いされる事に慣れていない為にすぐにほだされてしまいがちなのだ。
「えっと、優しかったから」
「魔王様は誰にでも……」
「あとキスされたから、そうなのかと」
いよいよ本当に気に入られていると思える発言が出て来た。
「もし娼夫をやるのであれば魔王様の妾の方が確かに、よき思いはできるでしょう……が」
「が?」
「仕事は豊富ですし人手はいつでも貴重です、嫌ならば断って大丈夫ですよ」
「断る、え?」
「メイドを探しておりますので、もしも魔王様の妾が嫌になればいつでもどうぞ」
――――――――――――――――――――
夜、約束通り部屋へ魔王がやってきた。
その様子は慌てており、ノックも大変あらあらしく返事も聞かずにドアは開いた。
「6024!」
「はい」
「先ほど、とんでもない勘違いを……その、していると聞いたんだ」
「勘違いですか?」
「俺はお前を玩具にはしたくない」
言葉の真意はわからずとも、抱く気が無い事は確かに伝わった。
「え、お仕事が……無いんですか?」
「本当に娼婦をやる気なのか!?」
「それしか、僕には」
「魔族や人間との戦闘が嫌だったりするか!?大丈夫だ、他の仕事は山ほどあるから」
「もしかして、今まで愛玩用のクローンってこの世界に来て無くて、会った事がないの?」
「あ……まぁ、その教育を受けた者はまだ『この世界』に今までだれも来てない」
納得がいった、どおりで皆『おかしな反応』をする訳だと
「僕たち、愛玩用の教育されたクローンは、愛されないと自動で脳が停止します」
「え」
「こっちの世界に来た時、鏡をみてまるで同じ姿で……教育の作用もおなじなら、僕には玩具になる選択肢の他が無いよ」
「そん、な」
「でも大丈夫、元々慣れてるから平気」
どうして、言わなかったじゃないか、と小声で魔王がブツブツと呟いた
「それで、このベッドってどこにプラグがあるんです?」
「無い」
「なら飾りベッドなんですね」
「ふー……いいや、毎日ここで『眠る』ための物だ」
「毎日!?」
「マニュアルにあっただろう?」
「『夜はベッドで寝る』ってあったけど、毎晩なの?」
「先にこの質問に応えろ、お前はどれ程の期間抱かれなくても脳が保てる?」
「2週間程度だよ」
「良かった……それほど長い期間なのだな」
「皆、優しそうだから一人くらい抱いてくれるかも」
0
あなたにおすすめの小説
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜
たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる