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13 上級ポーション
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「おめでとう! 在学中に上級ポーションを作れるまでになった生徒は久々ですよ!」
薬草学校に入学したのが、つい最近のように思えるが、そろそろ卒業も近い季節……私はついに上級ポーションを作り出すことに成功した。
初級ポーションの材料で中級ポーションを作り出すのとは違い、中級ポーションの素材から上級ポーションを作り出すのは至難の業だった。
いや、それ以前に上級ポーションの素材から上級ポーションを作るのすら難しく、たった一本を作り出すのに一年以上の研鑽が必要だったわ。
「ありがとうございます。先生たちの教えがなかったら、とてもではないですが作れませんでしたわ」
「いやいや、貴女の勤勉な姿勢があればこそ。貴女に影響を受けたのかミシェルも中級ポーションを作れるまでになりましたし、貴女たちの代は優秀ですよ」
「でも先生、私はマリーのように上級ポーションは結局作れませんでした」
「ミシェル……上級ポーションは薬草学校の教師でも実技担当の数人しか作れません。おそらく国中の薬師を集めても100人に1人作れるかどうかでしょう。薬師としては、中級ポーションを作れれば十分なのですよ」
先生の言葉にミシェルはホッとしているけれど、私は戦々恐々だ。
だって、母の手記には嫁ぐ前の実家では、上級ポーションを大量に作らされていたと書いてあった。
ということは、母は上級ポーションを作れる腕前だっていうことは母の実家は知っているわけだし、もちろんお父様も知っているだろう。
「先生、上級ポーションの需要はどのくらいなのでしょう?」
「そこまで多くはないですね。供給が少ないので、求めても手に入りにくいということもありますが、そもそも素材も売値も高価なものですから」
なるほど。上級ポーションを作れる薬師ともなれば、お父様の警戒網に引っかかるかもと思ったけれど、そもそも需要が少ないのなら作成する機会もないかもしれない。
ま、そもそも上級ポーションは作成材料を集めるのも手間だし、一日に作れる本数が限られるから、薬師として生きるなら中級ポーションが主力になるしね。
「こちらの上級ポーションはどうしましょう? いつものように商業ギルドで鑑定してもらって、冒険者ギルドに販売したほうが良いですか?」
「そうですね、学長への報告は報告書がありますから、マリーの好きなようにしてかまいませんよ」
上級ポーションを販売する危険性はあるけれど、私の実力では上級ポーションを長年保たせるような保存魔法はムリだし、売るにせよ保管するにせよ、商業ギルドで鑑定してもらうのは確定かな?
そんなわけで慣れ親しんだ商業ギルドの受付に来たんだけど、ポーションを見せるなり有無を言わせずに応接室へと通されてしまった。
「マリー様、おめでとうございます。上級ポーションを作れるまでになったのですね」
「一目見ただけでわかるものですか?」
正直な話、初級ポーションも中級ポーションも上級ポーションも、見た目の上では全く変わらない。
私は自分で作っているから違いが分かるけれど、さすがは鑑定を生業にしている人、簡単に見分けるのね。
「上級ポーションは魔力量が他のポーションとは隔絶しているので、見分けるのは簡単ですよ。もちろん、鑑定持ちか魔力量の高い魔術師ならですがね」
「こちらは実習で作ったものなのですが、販売はどうしたらよいでしょうか?」
「実習で作ったもの……ということは、もう一度作るのは難しいということですね?」
「はい。材料は薬草学校から提供されたものですし、私一人で集められるものではありません」
中級ポーションまでなら、市場に出ている薬草や、近場の森や草原で材料が手に入るので、個人で作成するのは難しくない。
でも、上級ポーションは入手難易度の高い素材が必要となり、その素材も魔力を多く含む、いわゆる当たり素材を使用しなければ作ることすら難しい。
なので、薬草学校が提供してくれるならともかく、私が個人で上級ポーションを作成するのは難しく、薬草学校の素材を使うなら先生たちが作ったほうがはるかに成功率が高い。
「ふむ、一本だけですか。十本とはいかなくても数本あれば王都に送るのが良いのですが、一本となると輸送費を考えるとよくないですね」
「この街で需要はあるでしょうか?」
「冒険者ギルドなら。折よく、現在は他国の高位冒険者が滞在しているようで、効力の高いポーションを求めているそうです」
「では、いつものように冒険者ギルドに販売するのがよさそうですね」
「ですが、いくら口止めしても噂にはなるでしょうし、領主様の元には話しが届いてしまうでしょう」
「うーん。でも、前領主であるモーリスさんには薬草学校の責任者として報告がいってるはずですし、領主様なら知ってると思いますよ?」
「そう……ですね。ですが、何か問題がありましたら、商業ギルドに相談に来てくださいね?」
「はい、その時はお願いします」
いつものように鑑定をお願いして、ポーションは商業ギルドが用意した瓶に詰めてもらった。
