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逃げたいアルファ
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揺れの少ない馬車がゆっくりと止まり、リュシアンは重い頭を振った。
頭を動かすと耳元からちゃり、と音がして、忘れようにも忘れられない出来事と赤い眼が脳裏をよぎる。
先日から色々なことが起こりすぎて、体に疲労が残っていた。
おまけにこれから行く場所にもひどい疲労が待ち受けていそうで、リュシアンはどこかに逃亡したくなっていた。できることなら、リュシアンのことを誰も知らない山の奥がいい。
(現実逃避をしていても仕方がない)
覚悟を決めて馬車を降りると、金糸が刺繍された制服の騎士が待っていた。
「お待ちしておりました。リュシアン・ティレル様」
にこやかに言う騎士は、その服装から近衛騎士だとわかる。
リュシアンはその笑みに小さく頷くと、騎士の案内に従って王宮の中を進んでいった。
たくさんの使用人や貴族たちから視線を向けられている。
ひそひそと囁かれる声はどれも好意的ではなく、リュシアンは苦々しく顔を歪めたいのをこらえた。
リュシアンとて好きで王宮に来ているのではない。
代われるものなら代わってくれと言いたかった。
(仕方ない。茶会でも、と言ってしまったのは俺だから……)
リュシアンは先日、アルウェンと約束したお茶会のために王宮に来ていた。
アルウェンからはすぐに誘いの手紙が来てしまい、夜会の日から日を置かずに日程が決まってしまった。
ふと視線を向けた先で、騎士と思しき女性と目が合った。
しかしあからさまに視線を逸らされてしまい、リュシアンはやはりため息をつきたくなった。
(見られている……)
元々そんなに社交をしていないのもあって、リュシアンはひとの視線は苦手だ。
そもそも体力もなければ体調不良も多いので、義務とはいえそんなに社交が好きではない。
おまけにライモントにきつくあたる様子やきつい表情が相まって、リュシアンの評判は芳しくない。
あまりいい印象は抱かれていないので、向けられる視線は好意とは程遠く、好奇じみたものや恐怖に似たものが多いため、向けられる視線が苦手だった。
そしてライモントはそれを察して、リュシアンに人が集まらないようわざとらしくリュシアンのきつい対応を周囲に見せたり、周りに愛想をよくして立ち回る。
何度か叱ったものの、ライモントは喜ぶだけで改善する様子がない。
『お義兄様は、もっと僕を好きに使ってよろしいのに』
そうしてにこにこと笑う義弟にも手を焼き、リュシアンは面倒になってライモントの好きにさせることにした。
社交が苦手なのは事実だし、ライモントの立ち回りのおかげでオメガが寄ってこないので、正直なところ助かっていた。
アルファというだけでオメガもベータも近寄ってくるが、リュシアンはどのオメガも近づかれると体調が悪くなる。
(その甘えが裏目にでるとは……)
王宮を日中から歩く羽目になるとは夢にも思っていなかったので、評判はそのままにしていたせいで、向けられる視線だけで気が重くなる。
視線の原因は服装にもあるだろうと思うと、なおのこと気が重い。
身に着けた服と装飾品がやけに重いように感じてしまう。
リュシアンは、銀糸の刺繍が施されたスーツを着ていた。
濃紺のそれはリュシアンの体にもぴったりと合っており、着心地はいい。
銀でできたタイピンは青を基調とした宝石がついたもので、リュシアンの今日の服飾はかつてないほど華々しかった。
全体的に青とシルバーの系統でまとまっているというのに、ただ左耳の金と赤のピアスだけが不揃いで、侍女も執事もそれをしていくべきではないと最後まで反対していた。
(仕方ないだろう)
左耳に触れると、ちゃり、と音がする。
とろうとしなければリュシアンの手を弾くことはなく、ただゆらりと揺れるだけだ。
このピアスだけはとれないのだから、つけていくほかない。
(……結局、なにもわからなかった)
王宮の中を歩きながら、リュシアンはわずかにうつむく。
『ルゥ』とは一体なんなのか。
なぜリュシアンをアルウェンから隠していたのか。
それらは父と母からは教えてもらえなかった。
レイザードでさえ口を閉ざし、執事も侍女も事情を知っていそうなものはみんなして口を閉ざしている。
(俺に関わることなら教えてもらわないと困るんだが)
自身のことなのに、リュシアンは何もわからない。
