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第一章 九夏三伏の熱砂〜デザート・エルフ
第9話 紺碧の槍使い
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夜が明け、まもなく朝がやって来、気がつけば昼が訪れていた。
じりじりと照りつける太陽。汗ばむ体を前へ前へと動かして、私たちは王都の外を進んでいた。
「ごめんね、私のせいでメリアにまで迷惑をかけて」
「大丈夫だ。キミのせいじゃないよ」
王に会う権利を獲得するため、私たちは無理難題の解決に向かっていた。
あれは目を覚まして、朝食を摂った直後の出来事だった。
最初の集落と同じ造りの家の中。ベットの上で目を覚ました私の視界に、朝食を用意するメリアの姿が映っていた。
「おはよ、メリア」
おはよう、と言葉が返ってくる。
「朝食分は置いてあった。午後のことも未定のままだし、遠慮なく摂っておくとしよう」
「うん。ご飯食べながら、ちょっと話できるかな」
向かい合って座ったところで、分厚い皮を持ったよくわからない肉料理が私を出迎えた。……一体何の肉なのかは、嫌な予感がしたので聞かないでおくことにする。
私が相談したかったのは、言うまでもなく昨日の夜のことだった。直近の大事な話題といえば、真っ先に思い当たるのがそれであって、メリアは一言で察してくれた。
「ああ。昨日は確かに災難だったが、あまり思い詰めることはない。君が望んで出したものではないのだろう?」
「……昨日の暴走は、私の知らない力だった。右腕が黒い鱗になってたんだよね」
メリアは首肯する。
私の右腕に現れた黒い鱗は、龍の部位に酷似していた。この現象に私の龍が関係していそうということ以外には何もわからない。
「あの時のキミは魔力が暴走していた。あの姿が発現する前、心身に変化は?」
「すごく痛かった。龍に変身する前は、熱砂の騎士を止めなきゃって思った……かな」
記憶の中にあったのは、メリアを打ち破った熱砂の騎士と対峙する私。
言ってもわからないなら、力で教えればいい。
普通は思いつきもしない狂気的な考えに至った瞬間、私の意識は飲み込まれたのだ。
「私は専門家じゃないから大したことは言えないが、あの時、キミの魔力はヴァンクールを超えるくらいに昂っていた。魔力を上手く調整できるようになれば絶大な武器を得られるはずだ」
「魔力、かぁ」
メリアの言葉の一部を反芻する。
私は魔法を使えるようになったばかりで、基礎中の基礎しか扱えない。その場の流れで詠唱を試みることは何度かあったが、大雑把なイメージだけで、理論的には魔法を理解できていなかった。
魔力を操ることさえできれば、私もメリアくらいの力を出せるかもしれない。強い相手を前にして、暴走することなんてなくなるかもしれない。
「ともかく、私にできることがあれば何でも言ってくれ。協力するよ」
優しい言葉をかけてくれた後、メリアは目の前の肉料理に手をつけ始めた。
メリアがいて良かったと、本当に思う。
朝食を摂り終えた時。昨日と同じ格好のヴァンクールが現れたのはそのタイミングだった。
「昨日の今日で失礼します。まずは一つ問いましょう……貴殿らは、我が王に用があるのでしたね」
「そうだ。時間が惜しい、可能なら今すぐにでも会わせてくれ」
「なりません。あの強大な力を制御できない貴方を王に謁見させるのはリスクが高すぎる。よって、条件があります」
ヴァンクールはポケットから白い紙を取り出して、私たちの前に広げた。
そこに書かれていたのは一輪の美しい花だった。
