ブルー・クレセンツ・ノート

キクイチ

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悪政のレヴナント

ZODiAC

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────エリューデイル(人狼ルガルティターノ種、アールヴヘイム王侯エインヘリャル


 私は、ムスペルヘイムのドリアン=ルークの客人として、彼の宮殿の離れに客間を借りて生活している。

 アールヴヘイムの大崩落直後はヨトゥンヘイムでお世話になっていたが、自分の領地に近づくこともできず、暇を持て余していたこともあり、長年の夢であった外郭世界を自身の目で見るための旅に出ていた。多種多様な景色や、多種多様な生命体と出会うことは、とても新鮮な体験だった。

 本来であれば、私がギア復興の中心となるべきだったのだが、フラガ=ラ=ハが、ロクリアン=ルシーニアの宮殿にて、ヨトゥンヘイムの何者かの手によって暗殺されたことを切欠きっかけに事情がかわってしまったのだ。

 彼が殺害された時、偶然、私もニダヴェリールの宮殿に滞在していた。ほんの数日前に再会し、いろいろな土産話で盛り上がっていた相手の突然の訃報に、私は耳を疑った。

 宮殿内は厳戒態勢が敷かれ、慌ただしかったが、数日後、事件の真相が判明すると、元の平穏な宮殿に戻った。

 そして、ロクリアン=ルシーニアから、ドリアン=ルークの宮殿に行って精密検査を受けた方が良いと勧められた。

 鎮守鎖アースバインダーには欠陥があったらしい。
 バインドされた大地の次元軸が欠落した場合、肉体が滅び続けるのだ。
 それは、遠隔地に避難しても同様であった。

 これらの情報は、王侯エインヘリャル達には秘匿ひとくされていた。
 量産型の鎮守鎖アースバインダーは、生命の根源体に深く根ざしてしまうため、対応策が見つけられなかったからだ。

 フリギアン=ギアは、大崩落後の大地の生命達の導き手を残すため、改良版の鎮守鎖アースバインダーの開発を要請した。

 そして、急遽1本だけ追加納品されたものが、私の鎮守鎖アースバインダーだったのだ。
 
 ドリアン=ルークは、すでに準備万端だったようで、すぐに検査にとりかかった。

 検査結果は、問題なしだったのだが、フラガ=ラ=ハの死の真相を聞いてしまった以上、ヨトゥンヘイムとはあまり関わりたくなかった。

 幸いドリアン=ルークの提案もあり、彼の好意に甘え、しばらくの間、彼の宮殿に厄介になることにした。ロクリアン=ルシーニアも、これに賛成し、いつか、本当の意味でギアを復興する時のために、今は耐え忍んで準備をすべきだと提案してくれた。

 そんなわけで、ドリアン=ルークの庇護ひごの下、私は、自己研鑽の日々を重ねているのである。
 
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