唯一わかるのは、左耳にあるピアスをつけるほどのアルウェンからの感情だけ。
結局夜会も欠席したが、アルウェンはケガは大丈夫かと大量の見舞いの品とともに手紙を送ってきた。
夜会で治すつもりだった、申し訳ないという謝罪付きで。
傷をつけた本人がいたわりの手紙を送ってくるという行為そのものが理解不能で、リュシアンはアルウェンに対するこわさだけが上書きされた。
レイザードは蛇蝎のごとくアルウェンを嫌っているようで、今日のお茶会に行くことすら難色を示していた。
とはいえ、王族と侯爵家の身分差では断ることも難しい。
行くこと自体は仕方なく納得したレイザードは、ライモントを連れて行ったらいいと提案した。
『連れて行ったほうが、便利なことがありますよ』
夜会の欠席のためにわざと毒を煽ったライモントは、まだ体調がすぐれず寝込んでいたが、それでも連れて行ってアルウェンの気を引く相手にしたらいいと言うのだ。
いっそあのアルウェンの番にでもさせたらいいと言い放つレイザードに、リュシアンはなんとか一人で行くことを承諾させた。
(いつものことだが……)
いつものことでも、レイザードのライモントに対する扱いは、リュシアンには頭が痛い。
愛人の子とはいえ、年の差はひとつ。
母であるイレリアはリュシアンとライモントを同じように扱ってきた。
同年代のためライモントとは基本的には習い事も勉強も一緒にしてきている。
第二次性が違ってオメガとアルファでオメガ性からライモントに迫られていたとしても、家族であることには変わりはなく、リュシアンはリュシアンなりにライモントが大切だ。
そのライモントがレイザードからは異様に虐げられている。
(もういっそ、本当に首を噛んだほうがいいのかもしれない)
恋情はなくとも、ライモントならば家族としてはやっていけるだろう。
これまでも弟で家族だったのだから、その延長と思えばそう無理なことでもない。
ライモントにはきちんと気に入る相手を見つけて外に出て行ったほうがいいと思っていたが、レイザードの態度は年を重ねれば重ねるほどひどくなっていく。
このままではティレル侯爵家から出て行っても、レイザードがライモントに何かするかもしれない。
(考えることが多すぎる……)
いつだって自身のことに家族のことにと手一杯なのに、わざわざ王宮などに来る羽目になり、アルウェンのことも考えなくてはいけない。
つつがなく終えてさっさと帰ろう、と考えていると、先導していた近衛騎士がぴたりと止まった。
「まあ、ガーディナー卿、見慣れない方をお連れね。お連れの方はどなたかしら?」
ふわり、と軽やかな声が聞こえて、リュシアンは顔を上げた。
どうやら目の前に貴族のご令嬢がいるらしい。
目の前の騎士のほうが背が高く見えないため、リュシアンは誰だろうと想像するに留める。
「ローズウッド嬢……なぜこの通路に?」
近衛騎士は令嬢の質問には答えず、固い声で問い返した。
「質問しているのは私なのだけど」
にこやかな声だが、有無を言わさない強さを感じる。
近衛騎士はちらりと振り返り、リュシアンに視線を向けた。
どうしようかと迷っている騎士の袖の端を掴んで横に避けるよう視線をそらすと、彼はしばらくリュシアンを見つめた。
「…………」
「後ろの方はどなたなのかしら。名乗ることを許しますわ」
ふんわりと優しそうに言いながら、その言葉は明らかに命令している。
「ガーディナー卿、お許しがありますので、横へ行ってはいただけませんか」
ローズウッドといえば公爵家である。
歴史はティレル家のほうが長いが、ローズウッドは南に位置する大きな領地を治める穀倉地帯の領主で、それなりに裕福な家で社交界でも発言力がある。
その令嬢の言葉を無視するわけにはいかない。
ローズウッド家にいる令嬢といえば、エミールと同い年で婚約者候補のアメリアで間違いない。
(ライモントがエミール殿下の婚約者の有力候補として挙がっている以上、彼女の心情は穏やかではないだろうが)
しかしリュシアンより爵位が上であり、彼女から名乗れと言われている以上、名乗らないわけにはいかない。
名乗らなければこの近衛騎士まで立場を悪くしてしまうだろう。
「…………手短にお願いいたします」
近衛騎士はちらりと彼女のほうを向いた後に横にずれた。
リュシアンの顔を見れば誰だかわかるくせに、彼女はにこにこと名乗られるのを待っている。
「リュシアン・ティレルと申します。お見知りおきを」
「まあ、ティレル家の方でしたのね」
驚いたように青い眼を丸くして、彼女は照れくさそうに笑った。
