抜けるような青空

笠原久

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第三章

降下大山1

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 シュゼットはひとしきりリックの猫耳を堪能すると、イスから立ち上がった。

「いったん空挺宿に戻るわ」

「どうして?」

 リックは不思議そうな顔をした。

「地上に行くまでは、ここで過ごしても問題ないはずでしょ?」

「荷物を取りに戻りたいのよ。宿に置きっぱなしだから。明日以降でもいいんだけど、鍵をかけてあるとはいえ、どうもこの浮遊島はガラの悪いのがいるようだし、回収しておいたほうが安心できるの。それにあなたが倒した空挺手も放ったらかしにしてしまったし、魔術協会の動きも気になる……今のうちに様子を見ておきたいのよ」

 リックは腕組みをして、しばらく考えたあと、

「わかった。でも僕もついて行くよ?」

「もちろん、かまわないわ。というか、ぜひそうしてほしいのだけど? わたし、どこかの誰かさんに運ばれたせいで、現在地がさっぱりわからないのよ。それでなくても夜の森を一人でさまようなんて御免だわ」

 シュゼットは助けを求めるようにリックを見た。リックは目を丸くして、じっとシュゼットを見たあと、気まずそうに頬をかいて、床に置いたローブを手に取った。

「わかった。ちゃんと連れていくよ」

 リックはローブを着てフードをかぶると、シュゼットと一緒に外へ出た。魔女の家を出るとき、猫たちが玄関に集まってきて、にゃあと鳴いた。

 リックはちらっと振り返ると、尻尾を左右に振って別れの挨拶をした。

 小さな庭園の、石畳の道を歩いて、結界の外へと向かった。魔女の家は特殊な結界で守られていて、入るときはなんらかの合言葉が必要だと言われている。

 最初にリックがぼそぼそとつぶやいていたのがそれなのだろう。シュゼットはこの庭に入ったときのことを思い出して、そう見当をつけた。

 それから、彼女は結界の外に目を向けた。外部は深い森のなかだ。月の明かりさえも射さない暗闇のはずなのに、内側から見るととても明るかった。

 おそらくこの空間の明かりが漏れているせいだろう。

 真昼のように草木の一本一本までがはっきりと見えた。しかし、遠くまで見渡せるわけではなく、距離が離れると光が届かなくなってしまう。

 リックはシュゼットの手を引いて歩いた。結界の境目まで来ると、彼は素早く何事かをつぶやいて出て行った。

 やはり出るときも合言葉が必要であるらしい。勝手に結界から出ることはできないようだ。

 シュゼットは、またしてもあの水中にもぐったときのような奇妙な感触を全身で味わいながら、結界の外へ出た。服や髪がずぶ濡れになってしまったのではないかと錯覚させるほどの強烈な感覚だったが、衣服は乾いたままだ。

 しかし、彼女は驚愕して足を止めた。真っ暗闇で、何も見えなかったからだ。

 一瞬、自分が盲目になったのではないかと焦った。しかし、直後にリックの落ち着き払った、

「どうしたの?」

 という声が聞こえてきて、シュゼットは心の平静を取り戻した。

 彼女はゆっくりと意識を集中させて、手のひらから光を生んだ。球状の光は、あたりをぼんやりと照らし出した。シュゼットは自分の腕を見て、ほっと息を吐いた。

 別に盲目になったわけではなく、単に暗いところに来て目が見えなくなっただけだ。

 リックは不思議そうに首をかしげていたが、シュゼットは気にせず振り返って魔女の家を見た。光を強め、光球の位置を高くする。照射範囲を広くすることで、全貌を把握しようとしたのだ。

 驚いた。シュゼットはあんぐりと口を開けて、呆然と魔女の家を見る。

 森の巨木が、魔女の家の建物や植木を貫通していたからだ。明かりで照らすと、魔女の家の異様な風貌はより際立って見えた。

 二階建ての家屋や庭園はそのままなのに、まるでそれらをすり抜けるようにして――否、実際に木々が家をすり抜けて伸びていたのだ。木々だけではない。下生えなどもそのままで、花壇の花や植木と折り重なっていた。

 建物の外壁からは枝が生えていて、屋根をぶち抜いて、大きな幹が天を衝くように伸びていた。だが、屋根や壁に壊れたところはまったく見当たらず、まるで最初からそういう造りだったかのようだ。

