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エピソード1:デッド・ハイツの日常
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真夏。飯山 和茶という青年が<デッド・ハイツ>という、やたらと家賃の安いアパートに入居した春は、何事もなく終わった。
──いや。何事かあった。その何事か、を語るには、時を遡らなければならない。それは、和茶が<デッド・ハイツ>に入居し、ご近所に挨拶回りをしていた時のことだった。両隣りの部屋が留守で、上の部屋を訪ねた和茶は、失神することになったのだ。やはり、家賃2万円には理由があったのだ。和茶が次に目を覚ますと、嶺想寺と目が合った。
どういう状況だ。和茶が自分の状況を把握するのに、たっぷり3分は必要だった。和茶は嶺想寺の膝に頭を乗せ、横になっていた。
「嶺想寺、さん?」
「うん。目が覚めたかな?」
「……生首」
思い出すだけでゾッとする。そう、和茶が訪ねた上の部屋の住人は──生首だった。顔まではよく見ていないが、首から下がなく、首から上だけが浮遊していた。そんな回想をしていると、またクラクラしてきた。暫くは嶺想寺の膝の上から動けないかもしれない。和茶の顔を覗き込む嶺想寺は嶺想寺で、色々と考えているところだった。
この彼をデッド・ハイツに入居させたのは間違いだったかもしれないなぁ、と。尋常じゃないくらいの怖がりだ。いくら生首と遭遇したからって、たっぷり3時間は意識を失ってしまうとは。幸いなことに、嶺想寺はすぐに生首……こと、咲田 山本からの電話が取れる状態だった。そして、咲田に言われた。たぶん、すぐに退居されますよ、と。
「飯山さん、お水とか飲む?」
「……生首」
「えーっと……彼は、咲田 山本さん。ちょっと変わっているよね」
「生首を変わっている、で済ませないでくださいよっ!!」
「変わっているよね、その、名前がさ」
そして、嶺想寺は和茶に事情の説明を求められた。和茶は嶺想寺の話次第では、即時退居、相葉の家に戻るつもりだった。嶺想寺が<デッド・ハイツ>には一般のアパートと違うところがある、と語り出した時、和茶は「生首を入居させるあんたが一番、一般的じゃない」と心の中でツッコんだ。そもそも、生首は目で見えるものなのだろうか、とも。
──いや。何事かあった。その何事か、を語るには、時を遡らなければならない。それは、和茶が<デッド・ハイツ>に入居し、ご近所に挨拶回りをしていた時のことだった。両隣りの部屋が留守で、上の部屋を訪ねた和茶は、失神することになったのだ。やはり、家賃2万円には理由があったのだ。和茶が次に目を覚ますと、嶺想寺と目が合った。
どういう状況だ。和茶が自分の状況を把握するのに、たっぷり3分は必要だった。和茶は嶺想寺の膝に頭を乗せ、横になっていた。
「嶺想寺、さん?」
「うん。目が覚めたかな?」
「……生首」
思い出すだけでゾッとする。そう、和茶が訪ねた上の部屋の住人は──生首だった。顔まではよく見ていないが、首から下がなく、首から上だけが浮遊していた。そんな回想をしていると、またクラクラしてきた。暫くは嶺想寺の膝の上から動けないかもしれない。和茶の顔を覗き込む嶺想寺は嶺想寺で、色々と考えているところだった。
この彼をデッド・ハイツに入居させたのは間違いだったかもしれないなぁ、と。尋常じゃないくらいの怖がりだ。いくら生首と遭遇したからって、たっぷり3時間は意識を失ってしまうとは。幸いなことに、嶺想寺はすぐに生首……こと、咲田 山本からの電話が取れる状態だった。そして、咲田に言われた。たぶん、すぐに退居されますよ、と。
「飯山さん、お水とか飲む?」
「……生首」
「えーっと……彼は、咲田 山本さん。ちょっと変わっているよね」
「生首を変わっている、で済ませないでくださいよっ!!」
「変わっているよね、その、名前がさ」
そして、嶺想寺は和茶に事情の説明を求められた。和茶は嶺想寺の話次第では、即時退居、相葉の家に戻るつもりだった。嶺想寺が<デッド・ハイツ>には一般のアパートと違うところがある、と語り出した時、和茶は「生首を入居させるあんたが一番、一般的じゃない」と心の中でツッコんだ。そもそも、生首は目で見えるものなのだろうか、とも。
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