「この砂漠の外れ、どこかにオアシスが存在する。その特定の場に咲くとされる希少な薬草の花です。これを手に入れていただければ、王への謁見が叶うように動きましょう」
横目でメリアの様子を窺うと、彼女は苛立ちを隠そうともせずにヴァンクールを睨みつけていた。
砂漠の中で限定的に咲く花を見つけてくる。もしかしたら、私たちを王都から離すための口実なのかもしれない。
「……必ず王に会わせると約束しろ。それと、お前たちが金輪際私たちのやり方に口を出さないことも同様だ」
メリアが随分と強気な言葉を言うのを聞いて、私は一驚した。
これ以上熱砂の騎士の好き勝手にはさせないとメリアは言ったことになる。私が失敗ばかり繰り返していたとしても、諦めず立ち向かうひたむきさが本当に頼りになる。
「ええ、構いませんよ。見つけられればの話ですが」
私とメリアは魔王を倒すために砂漠をやってきた。
そう、魔王を倒すため。この騎士よりも強い相手を、倒すため。
王都の外に飛び出た私たちを出迎えたのは、変わらぬ灼熱の大地だった。
一連のやり取りがあって、私たちは砂漠の中にいた。
王都から離れ、地図も持っていないため、あの時のような集落には辿り着けないまま。どう考えても、エルフの王は私たちを追い返したいだけだったのだろう。
「涼華、体は大丈夫か?」
「こっちは平気。メリアも無理だけはしないで」
言葉はお互い強がり混じり。
体は少なからず疲弊していて、無理難題には気が遠くなる。でも、ここはいつだって跳梁跋扈の砂漠。
横を歩くメリアが私の肩を掴んで動きを止めたのが開戦を知らせる法螺貝の代わりだった。
「魔力反応だ。かなり大きいぞ、気をつけてくれ!」
「ッ、了解!」
メリアの言葉と同時、砂に覆われた大地に凄まじい衝撃が走った。
凄まじい質量と共に奥から現れるのは、メリアの世界での呼び方がこれかはわからない——が、いわゆるスフィンクスと言う巨体だった。
「メリア、これは!?」
「魔力は感じるが、生物とは思えない。俗に言う幻想種とも違う……よくわからないがたぶん敵だ、戦闘準備!」
あまりに適当な分析に思わず苦笑してしまったが、そんな気の緩みも次の瞬間には引き締められることになる。
巨大なスフィンクスが、リザードマン一体分はあろうかという大きな口から魔力砲撃を放ってきたのだ。
「涼華!」
瞬きの間にメリアが私の体を抱えて空へと舞い上がらなければ、私は灰になっていたかもしれない。体から嫌な汗が出てくるのがわかった。
「無事か涼」
「後ろ!」
その無事を問う暇もなく、私たち目掛けて魔力の塊が放たれる。爆発的に昂る魔力は空に衝突すると、辺りに漂う雲を勢いのままに消し飛ばした。
「私が動く。涼華は攻撃による援護を頼む——『雷の翼』」
「わかった。『最初の灯火』」
私を抱えるメリアの背からは雷の翼が生え、私の手からは激しい炎が燃え上がる。炎と雷の魔力を認識したようで、スフィンクスは頭だけをこちらに向けた。
「メリア、来るよ!」
大きな口から放たれる高魔力。足元で雷の音がしたと共に、私の体はジェットコースターのように勢いよく空へ飛び上がった。攻撃の隙をついて回り込んだところで、私は右手から炎を解き放った。
「っ、効いてない!?」
しかし、その炎はスフィンクスを焼ききれなかった。固い装甲には焦げ一つ残らず、攻撃手段としては不十分であることが窺えた。代わりにやってくるのは、魔力を伴わないスフィンクスの体躯——。
「メリア、合わせて!」
迫り来る右の前脚を前にして、私が出したのは加速魔法の合図。メリアは意図を理解してくれたようで、私が口を開くと同時、彼女も言霊を口にする。
『一陣の風』
建物が消え去るほどの衝撃を受ける直前、私たちの体は一気に加速した。
視界が一瞬で流れていったのは雷属性の魔法が作用したためだろうか。ともかく、私たちは攻撃の回避に成功した。
