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チャプター4【二人共々3】
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チャプター4【二人共々3】
*****
注意喚起…かなりの性的残虐表現があります。苦手な方はお読みいただくのを控えてください。また表現に対してのご自身の心身の影響に関して責任は負いません。自己責任でお願いします。
*****
「…ぉ…俺じゃない…俺は殺してなんかいない……ッ」
加藤憲久(かとうのりひさ)は自室のベッドに座り込み頭を抱え込んでいた。
「…アイツがッ。…アイツが悪いんだ…アイツがあんな女だったなんて……」
絶望に打ちひしがれたような虚な眼でブツブツと呟いている。
「ーーほう? お前は、何も悪くない、と」
「…なッ、誰だッ?!」
憲久は突如聞こえた声に驚き顔をあげる。
「…な、アンタどっから入ったッ?!」
聞こえた声に方を見るとそこには、スクールカウンセラーであるシンが立っていた。
「お前は、何も悪くないのか?」
シンは憲久の問いには答えず、淡々と言葉を紡ぐ。
「……ッ」
シンの言葉に一瞬躊躇した憲久だが、
「…な、何の事だよ……?」
小さく呟きつつシラを切るフリをした。
「ーー井川遥を乱暴に押し除け、その反動で彼女は頭部外傷を負い命を絶った…」
「ー…ッ!」
シンが静かな口調で語りかけると憲久の表情が一変する。
「…どうしてその事を…?」
震える声で呟く憲久。
「…どうしてだろうな」
「…ぁ…あれはッ。あれは俺のせいじゃない! アイツがッ、アイツが他の男と出来てたから……ッ! へ…、変な動画が届いて……」
「これの事か?」
何故か自分を弁護するように言い訳する憲久に、シンは自身の携帯の画面を憲久に見せるように差し出した。
「……ッ! これ…何でアンタが……ッ?!」
シンが持つ携帯を奪おうとする憲久。だが、携帯はシンの手から離れ床に音を立てて落ちた――否、シンが落としたのだった。携帯を目で追いすぐさましゃがんで拾おうとする憲久の手はシンによって防がれた。シンの革靴が、落ちた携帯を踏んづけたからだった。
「…なん…?」
憲久はシンの顔を見上げる。
「井川遥の情事が、お前にとって『悪い事』だと?」
憲久を見下ろし嘲笑うシン。
「なッ? 何だよアンタさっきからッ! つかアンタどうやって入ってきたんだよッ?!」
シンの態度に苛立った憲久は立ち上がりシンを睨みつける。
「…仕事をしにきた」
「な、何を言ってるんだ……?」
憲久の恨みがましい視線にも臆さず端的に言葉を紡ぐシンに、憲久は少し不安げに呟いた。
「女一人の性欲求を満足に満たせないお前に、最高の贈り物をしようか」
「ー…ッ! アンタッ、さっきから何なんだよッ!」
自身の神経を逆撫でするようなシンの言動に苛立ち、堪えきれなくなった憲久はシンに殴りかかろうとしたーー
「ー…ぁ? …うわ、なんだこれッ?!」
ふいに身体の動きを止めて自身の振り上げた右拳を見る。
「ぅあ?! …あっつ! おい何で手が燃えてんだよッ?!」
突然発火した炎に驚き、慌てて火を消そうと右腕を振るうが、右手に纏わり付いた炎は憲久の衣服を食い破るように燃やしていく。
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注意喚起…かなりの性的残虐表現があります。苦手な方はお読みいただくのを控えてください。また表現に対してのご自身の心身の影響に関して責任は負いません。自己責任でお願いします。
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「…ぉ…俺じゃない…俺は殺してなんかいない……ッ」
加藤憲久(かとうのりひさ)は自室のベッドに座り込み頭を抱え込んでいた。
「…アイツがッ。…アイツが悪いんだ…アイツがあんな女だったなんて……」
絶望に打ちひしがれたような虚な眼でブツブツと呟いている。
「ーーほう? お前は、何も悪くない、と」
「…なッ、誰だッ?!」
憲久は突如聞こえた声に驚き顔をあげる。
「…な、アンタどっから入ったッ?!」
聞こえた声に方を見るとそこには、スクールカウンセラーであるシンが立っていた。
「お前は、何も悪くないのか?」
シンは憲久の問いには答えず、淡々と言葉を紡ぐ。
「……ッ」
シンの言葉に一瞬躊躇した憲久だが、
「…な、何の事だよ……?」
小さく呟きつつシラを切るフリをした。
「ーー井川遥を乱暴に押し除け、その反動で彼女は頭部外傷を負い命を絶った…」
「ー…ッ!」
シンが静かな口調で語りかけると憲久の表情が一変する。
「…どうしてその事を…?」
震える声で呟く憲久。
「…どうしてだろうな」
「…ぁ…あれはッ。あれは俺のせいじゃない! アイツがッ、アイツが他の男と出来てたから……ッ! へ…、変な動画が届いて……」
「これの事か?」
何故か自分を弁護するように言い訳する憲久に、シンは自身の携帯の画面を憲久に見せるように差し出した。
「……ッ! これ…何でアンタが……ッ?!」
シンが持つ携帯を奪おうとする憲久。だが、携帯はシンの手から離れ床に音を立てて落ちた――否、シンが落としたのだった。携帯を目で追いすぐさましゃがんで拾おうとする憲久の手はシンによって防がれた。シンの革靴が、落ちた携帯を踏んづけたからだった。
「…なん…?」
憲久はシンの顔を見上げる。
「井川遥の情事が、お前にとって『悪い事』だと?」
憲久を見下ろし嘲笑うシン。
「なッ? 何だよアンタさっきからッ! つかアンタどうやって入ってきたんだよッ?!」
シンの態度に苛立った憲久は立ち上がりシンを睨みつける。
「…仕事をしにきた」
「な、何を言ってるんだ……?」
憲久の恨みがましい視線にも臆さず端的に言葉を紡ぐシンに、憲久は少し不安げに呟いた。
「女一人の性欲求を満足に満たせないお前に、最高の贈り物をしようか」
「ー…ッ! アンタッ、さっきから何なんだよッ!」
自身の神経を逆撫でするようなシンの言動に苛立ち、堪えきれなくなった憲久はシンに殴りかかろうとしたーー
「ー…ぁ? …うわ、なんだこれッ?!」
ふいに身体の動きを止めて自身の振り上げた右拳を見る。
「ぅあ?! …あっつ! おい何で手が燃えてんだよッ?!」
突然発火した炎に驚き、慌てて火を消そうと右腕を振るうが、右手に纏わり付いた炎は憲久の衣服を食い破るように燃やしていく。
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