「申し訳ありませんわ。あまりきちんとした格好でなくて」
紫の見事なドレスをまとっている彼女の姿を見れば、あきらかにいやみと裏の意図を含ませているだろうが、リュシアンにはその意図はわからなかった。
青い瞳と黒い髪に似合う見事な紫のドレスだ。
目鼻立ちがはっきりした顔立ちによく似合うような、派手でありながら品のある服装をしている。
化粧をあまり濃くしないようにしているのか、派手なドレスがよく似合っていた。ドレスが華やかだというのに清楚な印象を持たせる。
よく見るとドレスに小さくあしらわれた花は刺繍で、そこだけ紫色が濃くなっている。染色も手の込んだ布をふんだんに使い、髪飾りは色の濃いアメジストがあしらわれたものをしていて、『きちんとしていない』はいやみにしてもあからさまだ。
「十分にお美しいですが、予定なくご挨拶をさせていただく形になり、ご令嬢としても準備ができていなかったのであれば、申し訳ない限りです」
「ええ、ぜひ今度、正式にご挨拶させていただきたいわ。ティレル家の方は、これからもお会いするかもしれませんものね」
やはりライモントの存在が彼女を苛立たせているようだ。
言葉の端には棘が含まれており、ふんわりと笑っている顔の下では怒りで煮えたぎっているのだろう。
「ご兄弟そろって、お兄様までアルウェン殿下の元へいらっしゃるなんて」
リュシアンは、じゃあ代わってくれませんかと言いたかった。
しかし一貴族として大して交流もない格上相手にあからさまに楯突くわけにもいかない。
「アルウェン殿下から呼ばれてしまいましては、こちらとしても断れませんから」
自分から来ているわけではない、とリュシアンもにこやかに返すと、彼女の眼に剣呑さが宿った。
と、思ったとき、すう、と音もなくアメリアの背後のドアが開いた。
表情が動かないよう眼だけで背後を見ると、中からアルウェンが顔をのぞかせた。
リュシアンと目があった瞬間、アルウェンは赤い眼を輝かせる。
(いや、なんでだ)
ぎりぎり口に出すのはこらえたが、そこはこちらから尋ねるまで部屋で待っていてほしい、とリュシアンは思った。
「……ティレル家の方は、ずいぶんと必死なのね。存じ上げなかったわ。殿下にお呼ばれしているというのに、ネックガードもしてこないなんて」
ぴし、と空間にひびを入れられた。
その言葉はあまりにも喧嘩を売りすぎだろうと、リュシアンはかろうじて浮かべていた笑みを消した。
(……俺が、オメガって言いたいのか…………?)
アメリアの首元を見やると、そこには宝石の散りばめられた豪奢な飾りがある。
どうやら彼女はオメガらしい。
オメガは不用意に首を噛まれて番関係が成立してはいけないので、外に出る時は首元を保護するネックガードをつけるのがマナーだ。
ライモントのにおいがついており、リュシアンのアルファとしての能力が低いせいで、彼女はリュシアンのことをオメガと思っているようだ。
(この女、)
みし。
リュシアンが怒りで反論しようとした瞬間、みしり、と空気が歪んだ音がした。
ぶわ、とフェロモンのような何かが広がり、リュシアンは少しだけ体の重さが和らぐのを感じた。
重しをつけられていたような体が、外されたように軽くなる。
怒りが散っていき、思わず目を丸くした。
しかし反対に、目の前のアメリアはひっと悲鳴を上げて座り込んだ。
「な、な……」
がたがたと体を震わせるアメリアの背後に、何かがゆっくりと立つ。
思わず見上げると、みしりと鳴った音は幻聴ではないのだと悟った。
それくらいひどい表情をしていた。
赤い眼をした亡霊のように立った男は、虫けらか何かを見るように感情のない顔でアメリアを見下ろしている。
その表情に浮かぶのは、怒りというよりはもっとひどい何かで、殺意と呼ぶには熱量が足りなかった。
視界にすら入らない虫か何かを、うっかり踏んで不快だというような。
みしりという音は、アルウェンが扉を握り締めて軋ませた音だった。
扉にはひびが入っており、扉全体がわずかに歪んでいた。
「……サイモン、コレはなんだ?」
なんでこんなところにいるんだ、とぞっとするような低い声で顔を向けられた近衛騎士も、耐えかねるように歯を食いしばっていた。
体は震え、え、あ、としか声を発することしかできない。
アメリアの侍女や彼女についている近衛騎士も誰ひとりとして立っていることができず、座り込んで必死に耐えていた。
侍女は涙を流して恐ろしいものを見るようにアルウェンを見上げている。
(……咆哮?威圧?)