「見かけによらずの高魔力と高火力。厄介だな」
「しかもあの装甲、単純な魔法が通じない。ここは退いた方が」
「……だが、この程度相手に退いていては魔王などとても相手にできないだろう。時間をかけたとしても攻略法を編み出して倒すべきだ」
でも、それで無駄に体力を使ってしまったら、それこそ本末転倒じゃない。
その言葉は私の喉まで出かかってきたが、続けて口にすることはできなかった。熱砂の騎士の時も同じように逃げてきて、戦いに勝利できたのはリザードマンが相手の時だけ。メリアの言い分に対して、私は反論できるだけの力と根拠を持ち合わせていなかった。
何も言い返せず言葉を詰まらせてしまう。ちょうどその時、スフィンクスの顔が静かに動くのが目の端に入った。
「メリア!」
「なっ——」
私が言った時にはもう遅かった。
スフィンクスの口から放たれる巨大なエネルギーは私たちを真っ直ぐに捉え、光のような速度で迫り来る。
どう足掻いても避けられない。メリアも私も詠唱が間に合わず、痛みを避けるための考えだけが浮かんでくる。しかし、それでも逃げられないと悟った瞬間、私の体を冷たい汗がつう、と伝った。
考えている間に、魔法は私の眼前まで迫ってきていた。
その時。
『真槍解放《ザ・ランツェ》』
巨躯のそれより何倍も速く。私の肌に魔法が到達するよりも遥かに先に。
スフィンクスの首に、長い槍が突き刺さっていた。
「自動人形相手に喧嘩売るなんて蛮勇なのね、お嬢ちゃんたち」
魔力で槍を引き抜き声をかけてきたのは、青色の髪の毛を持つ綺麗な女性だった。
軽々とした身のこなし、遠くからでもわかる洗練され尽くした魔力。敵か味方かもわからないその女性は、顔に妖艶な笑みを浮かべていた。
「……ネリネ? その顔、ネリネか!?」
「ん……メリア?」
一体何者か、再び戦闘になるのか。私の中に駆け巡る不安の全ては、彼女らの反応で消し飛ぶことになる。
二人は十年来の友のように、驚いた顔で向き合っていた。
じりじりと照りつける太陽。汗ばむ体を前へ前へと動かして、私たちは王都の外を進んでいた。
「ごめんね、私のせいでメリアにまで迷惑をかけて」
「大丈夫だ。キミのせいじゃないよ」
王に会う権利を獲得するため、私たちは無理難題の解決に向かっていた。
あれは目を覚まして、朝食を摂った直後の出来事だった。
最初の集落と同じ造りの家の中。ベットの上で目を覚ました私の視界に、朝食を用意するメリアの姿が映っていた。
「おはよ、メリア」
おはよう、と言葉が返ってくる。
「朝食分は置いてあった。午後のことも未定のままだし、遠慮なく摂っておくとしよう」
「うん。ご飯食べながら、ちょっと話できるかな」
向かい合って座ったところで、分厚い皮を持ったよくわからない肉料理が私を出迎えた。……一体何の肉なのかは、嫌な予感がしたので聞かないでおくことにする。
私が相談したかったのは、言うまでもなく昨日の夜のことだった。直近の大事な話題といえば、真っ先に思い当たるのがそれであって、メリアは一言で察してくれた。
「ああ。昨日は確かに災難だったが、あまり思い詰めることはない。君が望んで出したものではないのだろう?」
「……昨日の暴走は、私の知らない力だった。右腕が黒い鱗になってたんだよね」
メリアは首肯する。
私の右腕に現れた黒い鱗は、龍の部位に酷似していた。この現象に私の龍が関係していそうということ以外には何もわからない。
「あの時のキミは魔力が暴走していた。あの姿が発現する前、心身に変化は?」
「すごく痛かった。龍に変身する前は、熱砂の騎士を止めなきゃって思った……かな」
記憶の中にあったのは、メリアを打ち破った熱砂の騎士と対峙する私。
