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貴族学園
131 突撃後の話し合い
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「で、マックス。あの無礼な女とは、どんな関係?」
寮監が連れてきた騎士によってミネッティ伯爵令嬢が連れ出された後に、ローズマリー嬢が俺に質問してきた。
「どんなもこんなも、ローズマリー嬢の傘下なんだからローズマリー嬢のほうがよく知っているだろう?」
「確かにミネッティ伯爵はエルメライヒ公爵家の傘下よ。でも、伯爵令嬢とは交流はないからよく知らないわよ」
そういえば、ゲーム内だと交流のあるヒロインと悪役令嬢だが、この世界ではミネッティ伯爵令嬢がシナリオ外の動きを見せた関係で交流がないのか。
だからこそ、同年代の友人を作るという名目でエルメライヒ公爵が接触を図ってきたわけだしな。
「エルメライヒ公爵から聞いてるかもしれないが、派閥調整のために婚約の打診を行っただけだ。ま、それも向こうが喧嘩を売ってきたから、ご破算になったがな」
「ふーん、それにしては何やら物知り気な言い分だったじゃない。悪役令息に悪役令嬢……でしたっけ?」
「ああ、婚約打診の場でも似たようなことを言われたな。俺のことを悪役令息だとか……」
完全にゲーム知識なんだろうけど、貴族だろうが平民だろうが、初対面の相手に悪役とか言っちゃうのは神経疑うわ。
「……ねえ、マックス。本当に何か知らないの?」
「どういう意味だ?」
「レナはミネッティ伯爵令嬢の言い分に怒っていたわ。クリスタは混乱していた……もちろん私もね。……でもマックス、貴方は驚きもしなければ怒りもしていなかった」
「…………」
言われて確かにと思う。ミネッティ伯爵令嬢が談話室に突入してきたことにビックリはしたが、あの女の言い分自体は別に困惑も怒りもしなかった。
最初にあった時にミネッティ伯爵令嬢が転生者ではないかという疑惑があったこと、それに俺自身、前世でこういった物語に触れていたことが原因だろう。
「私に話せないのはいいわ。……でも、この様子じゃレナやクリスタにも話していないのでしょう?」
ローズマリー嬢の言いたいことは分かる。友人や部下ならともかく、結婚相手にまで話さない秘密があるのはどうか……と言いたいのだろう。
しかも、それが他の女とのことならば、なおさらで、2人の不安をあおることになる……と。
「……そう……だな。2人は……いや、ローズマリー嬢にも聞いてもらいたい」
「あら? 私も聞いていいのかしら?」
「ローズマリー嬢が想像しているようなことではないからな。……とはいえ、気軽に話していい内容でないことも確かだな」
「マックス様、場所を移しますか?」
「そうだな。寮の談話室じゃ、誰に聞かれてるかもわからないし……次の休日にタウンハウスで話すとするか」
貴族学園は全寮制となっているが、別に監獄ではないので放課後や休日の行動に制限はされていない。
とはいえ、貴族同士の交流だったり訓練だったりは学園内の方が充実しているので、休日でも学園外に出る学生は少ない。
「マックス様、もしそれまでに、あの令嬢が突っかかってきたらどうします?」
「適当にいなしておいてくれ。人目のある所なら、こちらの方が身分は上だから流石にどうもできないだろう」
ミネッティ伯爵令嬢は道理をわきまえてないが、傍にいる人間は流石に身分の差くらいは分かっている。
俺はともかく、エルメライヒ公爵令嬢であるローズマリー嬢が傍にいれば、伯爵令嬢ごときが近寄ることは出来ないだろう。
主人公は平民だからわからないかもしれないが、マテス侯爵令嬢もニューエン子爵令嬢も、貴族社会に逆らってまでミネッティ伯爵令嬢に従いはしないだろうからな。
「クリスタ、元の生活に戻れると言ったが、もうしばらくはレナとローズマリー嬢の護衛を続けてくれるか?」
「わかっています。この身に代えても2人を守ります」
「クリスタのことも大切なのだから、自分の身も守りなさい。俺も可能な限りは一緒に居られるようにするから」
「はい」