アルファにはすこし特殊な能力がある。
それが声やフェロモンで人を屈服させることで、アルファが支配階級と言われるゆえんでもあった。
アルファ同士でも行われることがあり、アルファ同士で優劣がついてしまうものでもある。
しかしアルウェンが発しているものが少なくとも『威圧』であるならば、リュシアンに一切影響がないのはおかしい。
リュシアンは自分がアルファの中でも『劣等』の分類に入っている自覚があるし、そんなリュシアンがアルファの中でも上位存在と言われているアルウェンからの『威圧』を向けられて無事でいられるはずがない。
「おい、俺が聞いているだろうが」
誰も彼もが答えられないほど怯えているというのに、アルウェンはさらに何かを強くして苛立たしげな感情を近衛騎士に向けた。
アルウェンから向けられたそれに、サイモンと呼ばれた近衛騎士はぐら、と膝をつく。
「……っかり、まし、すいませ……それ、抑え……」
なんとか絞り出したサイモンの声に、とにかくアルウェンから出ている何かを抑えないといけないらしいとリュシアンは悟った。
いまだ一切の表情がない男に、この場で唯一動けるリュシアンはおそるおそる、殿下、と呼びかけた。
「あのう、殿下……遅くなって申し訳ありません。その、抑えていただけませんか?」
何かはわからないのでそうお伺いを立てると、アルウェンは我に返ったようにリュシアンに視線を向けた。
リュシアンと視線が合うと、アルウェンはわずかに頬を赤らめて顔を逸らす。
「す、すまない、シア……。お前が来るのが待ち遠しくて……ついアルファ性を出してしまった」
(は?)
その言葉にリュシアンは顔を歪めそうになった。
ぎりぎりでそれをこらえ、リュシアンは口元を笑みのカタチに曲げる。
「……近衛騎士に案内してもらいます。殿下、中へ入れていただけますか」
その提案にもちろんだと頷いたアルウェンは、歪んだ扉を見て気まずげな顔をしたものの、特に触れることなく扉を開け、こっちだと部屋に入っていった。
リュシアンを案内していたサイモンがゆっくりと立ち上がり、ふーと息を吐く。
びっしりと冷や汗をかいていたサイモンは、リュシアンにありがとうございます、と頭を下げた。
「ひとつ、お聞きしたいのですが」
リュシアンは中へ案内しようとするサイモンに、思わず尋ねた。
「なんでしょう?」
「いまのはアルウェン殿下の『威圧』か何かで?」
その質問に、ああ、と近衛騎士は朗らかに笑って首を振った。
「いえ、ただアルファ性を抑えていなかっただけですね。アルウェン殿下はアルファの中でも最上位に入りますので、普段から抑えていただけないと、ああして近寄れなくなるのです」
『威圧』などされてしまえば気絶してしまいますよ、と笑うサイモンに、リュシアンは片目を眇めた。
(アルファ性を出しただけ?)