言ってもわからないなら、力で教えればいい。
普通は思いつきもしない狂気的な考えに至った瞬間、私の意識は飲み込まれたのだ。
「私は専門家じゃないから大したことは言えないが、あの時、キミの魔力はヴァンクールを超えるくらいに昂っていた。魔力を上手く調整できるようになれば絶大な武器を得られるはずだ」
「魔力、かぁ」
メリアの言葉の一部を反芻する。
私は魔法を使えるようになったばかりで、基礎中の基礎しか扱えない。その場の流れで詠唱を試みることは何度かあったが、大雑把なイメージだけで、理論的には魔法を理解できていなかった。
魔力を操ることさえできれば、私もメリアくらいの力を出せるかもしれない。強い相手を前にして、暴走することなんてなくなるかもしれない。
「ともかく、私にできることがあれば何でも言ってくれ。協力するよ」
優しい言葉をかけてくれた後、メリアは目の前の肉料理に手をつけ始めた。
メリアがいて良かったと、本当に思う。
朝食を摂り終えた時。昨日と同じ格好のヴァンクールが現れたのはそのタイミングだった。
「昨日の今日で失礼します。まずは一つ問いましょう……貴殿らは、我が王に用があるのでしたね」
「そうだ。時間が惜しい、可能なら今すぐにでも会わせてくれ」
「なりません。あの強大な力を制御できない貴方を王に謁見させるのはリスクが高すぎる。よって、条件があります」
ヴァンクールはポケットから白い紙を取り出して、私たちの前に広げた。
そこに書かれていたのは一輪の美しい花だった。
「この砂漠の外れ、どこかにオアシスが存在する。その特定の場に咲くとされる希少な薬草の花です。これを手に入れていただければ、王への謁見が叶うように動きましょう」
横目でメリアの様子を窺うと、彼女は苛立ちを隠そうともせずにヴァンクールを睨みつけていた。
砂漠の中で限定的に咲く花を見つけてくる。もしかしたら、私たちを王都から離すための口実なのかもしれない。
「……必ず王に会わせると約束しろ。それと、お前たちが金輪際私たちのやり方に口を出さないことも同様だ」
メリアが随分と強気な言葉を言うのを聞いて、私は一驚した。
これ以上熱砂の騎士の好き勝手にはさせないとメリアは言ったことになる。私が失敗ばかり繰り返していたとしても、諦めず立ち向かうひたむきさが本当に頼りになる。
「ええ、構いませんよ。見つけられればの話ですが」
私とメリアは魔王を倒すために砂漠をやってきた。
そう、魔王を倒すため。この騎士よりも強い相手を、倒すため。
王都の外に飛び出た私たちを出迎えたのは、変わらぬ灼熱の大地だった。
一連のやり取りがあって、私たちは砂漠の中にいた。
王都から離れ、地図も持っていないため、あの時のような集落には辿り着けないまま。どう考えても、エルフの王は私たちを追い返したいだけだったのだろう。
「涼華、体は大丈夫か?」
「こっちは平気。メリアも無理だけはしないで」
言葉はお互い強がり混じり。
体は少なからず疲弊していて、無理難題には気が遠くなる。でも、ここはいつだって跳梁跋扈の砂漠。
横を歩くメリアが私の肩を掴んで動きを止めたのが開戦を知らせる法螺貝の代わりだった。
「魔力反応だ。かなり大きいぞ、気をつけてくれ!」
「ッ、了解!」
メリアの言葉と同時、砂に覆われた大地に凄まじい衝撃が走った。
凄まじい質量と共に奥から現れるのは、メリアの世界での呼び方がこれかはわからない——が、いわゆるスフィンクスと言う巨体だった。
「メリア、これは!?」
「魔力は感じるが、生物とは思えない。俗に言う幻想種とも違う……よくわからないがたぶん敵だ、戦闘準備!」
あまりに適当な分析に思わず苦笑してしまったが、そんな気の緩みも次の瞬間には引き締められることになる。
