【短編完結】間違え続けた選択肢

白キツネ

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遅い後悔

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 目が開けると眩しい光が差し込む。

「朝……か」

 今日から学校が始まる。着替えないと……

 ――私たち引っ越すの

 ゆずねぇの言葉を思い出し、慌ててリビングに駆け降りる。

「お母さん! ゆずねぇたちは!?」

 母は私の慌てた様子に少し驚きながらも、言いたい事を察したのか静かに首を横に振った。

「そんな……」

 私はおじさんとおばさんにも何も言えなかった。謝れなかった。ううん、ゆずねぇにも謝っていない。優馬にも……

 あはは……。そっか、自分の事だけってそういうことだったんだ。

 学校に向かうと多くの人が私に駆け寄り、声をかける。しかし、その内容は上辺だけだったり、中には優馬を悪くいう奴もいた。
 否定したかってけど、結局私は何も言えなかった。ゆずねぇの言った通り私は自分の事だけ。弱い人間だった。

 ただそのやり取りも段々辛くなった。他人に合わせて自分の心に蓋をする。そんな会話が続くのが辛く、苦しかった。
 そうして私は部屋に引きこもった。

 ゆずねぇたちが引っ越してから私の心にはポッカリと穴が空いたみたいに虚無感だけが残った。
 部屋に電気をつけず、真っ暗な部屋でジッと家族7人が映ったデスクトップ画面を見続ける。

 人は振り返ってみれば、常にゲームのような選択肢が存在する。けれど、ゲームのようなリセットボタンはない。
 
 だから、間違えた。そう感じた時点で違う行動を取らないと手遅れになる。

 私は間違え続けた。その結果、好きな人、好きな人を犠牲にしても守りたいと思っていた家族という関係……私は全てを失った。

 今日も暗い部屋の中で一人、自らの選択肢を後悔して過ごす。
 
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