においも相当近づかれなければわからない。オメガのにおいなんて気分が悪くなって近づくことすらできない。
そんなリュシアンとは、何もかもが違いすぎると、嫌というほど思い知らされた。
アルウェンは、存在だけで他者を跪かせる絶対王者なのだ。
(同じ、アルファなのに)
リュシアンはどうあってもアルウェンに敵わないだろう。
足元にも及ばず、リュシアンは自分がアルウェンと同じアルファだとは思えない。
アルウェンに敵うはずがないとは最初からわかっている。
だが、同じ土俵に置かれていて、こんなにも違い、弱弱しい自分がひどく惨めだった。
先ほどオメガと間違えられたばかりのリュシアンは、己のアルファの能力の低さに苦い思いを飲み込む。
勉強でどれだけ頑張ろうが、魔法をどれだけ学ぼうが、アルウェンには何一つ勝てないだろう。
努力では絶対に埋まらない能力差を目の当たりにしてしまった。
この王宮に来る時よりずっと、リュシアンはここから逃げだしたかった。
ちゃり、と鳴る耳元の音が煩わしく、リュシアンは座り込んだままのアメリアを無視して近衛騎士の案内のもと、アルウェンの部屋に足を踏み入れた。
頭を動かすと耳元からちゃり、と音がして、忘れようにも忘れられない出来事と赤い眼が脳裏をよぎる。
先日から色々なことが起こりすぎて、体に疲労が残っていた。
おまけにこれから行く場所にもひどい疲労が待ち受けていそうで、リュシアンはどこかに逃亡したくなっていた。できることなら、リュシアンのことを誰も知らない山の奥がいい。
(現実逃避をしていても仕方がない)
覚悟を決めて馬車を降りると、金糸が刺繍された制服の騎士が待っていた。
「お待ちしておりました。リュシアン・ティレル様」
にこやかに言う騎士は、その服装から近衛騎士だとわかる。
リュシアンはその笑みに小さく頷くと、騎士の案内に従って王宮の中を進んでいった。
たくさんの使用人や貴族たちから視線を向けられている。
ひそひそと囁かれる声はどれも好意的ではなく、リュシアンは苦々しく顔を歪めたいのをこらえた。
リュシアンとて好きで王宮に来ているのではない。
代われるものなら代わってくれと言いたかった。
(仕方ない。茶会でも、と言ってしまったのは俺だから……)
リュシアンは先日、アルウェンと約束したお茶会のために王宮に来ていた。
アルウェンからはすぐに誘いの手紙が来てしまい、夜会の日から日を置かずに日程が決まってしまった。
ふと視線を向けた先で、騎士と思しき女性と目が合った。
しかしあからさまに視線を逸らされてしまい、リュシアンはやはりため息をつきたくなった。
(見られている……)
元々そんなに社交をしていないのもあって、リュシアンはひとの視線は苦手だ。
そもそも体力もなければ体調不良も多いので、義務とはいえそんなに社交が好きではない。
おまけにライモントにきつくあたる様子やきつい表情が相まって、リュシアンの評判は芳しくない。
あまりいい印象は抱かれていないので、向けられる視線は好意とは程遠く、好奇じみたものや恐怖に似たものが多いため、向けられる視線が苦手だった。
そしてライモントはそれを察して、リュシアンに人が集まらないようわざとらしくリュシアンのきつい対応を周囲に見せたり、周りに愛想をよくして立ち回る。
何度か叱ったものの、ライモントは喜ぶだけで改善する様子がない。
『お義兄様は、もっと僕を好きに使ってよろしいのに』
そうしてにこにこと笑う義弟にも手を焼き、リュシアンは面倒になってライモントの好きにさせることにした。
社交が苦手なのは事実だし、ライモントの立ち回りのおかげでオメガが寄ってこないので、正直なところ助かっていた。
アルファというだけでオメガもベータも近寄ってくるが、リュシアンはどのオメガも近づかれると体調が悪くなる。
(その甘えが裏目にでるとは……)
王宮を日中から歩く羽目になるとは夢にも思っていなかったので、評判はそのままにしていたせいで、向けられる視線だけで気が重くなる。
視線の原因は服装にもあるだろうと思うと、なおのこと気が重い。
身に着けた服と装飾品がやけに重いように感じてしまう。
リュシアンは、銀糸の刺繍が施されたスーツを着ていた。
濃紺のそれはリュシアンの体にもぴったりと合っており、着心地はいい。
銀でできたタイピンは青を基調とした宝石がついたもので、リュシアンの今日の服飾はかつてないほど華々しかった。
全体的に青とシルバーの系統でまとまっているというのに、ただ左耳の金と赤のピアスだけが不揃いで、侍女も執事もそれをしていくべきではないと最後まで反対していた。
(仕方ないだろう)
左耳に触れると、ちゃり、と音がする。
とろうとしなければリュシアンの手を弾くことはなく、ただゆらりと揺れるだけだ。
