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陰謀篇
第55話 学園──初めての体験
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スキンヘッドさんは木剣を手にとって私たちに向き直ると同時に木剣を構える。
「試験官は俺だ。冒険者になるに相応しいだけの戦闘力を示せたら合格」
「わざと厳しくしたりは?」
「しねぇよ。優秀な人材はいくらでも欲しいからな。さ、どこからでも来い」
「では私から」
名乗り出たのはレイネーだった。てっきり冒険者登録をしないものだと思っていたので驚いた。
「其は始まりの炎。生ける全ての者に混沌と希望を与えし聖なる力。我が身に宿る魔力を糧として、其の偉大なる御力を示し給え」
魔法の詠唱を始めるレイネーに目を覆いたくなる。その行動はまるで、魔の十三歳で罹患する病の患者────中二病患者のようだ。この世界では当然の魔法詠唱も私から見れば恥ずかしいものこの上なく、生暖かい視線を送らざる得ない。
「ファイアボール!」
痛い痛い痛い!
私が心の中で絶叫しているのとは裏腹に、周囲の冒険者たちは感嘆の声を上げた。それはレイネーの周囲に炎が浮かび上がり、試験官のスキンヘッドさんに飛んでいったからだ。
飛んで行ったファイアボールの威力は強くはなかったが、五つの炎が同時に迫ってくるのを捌ききれなかった試験官のスキンヘッドさんは右肩に小さな火傷を負った。
「ご、合格だ。次!」
痛みに顔を歪めながら言うスキンヘッドさん。レイネーは魔力を消費しすぎたのか、その場で座り込んでしまったのでユダーナに抱えられて来た。次に名乗りを上げたのはメフィアだ。
「よろしくお願いします」
そう言って両手にクナイのようにナイフを握る。次の瞬間、メフィアの姿は消えてなくなりスキンヘッドさんの背後に居た。そしてナイフをスキンヘッドさんの首筋に当てている。
これは身体を鍛えている上に風魔法が得意なメフィアだから出来る技だ。風魔法で速度を上げるとバランスが崩れやすいのだが、それを身体を鍛えることで補っているのだ。つまり風魔法が得意なだけでは出来ないのだ。ちなみに自分に魔法をかけるのは高等技術で、その域に達している者自体が少ない。
「ご、合格。次!」
次はルーシーだ。ルーシーは腰に刺さっている剣を抜いて構える。その瞬間に威圧感が試験場を包み込む。呼吸するのさえ辛いような威圧感だ。
「ま、待て。あんたは合格で良い」
「へ?」
そう言われたルーシーは間抜けな声を出す。
「嬢ちゃんは剣の構えに隙きがないし、威圧感も歴戦の猛者みたいだ。確実に合格ラインは超えている」
「……まぁ、合格なら良いか」
ルーシーは少し不満げに剣を納めた。そしてついに私の番が回ってくる。
「よろしくお願いします」
「おうよ」
スキンヘッドさんが構える。見れば見るほど隙きのない構えだ。私は地面を蹴って頭上から奇襲をかけようとした。刹那、光が私の目に差し込み目が眩む。
「ぐっ!」
スキンヘッドさんはその隙きを見逃さず木剣を振るってきた。その木剣をすれすれで避けて背後に回るが、メフィアの後だからか背後にも警戒していて、スキンヘッドさんはすぐに飛び退く。距離を取られてしまったので一度仕切り直ししようと思った刹那、スキンヘッドさんが間合いを詰めてきた。
私は後ろに飛び退くが、私が離れるたびにスキンヘッドさんは間合いを詰めてくるので、気づけば背後には壁が来ていた。
「チッ!」
仕方ないので大きく踏み込んでスキンヘッドさんの腕を捕まえ、一本背負いを決める。投げられたスキンヘッドさんは何が起こったのか理解できていない様子で空を仰いでいた。
「あの、大丈夫ですか?」
私が手を差し出すとスキンヘッドさんは「あ、あぁ」と言って手を掴み、立ち上がる。
「合格だ」
「あぁ、良かった。他の皆と違って一撃目を防がれたから駄目かと思った」
「一撃目を? 防いだか?」
「え? 奇襲をかけようとしたら光が目に入って来ました。あれは光魔法ではないのですか?」
「光……?」
スキンヘッドさんが不思議そうにしていると女冒険者が吹き出すように笑う。それにつられて他の冒険者たちも笑い出す。そこで私も気がついた。あの光は魔法ではなく、スキンヘッドさんの頭に反射した太陽光だったのだ。