この時の私は、この上級ポーションがルグラン領を旅立つきっかけになるだなんて思いもしていなかったけれど。
薬草学校に入学したのが、つい最近のように思えるが、そろそろ卒業も近い季節……私はついに上級ポーションを作り出すことに成功した。
初級ポーションの材料で中級ポーションを作り出すのとは違い、中級ポーションの素材から上級ポーションを作り出すのは至難の業だった。
いや、それ以前に上級ポーションの素材から上級ポーションを作るのすら難しく、たった一本を作り出すのに一年以上の研鑽が必要だったわ。
「ありがとうございます。先生たちの教えがなかったら、とてもではないですが作れませんでしたわ」
「いやいや、貴女の勤勉な姿勢があればこそ。貴女に影響を受けたのかミシェルも中級ポーションを作れるまでになりましたし、貴女たちの代は優秀ですよ」
「でも先生、私はマリーのように上級ポーションは結局作れませんでした」
「ミシェル……上級ポーションは薬草学校の教師でも実技担当の数人しか作れません。おそらく国中の薬師を集めても100人に1人作れるかどうかでしょう。薬師としては、中級ポーションを作れれば十分なのですよ」
先生の言葉にミシェルはホッとしているけれど、私は戦々恐々だ。
だって、母の手記には嫁ぐ前の実家では、上級ポーションを大量に作らされていたと書いてあった。
ということは、母は上級ポーションを作れる腕前だっていうことは母の実家は知っているわけだし、もちろんお父様も知っているだろう。
「先生、上級ポーションの需要はどのくらいなのでしょう?」
「そこまで多くはないですね。供給が少ないので、求めても手に入りにくいということもありますが、そもそも素材も売値も高価なものですから」
なるほど。上級ポーションを作れる薬師ともなれば、お父様の警戒網に引っかかるかもと思ったけれど、そもそも需要が少ないのなら作成する機会もないかもしれない。
ま、そもそも上級ポーションは作成材料を集めるのも手間だし、一日に作れる本数が限られるから、薬師として生きるなら中級ポーションが主力になるしね。
「こちらの上級ポーションはどうしましょう? いつものように商業ギルドで鑑定してもらって、冒険者ギルドに販売したほうが良いですか?」
「そうですね、学長への報告は報告書がありますから、マリーの好きなようにしてかまいませんよ」
上級ポーションを販売する危険性はあるけれど、私の実力では上級ポーションを長年保たせるような保存魔法はムリだし、売るにせよ保管するにせよ、商業ギルドで鑑定してもらうのは確定かな?
そんなわけで慣れ親しんだ商業ギルドの受付に来たんだけど、ポーションを見せるなり有無を言わせずに応接室へと通されてしまった。
「マリー様、おめでとうございます。上級ポーションを作れるまでになったのですね」
「一目見ただけでわかるものですか?」
正直な話、初級ポーションも中級ポーションも上級ポーションも、見た目の上では全く変わらない。
私は自分で作っているから違いが分かるけれど、さすがは鑑定を生業にしている人、簡単に見分けるのね。
「上級ポーションは魔力量が他のポーションとは隔絶しているので、見分けるのは簡単ですよ。もちろん、鑑定持ちか魔力量の高い魔術師ならですがね」
「こちらは実習で作ったものなのですが、販売はどうしたらよいでしょうか?」
「実習で作ったもの……ということは、もう一度作るのは難しいということですね?」
「はい。材料は薬草学校から提供されたものですし、私一人で集められるものではありません」
中級ポーションまでなら、市場に出ている薬草や、近場の森や草原で材料が手に入るので、個人で作成するのは難しくない。
でも、上級ポーションは入手難易度の高い素材が必要となり、その素材も魔力を多く含む、いわゆる当たり素材を使用しなければ作ることすら難しい。
なので、薬草学校が提供してくれるならともかく、私が個人で上級ポーションを作成するのは難しく、薬草学校の素材を使うなら先生たちが作ったほうがはるかに成功率が高い。
「ふむ、一本だけですか。十本とはいかなくても数本あれば王都に送るのが良いのですが、一本となると輸送費を考えるとよくないですね」
「この街で需要はあるでしょうか?」
「冒険者ギルドなら。折よく、現在は他国の高位冒険者が滞在しているようで、効力の高いポーションを求めているそうです」
「では、いつものように冒険者ギルドに販売するのがよさそうですね」
「ですが、いくら口止めしても噂にはなるでしょうし、領主様の元には話しが届いてしまうでしょう」
「うーん。でも、前領主であるモーリスさんには薬草学校の責任者として報告がいってるはずですし、領主様なら知ってると思いますよ?」
「そう……ですね。ですが、何か問題がありましたら、商業ギルドに相談に来てくださいね?」
「はい、その時はお願いします」
いつものように鑑定をお願いして、ポーションは商業ギルドが用意した瓶に詰めてもらった。
この時の私は、この上級ポーションがルグラン領を旅立つきっかけになるだなんて思いもしていなかったけれど。
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