このピアスだけはとれないのだから、つけていくほかない。
(……結局、なにもわからなかった)
王宮の中を歩きながら、リュシアンはわずかにうつむく。
『ルゥ』とは一体なんなのか。
なぜリュシアンをアルウェンから隠していたのか。
それらは父と母からは教えてもらえなかった。
レイザードでさえ口を閉ざし、執事も侍女も事情を知っていそうなものはみんなして口を閉ざしている。
(俺に関わることなら教えてもらわないと困るんだが)
自身のことなのに、リュシアンは何もわからない。
唯一わかるのは、左耳にあるピアスをつけるほどのアルウェンからの感情だけ。
結局夜会も欠席したが、アルウェンはケガは大丈夫かと大量の見舞いの品とともに手紙を送ってきた。
夜会で治すつもりだった、申し訳ないという謝罪付きで。
傷をつけた本人がいたわりの手紙を送ってくるという行為そのものが理解不能で、リュシアンはアルウェンに対するこわさだけが上書きされた。
レイザードは蛇蝎のごとくアルウェンを嫌っているようで、今日のお茶会に行くことすら難色を示していた。
とはいえ、王族と侯爵家の身分差では断ることも難しい。
行くこと自体は仕方なく納得したレイザードは、ライモントを連れて行ったらいいと提案した。
『連れて行ったほうが、便利なことがありますよ』
夜会の欠席のためにわざと毒を煽ったライモントは、まだ体調がすぐれず寝込んでいたが、それでも連れて行ってアルウェンの気を引く相手にしたらいいと言うのだ。
いっそあのアルウェンの番にでもさせたらいいと言い放つレイザードに、リュシアンはなんとか一人で行くことを承諾させた。
(いつものことだが……)
いつものことでも、レイザードのライモントに対する扱いは、リュシアンには頭が痛い。
愛人の子とはいえ、年の差はひとつ。
母であるイレリアはリュシアンとライモントを同じように扱ってきた。
同年代のためライモントとは基本的には習い事も勉強も一緒にしてきている。
第二次性が違ってオメガとアルファでオメガ性からライモントに迫られていたとしても、家族であることには変わりはなく、リュシアンはリュシアンなりにライモントが大切だ。
そのライモントがレイザードからは異様に虐げられている。
(もういっそ、本当に首を噛んだほうがいいのかもしれない)
恋情はなくとも、ライモントならば家族としてはやっていけるだろう。
これまでも弟で家族だったのだから、その延長と思えばそう無理なことでもない。
ライモントにはきちんと気に入る相手を見つけて外に出て行ったほうがいいと思っていたが、レイザードの態度は年を重ねれば重ねるほどひどくなっていく。
このままではティレル侯爵家から出て行っても、レイザードがライモントに何かするかもしれない。
(考えることが多すぎる……)
いつだって自身のことに家族のことにと手一杯なのに、わざわざ王宮などに来る羽目になり、アルウェンのことも考えなくてはいけない。
つつがなく終えてさっさと帰ろう、と考えていると、先導していた近衛騎士がぴたりと止まった。
「まあ、ガーディナー卿、見慣れない方をお連れね。お連れの方はどなたかしら?」
ふわり、と軽やかな声が聞こえて、リュシアンは顔を上げた。
どうやら目の前に貴族のご令嬢がいるらしい。
目の前の騎士のほうが背が高く見えないため、リュシアンは誰だろうと想像するに留める。
「ローズウッド嬢……なぜこの通路に?」
近衛騎士は令嬢の質問には答えず、固い声で問い返した。
「質問しているのは私なのだけど」
にこやかな声だが、有無を言わさない強さを感じる。
近衛騎士はちらりと振り返り、リュシアンに視線を向けた。
どうしようかと迷っている騎士の袖の端を掴んで横に避けるよう視線をそらすと、彼はしばらくリュシアンを見つめた。
「…………」
「後ろの方はどなたなのかしら。名乗ることを許しますわ」
ふんわりと優しそうに言いながら、その言葉は明らかに命令している。
「ガーディナー卿、お許しがありますので、横へ行ってはいただけませんか」
ローズウッドといえば公爵家である。
歴史はティレル家のほうが長いが、ローズウッドは南に位置する大きな領地を治める穀倉地帯の領主で、それなりに裕福な家で社交界でも発言力がある。
その令嬢の言葉を無視するわけにはいかない。
ローズウッド家にいる令嬢といえば、エミールと同い年で婚約者候補のアメリアで間違いない。
(ライモントがエミール殿下の婚約者の有力候補として挙がっている以上、彼女の心情は穏やかではないだろうが)
しかしリュシアンより爵位が上であり、彼女から名乗れと言われている以上、名乗らないわけにはいかない。
名乗らなければこの近衛騎士まで立場を悪くしてしまうだろう。
「…………手短にお願いいたします」
近衛騎士はちらりと彼女のほうを向いた後に横にずれた。