「マスター。頭だよ、頭!」
「ありゃ確かに光魔法だ! 反射反射!」
「ダハハハッ!」
スキンヘッドさんは顔を真っ赤にして冒険者たちを怒鳴った。
「てめぇらいい加減にしろ!」
その様子だと自分でスキンヘッドにしているのではなく、禿げているのだろうか。私は小さな声でスキンヘッドさんを呼び、鞄の中から小瓶を取り出して渡した。
「あの、良かったらこちらをどうぞ」
スキンヘッドさんは不思議そうに瓶を眺める。
「何だこれは?」
「髪の毛に良い成分が入った液です。私の髪の手入れ用なのですが育毛剤にもなるので、よかったら使って下さい。えっと……スキンヘッドさん?」
その言葉に更に笑い声が大きくなる。
「スキンヘッドさん! スキンヘッドさんだってよ!」
「育毛剤!」
周囲の反応が更に過激になり、私がおろおろしているとスキンヘッドさんが優しく方に手を置く。
「気にするな、嬢ちゃんのせいじゃない」
そう言われると焦った気持ちが落ち着く。落ち着いた私が皆の元へ戻ると、ユダーナが俯いたまま肩を揺らしていた。
「ゆ、ユダーナ?」
「……っ…………禿げっ……」
何か言っているが声が小さくて聞こえない。しかしスキンヘッドさんは地獄耳のようで、ユダーナが何か言ったあとに大声で叫んだ。
「聞こえてるぞ! ユダ!」
その叫び声にユダーナの身体が跳ねた。
「そ、それよりマスター。合格なら冒険者登録をして薬草摘みに行っても良いだろ?」
「ん? そうだな」
誤魔化すように言うユダーナの言葉で思い出したように言うスキンヘッドさん。その後、無事冒険者登録が出来た私たちは薬草摘みに行くことになった。
「ここらで始めようか」
連れてこられたのは王都のすぐ側の林。魔の森ではないが、数キロ先に魔の森があるので遠くはない。一応冒険者の保護者が居なければ進入禁止とされている。国が責任を負わされることのないようにするための処置だ。
「採取する薬草は火傷に効く薬になるヒトツバだ。全草採取だから根っこまで綺麗に採取するように。とりあえず一人一束だ」
女冒険者が説明し終わると早速、薬草採取を始める。実際に薬草採取をやってみると難しい。岩に這うように生えている薬草で、当然岩の周辺の地面は硬いから気を抜けば根だけ残してしまう。そんな薬草を一束────つまり十本集めなければならない。つまり意外と疲れる。
「……ハァ~ッ!」
薬草を探しては抜いてと続けること一辰刻。集めた薬草を洗って冒険者ギルドに提出した私たちは広場のベンチで休んでいた。気づけは日は少し傾いている。
「意外と疲れるのね」
「まぁ、小遣い程度とは言え賃金が発生するからね。軽重はあれど労働は労働」
ユダーナの言葉に私たちは頷いた。そんなユダーナというと、流石は冒険者ギルドで働いていた経験があるといったところで、私たちとは比べ物にならない速さで薬草を見つけていた。見るけるのも抜くのも処理するのも格段に速く、丁寧だ。
「自分の小遣い程度は自分で稼がないとって思ってたけど、放課後に冒険者活動で稼ぐのは無理かも……」
毎日学園で勉強して放課後は冒険者活動など、とてもではないが体力が保たない。
「そろそろ戻ろうか。新入生歓迎会の準備もしないといけないだろうし」
「あっ、そっか」
ユダーナが言うまですっかり忘れていたが、この後に新入生歓迎会があるのだ。気のせいか身体が重い。
「あぁ、もう少し余力を残しておくべきだった……」
ルーシーやメフィアも心做しか程度ではあったが一気に表情が暗くなった。レイネーに至っては血の気が引いている。レイネーは冒険者登録で魔力を殆ど使ってしまった上で薬草採取をしたので疲れの比は私たちとは比べ物にならないだろう。そう思うと不憫で仕方ないが、いつまでもグダグダしていても意味がないので、私たちは制服に着替え直して学園へ向かうことにした。
「試験官は俺だ。冒険者になるに相応しいだけの戦闘力を示せたら合格」
「わざと厳しくしたりは?」
「しねぇよ。優秀な人材はいくらでも欲しいからな。さ、どこからでも来い」
「では私から」
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「ファイアボール!」
痛い痛い痛い!