巨大なスフィンクスが、リザードマン一体分はあろうかという大きな口から魔力砲撃を放ってきたのだ。
「涼華!」
瞬きの間にメリアが私の体を抱えて空へと舞い上がらなければ、私は灰になっていたかもしれない。体から嫌な汗が出てくるのがわかった。
「無事か涼」
「後ろ!」
その無事を問う暇もなく、私たち目掛けて魔力の塊が放たれる。爆発的に昂る魔力は空に衝突すると、辺りに漂う雲を勢いのままに消し飛ばした。
「私が動く。涼華は攻撃による援護を頼む——『雷の翼』」
「わかった。『最初の灯火』」
私を抱えるメリアの背からは雷の翼が生え、私の手からは激しい炎が燃え上がる。炎と雷の魔力を認識したようで、スフィンクスは頭だけをこちらに向けた。
「メリア、来るよ!」
大きな口から放たれる高魔力。足元で雷の音がしたと共に、私の体はジェットコースターのように勢いよく空へ飛び上がった。攻撃の隙をついて回り込んだところで、私は右手から炎を解き放った。
「っ、効いてない!?」
しかし、その炎はスフィンクスを焼ききれなかった。固い装甲には焦げ一つ残らず、攻撃手段としては不十分であることが窺えた。代わりにやってくるのは、魔力を伴わないスフィンクスの体躯——。
「メリア、合わせて!」
迫り来る右の前脚を前にして、私が出したのは加速魔法の合図。メリアは意図を理解してくれたようで、私が口を開くと同時、彼女も言霊を口にする。
『一陣の風』
建物が消え去るほどの衝撃を受ける直前、私たちの体は一気に加速した。
視界が一瞬で流れていったのは雷属性の魔法が作用したためだろうか。ともかく、私たちは攻撃の回避に成功した。
「見かけによらずの高魔力と高火力。厄介だな」
「しかもあの装甲、単純な魔法が通じない。ここは退いた方が」
「……だが、この程度相手に退いていては魔王などとても相手にできないだろう。時間をかけたとしても攻略法を編み出して倒すべきだ」
でも、それで無駄に体力を使ってしまったら、それこそ本末転倒じゃない。
その言葉は私の喉まで出かかってきたが、続けて口にすることはできなかった。熱砂の騎士の時も同じように逃げてきて、戦いに勝利できたのはリザードマンが相手の時だけ。メリアの言い分に対して、私は反論できるだけの力と根拠を持ち合わせていなかった。
何も言い返せず言葉を詰まらせてしまう。ちょうどその時、スフィンクスの顔が静かに動くのが目の端に入った。
「メリア!」
「なっ——」
私が言った時にはもう遅かった。
スフィンクスの口から放たれる巨大なエネルギーは私たちを真っ直ぐに捉え、光のような速度で迫り来る。
どう足掻いても避けられない。メリアも私も詠唱が間に合わず、痛みを避けるための考えだけが浮かんでくる。しかし、それでも逃げられないと悟った瞬間、私の体を冷たい汗がつう、と伝った。
考えている間に、魔法は私の眼前まで迫ってきていた。
その時。
『真槍解放《ザ・ランツェ》』
巨躯のそれより何倍も速く。私の肌に魔法が到達するよりも遥かに先に。
スフィンクスの首に、長い槍が突き刺さっていた。
「自動人形相手に喧嘩売るなんて蛮勇なのね、お嬢ちゃんたち」
魔力で槍を引き抜き声をかけてきたのは、青色の髪の毛を持つ綺麗な女性だった。
軽々とした身のこなし、遠くからでもわかる洗練され尽くした魔力。敵か味方かもわからないその女性は、顔に妖艶な笑みを浮かべていた。
「……ネリネ? その顔、ネリネか!?」
「ん……メリア?」
一体何者か、再び戦闘になるのか。私の中に駆け巡る不安の全ては、彼女らの反応で消し飛ぶことになる。
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