リュシアンの顔を見れば誰だかわかるくせに、彼女はにこにこと名乗られるのを待っている。
「リュシアン・ティレルと申します。お見知りおきを」
「まあ、ティレル家の方でしたのね」
驚いたように青い眼を丸くして、彼女は照れくさそうに笑った。
「申し訳ありませんわ。あまりきちんとした格好でなくて」
紫の見事なドレスをまとっている彼女の姿を見れば、あきらかにいやみと裏の意図を含ませているだろうが、リュシアンにはその意図はわからなかった。
青い瞳と黒い髪に似合う見事な紫のドレスだ。
目鼻立ちがはっきりした顔立ちによく似合うような、派手でありながら品のある服装をしている。
化粧をあまり濃くしないようにしているのか、派手なドレスがよく似合っていた。ドレスが華やかだというのに清楚な印象を持たせる。
よく見るとドレスに小さくあしらわれた花は刺繍で、そこだけ紫色が濃くなっている。染色も手の込んだ布をふんだんに使い、髪飾りは色の濃いアメジストがあしらわれたものをしていて、『きちんとしていない』はいやみにしてもあからさまだ。
「十分にお美しいですが、予定なくご挨拶をさせていただく形になり、ご令嬢としても準備ができていなかったのであれば、申し訳ない限りです」
「ええ、ぜひ今度、正式にご挨拶させていただきたいわ。ティレル家の方は、これからもお会いするかもしれませんものね」
やはりライモントの存在が彼女を苛立たせているようだ。
言葉の端には棘が含まれており、ふんわりと笑っている顔の下では怒りで煮えたぎっているのだろう。
「ご兄弟そろって、お兄様までアルウェン殿下の元へいらっしゃるなんて」
リュシアンは、じゃあ代わってくれませんかと言いたかった。
しかし一貴族として大して交流もない格上相手にあからさまに楯突くわけにもいかない。
「アルウェン殿下から呼ばれてしまいましては、こちらとしても断れませんから」
自分から来ているわけではない、とリュシアンもにこやかに返すと、彼女の眼に剣呑さが宿った。
と、思ったとき、すう、と音もなくアメリアの背後のドアが開いた。
表情が動かないよう眼だけで背後を見ると、中からアルウェンが顔をのぞかせた。
リュシアンと目があった瞬間、アルウェンは赤い眼を輝かせる。
(いや、なんでだ)
ぎりぎり口に出すのはこらえたが、そこはこちらから尋ねるまで部屋で待っていてほしい、とリュシアンは思った。
「……ティレル家の方は、ずいぶんと必死なのね。存じ上げなかったわ。殿下にお呼ばれしているというのに、ネックガードもしてこないなんて」
ぴし、と空間にひびを入れられた。
その言葉はあまりにも喧嘩を売りすぎだろうと、リュシアンはかろうじて浮かべていた笑みを消した。
(……俺が、オメガって言いたいのか…………?)
アメリアの首元を見やると、そこには宝石の散りばめられた豪奢な飾りがある。
どうやら彼女はオメガらしい。
オメガは不用意に首を噛まれて番関係が成立してはいけないので、外に出る時は首元を保護するネックガードをつけるのがマナーだ。
ライモントのにおいがついており、リュシアンのアルファとしての能力が低いせいで、彼女はリュシアンのことをオメガと思っているようだ。
(この女、)
みし。
リュシアンが怒りで反論しようとした瞬間、みしり、と空気が歪んだ音がした。
ぶわ、とフェロモンのような何かが広がり、リュシアンは少しだけ体の重さが和らぐのを感じた。
重しをつけられていたような体が、外されたように軽くなる。
怒りが散っていき、思わず目を丸くした。
しかし反対に、目の前のアメリアはひっと悲鳴を上げて座り込んだ。
「な、な……」
がたがたと体を震わせるアメリアの背後に、何かがゆっくりと立つ。
思わず見上げると、みしりと鳴った音は幻聴ではないのだと悟った。
それくらいひどい表情をしていた。
赤い眼をした亡霊のように立った男は、虫けらか何かを見るように感情のない顔でアメリアを見下ろしている。
その表情に浮かぶのは、怒りというよりはもっとひどい何かで、殺意と呼ぶには熱量が足りなかった。
視界にすら入らない虫か何かを、うっかり踏んで不快だというような。
みしりという音は、アルウェンが扉を握り締めて軋ませた音だった。
扉にはひびが入っており、扉全体がわずかに歪んでいた。
「……サイモン、コレはなんだ?」
なんでこんなところにいるんだ、とぞっとするような低い声で顔を向けられた近衛騎士も、耐えかねるように歯を食いしばっていた。
体は震え、え、あ、としか声を発することしかできない。
アメリアの侍女や彼女についている近衛騎士も誰ひとりとして立っていることができず、座り込んで必死に耐えていた。
侍女は涙を流して恐ろしいものを見るようにアルウェンを見上げている。
(……咆哮?威圧?)