私が心の中で絶叫しているのとは裏腹に、周囲の冒険者たちは感嘆の声を上げた。それはレイネーの周囲に炎が浮かび上がり、試験官のスキンヘッドさんに飛んでいったからだ。
飛んで行ったファイアボールの威力は強くはなかったが、五つの炎が同時に迫ってくるのを捌ききれなかった試験官のスキンヘッドさんは右肩に小さな火傷を負った。
「ご、合格だ。次!」
痛みに顔を歪めながら言うスキンヘッドさん。レイネーは魔力を消費しすぎたのか、その場で座り込んでしまったのでユダーナに抱えられて来た。次に名乗りを上げたのはメフィアだ。
「よろしくお願いします」
そう言って両手にクナイのようにナイフを握る。次の瞬間、メフィアの姿は消えてなくなりスキンヘッドさんの背後に居た。そしてナイフをスキンヘッドさんの首筋に当てている。
これは身体を鍛えている上に風魔法が得意なメフィアだから出来る技だ。風魔法で速度を上げるとバランスが崩れやすいのだが、それを身体を鍛えることで補っているのだ。つまり風魔法が得意なだけでは出来ないのだ。ちなみに自分に魔法をかけるのは高等技術で、その域に達している者自体が少ない。
「ご、合格。次!」
次はルーシーだ。ルーシーは腰に刺さっている剣を抜いて構える。その瞬間に威圧感が試験場を包み込む。呼吸するのさえ辛いような威圧感だ。
「ま、待て。あんたは合格で良い」
「へ?」
そう言われたルーシーは間抜けな声を出す。
「嬢ちゃんは剣の構えに隙きがないし、威圧感も歴戦の猛者みたいだ。確実に合格ラインは超えている」
「……まぁ、合格なら良いか」
ルーシーは少し不満げに剣を納めた。そしてついに私の番が回ってくる。
「よろしくお願いします」
「おうよ」
スキンヘッドさんが構える。見れば見るほど隙きのない構えだ。私は地面を蹴って頭上から奇襲をかけようとした。刹那、光が私の目に差し込み目が眩む。
「ぐっ!」
スキンヘッドさんはその隙きを見逃さず木剣を振るってきた。その木剣をすれすれで避けて背後に回るが、メフィアの後だからか背後にも警戒していて、スキンヘッドさんはすぐに飛び退く。距離を取られてしまったので一度仕切り直ししようと思った刹那、スキンヘッドさんが間合いを詰めてきた。
私は後ろに飛び退くが、私が離れるたびにスキンヘッドさんは間合いを詰めてくるので、気づけば背後には壁が来ていた。
「チッ!」
仕方ないので大きく踏み込んでスキンヘッドさんの腕を捕まえ、一本背負いを決める。投げられたスキンヘッドさんは何が起こったのか理解できていない様子で空を仰いでいた。
「あの、大丈夫ですか?」
私が手を差し出すとスキンヘッドさんは「あ、あぁ」と言って手を掴み、立ち上がる。
「合格だ」
「あぁ、良かった。他の皆と違って一撃目を防がれたから駄目かと思った」
「一撃目を? 防いだか?」
「え? 奇襲をかけようとしたら光が目に入って来ました。あれは光魔法ではないのですか?」
「光……?」
スキンヘッドさんが不思議そうにしていると女冒険者が吹き出すように笑う。それにつられて他の冒険者たちも笑い出す。そこで私も気がついた。あの光は魔法ではなく、スキンヘッドさんの頭に反射した太陽光だったのだ。
「マスター。頭だよ、頭!」
「ありゃ確かに光魔法だ! 反射反射!」
「ダハハハッ!」
スキンヘッドさんは顔を真っ赤にして冒険者たちを怒鳴った。
「てめぇらいい加減にしろ!」
その様子だと自分でスキンヘッドにしているのではなく、禿げているのだろうか。私は小さな声でスキンヘッドさんを呼び、鞄の中から小瓶を取り出して渡した。
