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19話 カルテ
しおりを挟む「はー……」
医療班をまとめる医者『ヴァイド』は元々僧侶である
だが魔王のパーティの入った時に魔法で治しきれない傷を治す方法を知った。
純正で世界に産まれた自分は『旧世界』での知識が興味深かったのだ。
魔族は精力を吐き出してしまうと魔法が使えなくなる、なのに王妃の『病気』を聞かされたときに眩暈がした。
「どうにか出来ないだろうか?」
「怪我であれば治せるが『脳』ではな、そもそも魔族は滅多に人を抱かんから前例があまり無いし」
「花街に調査しに行ってくれないか?魔族が経営しているソープ店がある」
「俺にそういう店に!?」
「解決の糸口を探してくれ、頼む」
「女を買えとでも?」
「貴方しか頼れ無いんです!」
魔王の素が出るのは酒以外では珍しい、それだけ焦っているのは分かった。
「でも抱きはしませんし買いもしませんからね?」
「助かります」
「口調、気をつけて下さい」
「そうだな」
本当に仕方なく、ソープに来た
『いらっしゃい、いいこ揃ってるよ……ってうわ』
「今晩は」
『流石に奥さんが亡くなって5年もすれば、ねぇ?』
「断じて違う!」
彼には愛した妻がいたが、病で5年前に亡くなっているのだ
後妻など取る気にはならず二度と誰かを抱くつもりも無かった
それほどに素敵な人であったともいえる
『じゃあ何しにいらしたんです?』
「相談にのってくれそうな、魔族の男を探している」
『もしかして……妃様の事ですかね?』
「何故分かったんだ?」
『そんなの決まってますよ!あそこまで大胆な告白しといて抱かないなんてねぇ?お妃さまはウチの従業員がスカウトするような淫乱だって聞くし』
淫乱と言われて、少し顔をしかめる
それは悪い事なのだろうか、妻が旦那に愛を求めるのは自分の価値観では『良い事』である
「まぁ、王妃の事だな」
『各国では本来問題になりませんもんね……国王は継承式で力自慢である必要はないし』
「そう、だな」
『おーい』
『あ、はい只今ご案内します』
ふむ、どうするかと頭を悩ませていると魔族が入って来た
『あんたこういう店は初めてかい?』
『その方は最高軍医ですので失礼しないで下さいね』
『わ、悪かった!』
「いや気にしていない、それより魔王様が王妃を抱きたいが魔法が使えなくなる事を困っていてな?」
『むしろ今まで困った事が無かったのかよ!?』
「パーティにも魔族はいたんだが『こいういう事』に一切興味をもたない奴だった」
『お付きの人か、あー確かに堅物そうだもんな』
「あなたも魔族のようですが、何か解決策でも?」
『俺は魔法が下手で兵士やってねーんすよ、悪党とかは兵士とか魔王様がどうせやっつけてくれるんだからそもそも気にしなくていいっていうか』
参考にならないと思っていたが
『あら、解決作ね』
「どこが?」
『魔王軍がどこよりも強ければいいじゃない、魔王が動かなくても兵士に行かせればいいのよ』
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