超魔人C'NEミュージアン -CHOUJIN CODENAME MUSIAN-

黒鉄ライドウ

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第一話 魔法界から来た少年

魔法使いの少年

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アルトは急いでバギーを全速力で走らせていた。それはなぜか?

『そこの君!!!今すぐ止まりなさい!!!』

後ろから二台くらいのパトカーがアルトの乗るバギー、

正確に言えばアルトの唯一の使い魔である車輪猫(カーキャット)のクロマルを追いかけてきている。

当然だ、7歳の子供がバギーを免許もなしに運転してなおかつ高速道路を走っていたらそりゃこうなる。

「ヤバいヤバい!!捕まったら牢屋に入れられちゃう!!クロマル急ぐよ!!」

「ニャ!!♪」

クロマルはアルトの呼びかけに答えて走りのスピードを上げる。

「なんですかあのスピード?本当に子供用のミニバギーですか?軽く90km以上出てますよ?」

「そんな事はわかってる!そんな事より今はあの子を保護する事が先決だ!!追うぞ!」

警察の方もアルトを捕まえようと躍起になってきた。パトカーのスピードもどんどん上げて迫ってきている。

「どうしよう!このままじゃ追いつかれる!」

何か手はないか、そう考えるアルト。

あっ、言い忘れたのだが、このアルト、トンガリ帽子の格好に使い魔を連れている時点で気づいた人もいるだろうが、彼はなんと別の異世界、マジョリーナから人間界にやってきた魔法使い、それもとある国の王子なのである。

訳あって国を出て現代の日本にやってきて、こうして今は放浪の旅をしている最中であった。

とこんな事を呑気に言っている場合ではない。なんとかこの状況を打破しなければならない。

アルトは頭を捻って考えた。その結果、

「クロマル!あの森に逃げるよ!」

「ニャ~!!」

高速道路の脇の森に向かってハンドルをきりそのまま森の中へと突き進む。

「ちょ!?あの子森の方へ突っ込んでいきますよ!?」

「何!?確かあの先は……止めろ!!今すぐ!!」

「無理です!間に合いません!!」

警察の制止も間に合わず、アルトを乗せたクロマルは道路沿いの森の方向へと一直線に進んで行った。

が、アルトは知らなかった、その先が道のない崖である事に。

「えっ?」「ニャ?」

そして二人はそのまま真っ逆様に崖下の池に落ちてしまったのだった。



そしてその後、

「ハァ~……酷い目にあった……」

「ニャ~……」

あの後、なんとか岸に這い上がったが、身体はもうびしょびしょだった、夏だというのにこのままじゃ風邪を引いてしまう。

「うぅぅ……寒い……どこかに温まれる場所は……」

そう林の中を歩いていると、林の先に川が見えた。アルトとクロマルは駆け出して行き、どこかのキャンプ場だろう場所へと辿り着いた。

「しめた、キャンプ場なら薪とかあるはずだちょっと使わせてもらおう」

「ニャ~?」

「大丈夫だよクロマル、もし人に見つかったらお金払えばいいんだし」

「ニャ!♪」

そうしてアルトとクロマルはその辺にある薪を集め始めたのだった。



そして、30分後、ある程度集め終えたアルト達は薪を焚き始める。

薪を立てかけ、木の棒にナイフで切り込みをいれフェザースティックと呼ばれる火をつけやすい状態にして、腰につけたカバンからある物を取り出した。

それは模様のついた色を合わせるキューブのおもちゃのような物体を、それを操作して模様を合わせると鳥の模様が浮かび上がる。

『フライングバード』

キューブから音声のような声がするとキューブが変形していき最終的に鳥のような形になっていき、

「キィー!!」

動き出した。これは人造使い魔ファミリアンキューブと呼ばれる代物でクロマル以外の使い魔と契約できなかったアルトのために発明家である叔父が作ってくれた魔法道具(マジックアイテム)である。

その中でフライングバードは先程フェザースティック状にした木の棒に口から火を吹き、着火させる。

着火した木の棒を薪の中に入れて火はだんだんと燃え盛り、あっという間に焚き火の出来上がりだ。

「よし!これで服を乾かせられるぞ!クロマル!あたたまれるよ!」

「ニャ~♡」

クロマルはあたたまるように焚き火に近づき、アルトも着ている服を脱いで全裸になると焚き火に当たらない程度の距離に置いて乾かし始める。

「そういえばここどこまできたんだろう?」

アルトはカバンの中からまたアイテムを取り出した。

魔法界で使われるスマホのような端末、マジョリーフォン、それで地図アプリをタップすると地図が映し出され現在地を示していく。

「次の街までもうすぐそこか……」

アルトは考えた、高速道路を使いたいけどまた警察に追われてしまったらまずいだろうし、現在午後4時、だからといってこの時間から下道を通っていったら街に着く前に日が暮れてしまう。

「仕方ない、今日もここで野宿するか」

とりあえず服が乾いたら管理人の所に言ってキャンプの代金を払う。

その後テントをはって午前中に買っておいたカップ麺でも食べる。

そんな感じで今後の予定を考えながらアルトは焚き火に手を当てあたたまり始めたのだった。



服が乾いたので早速服を着て管理人のいる小屋を目指すアルト。

でも何日も野宿だったからそろそろ自分も臭うかもしれない。管理人が嫌な顔しないか心配だ。

(次の街についたらまずコインランドリーで服を洗ってから銭湯に行こう)

そう決めたときだった。

「おい佐藤、金くんね?」

声のする方に視線をやるとジャージ姿のガラの悪い男女数名が、同じジャージ姿の気弱そうな男子一人に群がっていた。
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