「あの、良かったらこちらをどうぞ」
スキンヘッドさんは不思議そうに瓶を眺める。
「何だこれは?」
「髪の毛に良い成分が入った液です。私の髪の手入れ用なのですが育毛剤にもなるので、よかったら使って下さい。えっと……スキンヘッドさん?」
その言葉に更に笑い声が大きくなる。
「スキンヘッドさん! スキンヘッドさんだってよ!」
「育毛剤!」
周囲の反応が更に過激になり、私がおろおろしているとスキンヘッドさんが優しく方に手を置く。
「気にするな、嬢ちゃんのせいじゃない」
そう言われると焦った気持ちが落ち着く。落ち着いた私が皆の元へ戻ると、ユダーナが俯いたまま肩を揺らしていた。
「ゆ、ユダーナ?」
「……っ…………禿げっ……」
何か言っているが声が小さくて聞こえない。しかしスキンヘッドさんは地獄耳のようで、ユダーナが何か言ったあとに大声で叫んだ。
「聞こえてるぞ! ユダ!」
その叫び声にユダーナの身体が跳ねた。
「そ、それよりマスター。合格なら冒険者登録をして薬草摘みに行っても良いだろ?」
「ん? そうだな」
誤魔化すように言うユダーナの言葉で思い出したように言うスキンヘッドさん。その後、無事冒険者登録が出来た私たちは薬草摘みに行くことになった。
「ここらで始めようか」
連れてこられたのは王都のすぐ側の林。魔の森ではないが、数キロ先に魔の森があるので遠くはない。一応冒険者の保護者が居なければ進入禁止とされている。国が責任を負わされることのないようにするための処置だ。
「採取する薬草は火傷に効く薬になるヒトツバだ。全草採取だから根っこまで綺麗に採取するように。とりあえず一人一束だ」
女冒険者が説明し終わると早速、薬草採取を始める。実際に薬草採取をやってみると難しい。岩に這うように生えている薬草で、当然岩の周辺の地面は硬いから気を抜けば根だけ残してしまう。そんな薬草を一束────つまり十本集めなければならない。つまり意外と疲れる。
「……ハァ~ッ!」
薬草を探しては抜いてと続けること一辰刻。集めた薬草を洗って冒険者ギルドに提出した私たちは広場のベンチで休んでいた。気づけは日は少し傾いている。
「意外と疲れるのね」
「まぁ、小遣い程度とは言え賃金が発生するからね。軽重はあれど労働は労働」
ユダーナの言葉に私たちは頷いた。そんなユダーナというと、流石は冒険者ギルドで働いていた経験があるといったところで、私たちとは比べ物にならない速さで薬草を見つけていた。見るけるのも抜くのも処理するのも格段に速く、丁寧だ。
「自分の小遣い程度は自分で稼がないとって思ってたけど、放課後に冒険者活動で稼ぐのは無理かも……」
毎日学園で勉強して放課後は冒険者活動など、とてもではないが体力が保たない。
「そろそろ戻ろうか。新入生歓迎会の準備もしないといけないだろうし」
「あっ、そっか」
ユダーナが言うまですっかり忘れていたが、この後に新入生歓迎会があるのだ。気のせいか身体が重い。
「あぁ、もう少し余力を残しておくべきだった……」
ルーシーやメフィアも心做しか程度ではあったが一気に表情が暗くなった。レイネーに至っては血の気が引いている。レイネーは冒険者登録で魔力を殆ど使ってしまった上で薬草採取をしたので疲れの比は私たちとは比べ物にならないだろう。そう思うと不憫で仕方ないが、いつまでもグダグダしていても意味がないので、私たちは制服に着替え直して学園へ向かうことにした。
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