アルファにはすこし特殊な能力がある。
それが声やフェロモンで人を屈服させることで、アルファが支配階級と言われるゆえんでもあった。
アルファ同士でも行われることがあり、アルファ同士で優劣がついてしまうものでもある。
しかしアルウェンが発しているものが少なくとも『威圧』であるならば、リュシアンに一切影響がないのはおかしい。
リュシアンは自分がアルファの中でも『劣等』の分類に入っている自覚があるし、そんなリュシアンがアルファの中でも上位存在と言われているアルウェンからの『威圧』を向けられて無事でいられるはずがない。
「おい、俺が聞いているだろうが」
誰も彼もが答えられないほど怯えているというのに、アルウェンはさらに何かを強くして苛立たしげな感情を近衛騎士に向けた。
アルウェンから向けられたそれに、サイモンと呼ばれた近衛騎士はぐら、と膝をつく。
「……っかり、まし、すいませ……それ、抑え……」
なんとか絞り出したサイモンの声に、とにかくアルウェンから出ている何かを抑えないといけないらしいとリュシアンは悟った。
いまだ一切の表情がない男に、この場で唯一動けるリュシアンはおそるおそる、殿下、と呼びかけた。
「あのう、殿下……遅くなって申し訳ありません。その、抑えていただけませんか?」
何かはわからないのでそうお伺いを立てると、アルウェンは我に返ったようにリュシアンに視線を向けた。
リュシアンと視線が合うと、アルウェンはわずかに頬を赤らめて顔を逸らす。
「す、すまない、シア……。お前が来るのが待ち遠しくて……ついアルファ性を出してしまった」
(は?)
その言葉にリュシアンは顔を歪めそうになった。
ぎりぎりでそれをこらえ、リュシアンは口元を笑みのカタチに曲げる。
「……近衛騎士に案内してもらいます。殿下、中へ入れていただけますか」
その提案にもちろんだと頷いたアルウェンは、歪んだ扉を見て気まずげな顔をしたものの、特に触れることなく扉を開け、こっちだと部屋に入っていった。
リュシアンを案内していたサイモンがゆっくりと立ち上がり、ふーと息を吐く。
びっしりと冷や汗をかいていたサイモンは、リュシアンにありがとうございます、と頭を下げた。
「ひとつ、お聞きしたいのですが」
リュシアンは中へ案内しようとするサイモンに、思わず尋ねた。
「なんでしょう?」
「いまのはアルウェン殿下の『威圧』か何かで?」
その質問に、ああ、と近衛騎士は朗らかに笑って首を振った。
「いえ、ただアルファ性を抑えていなかっただけですね。アルウェン殿下はアルファの中でも最上位に入りますので、普段から抑えていただけないと、ああして近寄れなくなるのです」
『威圧』などされてしまえば気絶してしまいますよ、と笑うサイモンに、リュシアンは片目を眇めた。
(アルファ性を出しただけ?)
においも相当近づかれなければわからない。オメガのにおいなんて気分が悪くなって近づくことすらできない。
そんなリュシアンとは、何もかもが違いすぎると、嫌というほど思い知らされた。
アルウェンは、存在だけで他者を跪かせる絶対王者なのだ。
(同じ、アルファなのに)
リュシアンはどうあってもアルウェンに敵わないだろう。
足元にも及ばず、リュシアンは自分がアルウェンと同じアルファだとは思えない。
アルウェンに敵うはずがないとは最初からわかっている。
だが、同じ土俵に置かれていて、こんなにも違い、弱弱しい自分がひどく惨めだった。
先ほどオメガと間違えられたばかりのリュシアンは、己のアルファの能力の低さに苦い思いを飲み込む。
勉強でどれだけ頑張ろうが、魔法をどれだけ学ぼうが、アルウェンには何一つ勝てないだろう。
努力では絶対に埋まらない能力差を目の当たりにしてしまった。
この王宮に来る時よりずっと、リュシアンはここから逃げだしたかった。
ちゃり、と鳴る耳元の音が煩わしく、リュシアンは座り込んだままのアメリアを無視して近衛騎士の案内のもと、アルウェンの部屋に足を踏み入れた。
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