 家には明かりが灯されておらず、まるで死んで打ち棄てられたかのようにしんと静まり返っている。虫のささやきが耳に残るほど、この家からは生き物の気配がしない。

 そのくせ、妙に手入れのされた庭や、綺麗な外壁が目について、見るものにこの家の異常性を知らせていた。

 仮に旅の途上でこんな家に遭遇したら、まず近づこうとしなかっただろう。

 リックは魔女の家の結界に手をふれると、目を閉じた。何かを念じているようだ。

 しばらくすると、家は手のひらに収まるほどに小さくなってしまい、あとには、さっきまで見えていた森の木々や下生えだけが残った。家が建っていた痕跡は、どこにも見いだせない。

 魔女の家など最初から存在しなかったかのようだ。

「行こうか」

 リックは小型化した魔女の家をしまうと、シュゼットの体を抱き上げて走り出した。ものすごい勢いで光球が遠ざかっていき、あっという間に周囲は暗闇に包まれる。

 シュゼットはリックにしがみついて、正面から来るすさまじい風圧に耐えながら、光球を自分の手許に戻そうと努力した。

 が、ダメだ。リックのほうが速い。

 結局、森を出る前にシュゼットはあきらめた。はるか後方にある光球を消し、シュゼットはリックの体にぎゅっと抱きついて目を閉じた。冷や汗が吹き出るほどの速度だ。

 だが、シュゼットには不思議な安心感があった――この子に身を任せていれば大丈夫だ、という奇妙な確信が。

 来たときと同じように、帰りも迅速だった。すぐに都市まで帰り着いて、二人は空挺宿へ向かった。

 シュゼットはリックに、とにかくおとなしくしているように、応対はすべて自分がするから黙っているように、と伝えた。

 リックはフードの下で、わかった、と神妙な顔でうなずいた。周囲に素早く目を走らせている。もちろん視覚だけでなく、聴覚も活用して探っていた。

「あんまりきょろきょろしないの。それと」

 と言って、シュゼットはリックの頭に手を置いた。

「耳がまた動いてるわ。絶対に動かすなとは言わないけど、さすがに人が多いところではバレないように注意してちょうだい。勘のいいやつなら気づくわ」

「わ、わかったよ……」

 二人は都市の外周をなぞるようにして、わざと貧民街のほうから空挺宿へ向かった。まっすぐ中央を突っ切らなかったのは、魔術協会本部や高級住宅街を避けるためだった。

 都市の中心部分は明かりが多く、治安もいい。どこの浮遊島へ行っても、たいていは夜店が開いていて賑わっている。この浮遊島も例外ではないだろう。人目につく。

 もうひとつの理由は、リックが倒した空挺手たちのことだった。

 まだあの場に倒れているのか、それともすでに目覚めてどこかへ行ったか、あるいは誰かに助けられたか。

 あの空挺手たちは、リックと交戦している。リックが魔力を使わず戦っていたことに気づいたはずだ。

 あの場から離れることばかり考えていて、深く気にしていなかったが、ひょっとしたら地上の民だと感づかれたかもしれない。

 魔術協会に報告されるだけなら、まだいい。そこから魔女の夜会にも情報が行ったら厄介なことになる。

 まだあの場で伸びているなら、拘束するなりしておいたほうが安全だ。

 そう考えていたのだが、さすがに時間が経ちすぎていた。すでにあの路地裏に空挺手たちの姿はなく、どこかへ行ってしまっていた。

 宿に戻ったか、魔術協会か、あるいは誰かの家にでも転がり込んだか……。

 いずれにせよ、いないものは仕方がなかった。

 シュゼットは気持ちを切り替えて、自分の泊まっている空挺宿の間近までやって来た。暗がりに身をひそめて、シュゼットは宿を見ながら静かに魔術を発動させようとした。

 そこで、はたと気づいて彼女はリックのほうを見やった。

「もしかして、ここからでも空挺宿の一階がどうなってるかわかる?」

「どうって?」

「音は聞こえる? たとえば、店内の客が何人残っているかとか……」

「それくらいなら」

 と言って、リックはフードの下の耳を動かした。

「んーと……全部で二二人かな。座っているのが十七人、立っているのと歩きまわっているのが五人。男が十五人で、女が七人だね。座っている人は、まず扉近くに三人、その右横に二人、左隣に一人、その奥に――」