騎士の家系だけあって、クリスタは自己犠牲精神が強くて困る。
ま、今回はシャウナ男爵令息と違って、俺だけが標的とは限らないから、離れて過ごすよりも固まっていた方が安全だろう。
寮監が連れてきた騎士によってミネッティ伯爵令嬢が連れ出された後に、ローズマリー嬢が俺に質問してきた。
「どんなもこんなも、ローズマリー嬢の傘下なんだからローズマリー嬢のほうがよく知っているだろう?」
「確かにミネッティ伯爵はエルメライヒ公爵家の傘下よ。でも、伯爵令嬢とは交流はないからよく知らないわよ」
そういえば、ゲーム内だと交流のあるヒロインと悪役令嬢だが、この世界ではミネッティ伯爵令嬢がシナリオ外の動きを見せた関係で交流がないのか。
だからこそ、同年代の友人を作るという名目でエルメライヒ公爵が接触を図ってきたわけだしな。
「エルメライヒ公爵から聞いてるかもしれないが、派閥調整のために婚約の打診を行っただけだ。ま、それも向こうが喧嘩を売ってきたから、ご破算になったがな」
「ふーん、それにしては何やら物知り気な言い分だったじゃない。悪役令息に悪役令嬢……でしたっけ?」
「ああ、婚約打診の場でも似たようなことを言われたな。俺のことを悪役令息だとか……」
完全にゲーム知識なんだろうけど、貴族だろうが平民だろうが、初対面の相手に悪役とか言っちゃうのは神経疑うわ。
「……ねえ、マックス。本当に何か知らないの?」
「どういう意味だ?」
「レナはミネッティ伯爵令嬢の言い分に怒っていたわ。クリスタは混乱していた……もちろん私もね。……でもマックス、貴方は驚きもしなければ怒りもしていなかった」
「…………」
言われて確かにと思う。ミネッティ伯爵令嬢が談話室に突入してきたことにビックリはしたが、あの女の言い分自体は別に困惑も怒りもしなかった。
最初にあった時にミネッティ伯爵令嬢が転生者ではないかという疑惑があったこと、それに俺自身、前世でこういった物語に触れていたことが原因だろう。
「私に話せないのはいいわ。……でも、この様子じゃレナやクリスタにも話していないのでしょう?」
ローズマリー嬢の言いたいことは分かる。友人や部下ならともかく、結婚相手にまで話さない秘密があるのはどうか……と言いたいのだろう。
しかも、それが他の女とのことならば、なおさらで、2人の不安をあおることになる……と。
「……そう……だな。2人は……いや、ローズマリー嬢にも聞いてもらいたい」
「あら? 私も聞いていいのかしら?」
「ローズマリー嬢が想像しているようなことではないからな。……とはいえ、気軽に話していい内容でないことも確かだな」
「マックス様、場所を移しますか?」
「そうだな。寮の談話室じゃ、誰に聞かれてるかもわからないし……次の休日にタウンハウスで話すとするか」
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とはいえ、貴族同士の交流だったり訓練だったりは学園内の方が充実しているので、休日でも学園外に出る学生は少ない。
「マックス様、もしそれまでに、あの令嬢が突っかかってきたらどうします?」
「適当にいなしておいてくれ。人目のある所なら、こちらの方が身分は上だから流石にどうもできないだろう」
ミネッティ伯爵令嬢は道理をわきまえてないが、傍にいる人間は流石に身分の差くらいは分かっている。
俺はともかく、エルメライヒ公爵令嬢であるローズマリー嬢が傍にいれば、伯爵令嬢ごときが近寄ることは出来ないだろう。
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「わかっています。この身に代えても2人を守ります」
「クリスタのことも大切なのだから、自分の身も守りなさい。俺も可能な限りは一緒に居られるようにするから」
「はい」
騎士の家系だけあって、クリスタは自己犠牲精神が強くて困る。
ま、今回はシャウナ男爵令息と違って、俺だけが標的とは限らないから、離れて過ごすよりも固まっていた方が安全だろう。
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