クローン人間が異世界転生して魔王に愛された

宝者来価

文字の大きさ
38 / 60

38話 隠していた事

しおりを挟む
「『平気です』じゃねぇんだよクローンの癖に」
「……」

ヘリウズは6155を医務室に寝かせて、トランプ兵たちが報告に来るのを待っていた


「今まで自分の事なんか、話さなかっただろお前……あとで俺も聞くからな」
「そうですね」
「返事なんかせずに寝てろって」
「ちょっと胃液吐いたくらいで大げさな」
「お前兵士長だろうが、部下が吐いた時に言いづらい状況にすんじゃねぇ」
「……人間の癖に、聡明でいらっしゃる」
「お前だってその人間だろうが」
「ふふ、今ではそうですね」


崖から落ちそうになっていたヘリウズを6155が助けてから、二人の関係は親友と呼ぶに相応しかった。
背中合わせで数多くのモンスターを討伐して、共に旅をしてきたのだ。
かといって過去を話すような事もなく、喧嘩するほど仲がいいとよく言われるほどに喧嘩ばかりだった。





「失礼します!」

ダイヤ兵が大慌てで医務室に入って来た

「なんだあ!?」
「兵士長、ヘリウズ様、急いで確認したい事がございまして!!」
「緊急事態のようですね」
「Aシリーズといえば『14日誰にも抱かれなければ死ぬ』そして『もう一つ』条件があるそうで」
「え」
「抱かれなきゃ死ぬってだけで厄介なのに、まだあんの!?」
「『絶頂の回数』が足りなければ『記憶が全てなくなる』」
「何でだよ!?」
「愛玩用ですので、『主人』が『飽きたら』自動で脳がリセットされるようで」
「その回数はどれほど?」
「問題はそこでして、Aシリーズのリセットは本来パーツで決まるらしく」
「パーツが純正品でない王妃では回数が全くの未知数!?」
「そうなります」
「本当に寝てる場合ではなくなりました、魔王に確認をとりに行きます」


魔王の部屋


「6155!?倒れたと聞いたが、良かった」
「それより魔王様」

全てを話すと魔王は

「……聞いてないぞ」
「Aシリーズは横のつながりを持たないので、王妃様が知らない可能性もありますね」
「とにかく本人に聞きにいく、ついてこい」



城の上層、監禁部屋に魔王、6155、ヘリウズで向かった


「6024!」
「どうしたの?」
「お前は、日数ではなく回数が足りなくても死ぬ事を知っていたのか?」

それを聞いた王妃の答えが

「……ええと、あのその、なん……僕はパーツが他と違うからダイジョウブ、ダヨ?」

であり、身振り手振りの慌て方がすさまじく、目はそこら中に泳いでいた。

「王妃は嘘が下手くそすぎんだろ」
「Aシリーズには確かにそういう機能あるけども……噂なんか気にして」
「ただの噂ではありませんよ、Aシリーズの方からお聞きしましたから」
「えっ!?でもAシリーズなんて今までこの世界で会った事がないって!!」
「嘘はいっていない、会った事は無かったしいるとも知らなかった」
「たまたま兵士の中に女遊びをしているのがいたんですよ」
「そんな事あるの!?」
「6024、俺に何故この事を隠していた?」


「……君は僕がいなくても大丈夫だよ、皆がいるから」


城中で『魔王の魔力』は感じ取れるほどに膨れて漏れ出していた


「許さないからな」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜

たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

処理中です...