「わ、わかったわ。もういいから……」

「そう?」

 リックは不思議そうにシュゼットを見上げた。

「とりあえず、何人残っているかだけでも知りたかったの。結構みんな遅くまで起きてるものね。これなら魔女の家を出るの、もっと遅くてもよかったかしら」

 そうぼやきつつ、シュゼットは内心で舌を巻いていた。ちょっとした思いつきだったが、とんでもない聴力だ。まさか人数どころか、位置や性別まで把握できるとは思わなかった。

 リックの――というより、フェーレースやクニークルスの能力は、人間の想像のはるか上を行っているのかもしれない。

「ちなみにあなたが倒した空挺手たちの気配はある?」

「ないよ」

「そう……。それじゃ数が減ったら教えてくれる? 客がいなくなってからのほうが色々と好都合なのよね」

 二人はそのまま宿の近くの暗がりにひそみ、静かに時が過ぎるのを待った。

 リックは誰かが階段を登る音を耳にするたびに知らせてきた。シュゼットはうなずき、客の数が減っていくのをじっと待っていた。

「座っていたのはこれで最後かな? まだ立っているのが二人いるけどね。一人は掃除、もう一人もグラスか何かを磨いている音かな、これは」

「頃合いね」

 シュゼットは立ち上がり、空挺宿の扉をくぐった。リックも慌てた様子でついて来る。

 宿の主人は、シュゼットとリックの姿を見ると、意外そうに息を吐いて出迎えた。

 床にモップをかけていた従業員は、ちらりと入ってきた二人を見たが、すぐに無関心な表情で掃除を再開した。床をふく静かな音が店内に響いていた。

「戻って来ないから、とっ捕まっちまったのかと思ったよ」

 宿の主人はグラスをカウンターに置くと、落ち着いた声でそう言った。

「突然で申しわけないんだけど、今日でこの宿を引き払うことにしたわ」

 シュゼットが近づいて言うと、宿の主人はとぼけた調子で首をかしげた。

「ほう? そりゃまたいったい、どうしてだい? あのごろつきなら、きっと戻って来ないと思うよ。服装を見るに、一方的にやっちまったんだろ? 汚れすらついてないもんなぁ。そんな実力者相手に、わざわざ報復しに来ることはないと思うがねぇ」

 シュゼットは黙って金貨を五枚、カウンターのうえに置いた。

「そっちの彼にも一枚あげてちょうだい。急な変更のお詫びよ」

 宿の主人は金貨を一枚手に取ると、ランプの明かりに透かすようにして見つめた。光が反射して、金貨がきらめく。

 それから指先で弾くようにして従業員のほうへ投げた。短く音を立てた金貨は、掃除をしていた従業員の手に音もなく収まった。

 従業員はシュゼットに向かって一礼すると、店の奥へ入っていった。宿の主人は口元に笑みを浮かべると、残りの金貨をさっと手に取った。

「実はお前さんが出て行ってからしばらくして、魔術協会の警邏隊が来たんだ」

「自警団じゃなくて?」

「警邏隊のほうだ。さすがに動きが早い。とんでもなく強い妙なガキがいて、そいつが六人の空挺手があっという間に倒したって話でな……。現場を見ていた貧民街の目撃者によると、人間離れした動きをする子供だったそうだ」

 リックが体をこわばらせたのが気配でわかった。

 シュゼットは落ち着かせるようにリックの頭に手を置いた。宿の主人はそんな様子を楽しそうにながめていた。

「警邏隊は、その件でうちに話を聞きに来たんだ。なにしろぶちのめされたのは、うちに泊まっている客だったからな。それに、その子供は事件直前にここへ立ち寄っていたらしい。いやぁ、いったいどこの誰なんだろうな? 俺には見当もつかんよ」

 宿の主人は白々しい笑みを浮かべた。

「それと、警邏隊は変な女の話もしていたよ。空挺手たちをぶちのめしたあと、どこからともなく若い女がやって来て、その子供を連れてどこかへ行っちまったらしくてな。目下、警邏隊は事情を聞こうと捜索中だそうだ」
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